本当にそうなの?

YOUTUBEである物理学博士のおっさんの動画を観ていた。
ことの発端は「四次元について知りたい」と息子が言い出したからだ。
動画の説明を淡々と聞きながら、私は「へえ〜〜そうなんだ」と単純に受け入れた。息子は実にニュートラルな表情で納得も疑いもしていない様子だった。

数日後、息子とのんびりと自転車をこぎながら会話をしていたら、
「あれ?これってこの間の動画で言ってたこととちゃう??」と世紀の大発見の如く高揚して間抜けに笑いながら息子に顔を向けた。
「あーそうやな!」と同意してくれるものだと決め込んでいたのだが、想定外の返事だった。

「それって、本当にそうなの?あの人の言ってることが間違ってるかもしれないよ?」
実にシンプルだが的確な表現に、私は間抜けに笑ったままフリーズし、それが残像として空気に散っていった。
この子は、誰かが言ってることを、鵜呑みにせずに自分の頭で考えている・・!!

次の瞬間なんだか立派そうな人が、博士が、言ってることやしそのまま納得し、テンション高くなってしまった自分が、ゴシップネタをさぞ真実のように語り、「それってどこからの情報ですか?」と聞くと、堂々と「テレビでやってた!」と言っている人と同じではないかと思い、カアアアアアッとひとり赤面することとなった。フラットに冷静な顔をしながら自転車をこぐ11歳の息子の背中を、ただ追いかけた。





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