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【ショートストーリー】ちょっと変わった夫婦の会話

登場人物

もっこちゃん


ちょっと抜けているところはあるけれど、優しくて元気いっぱいのマイペースな女性。
年齢不詳だが、彼女の中では永遠の少女だと思っている。
だんなさんののっぽさんと二人暮らし。
本と編み物とパンが大好き。

のっぽさん

もっこちゃんのだんなさん。
とっても細いので、遠目からはマッチ棒に見えるらしく、友だちから
マッチと呼ばれている。(アイドルのマッチには程遠いけど…)

ほんわかした見た目とは裏腹に、SE(システムエンジニア)という難しい仕事に就いている。


ある日の会話

夏真っ盛りの7月。
うだるような暑さは朝から続き、夕方になってもまだもわっとした空気が残っている感じ。
今晩は、熱帯夜覚悟か。

もっこ「あついね~」
のっぽ「あついね~」

もっこちゃん手作りのナポリタンをお腹いっぱい食べ、至福の時間を過ごす二人。
エアコンがほどよく効いたリビングで、二人は仲良くソファに座り、テレビのバラエティー番組を見ている。

「そういえばさ、今日電車で変な人見たわ」
「変な人?もしかして生卵丸呑みしてる人とか?」
のっぽさん、思わずビールを吹き出しそうになる。
「いやいや、そんな人いるの?逆に」
「うーん、いるのかなぁって思って」
もっこちゃんは、真面目な顔でポテチをバリンと響かせた。

「…まぁいいや、それで俺が見た変な人っていうのは」
「わぁ~!中森明菜だ。げらっ、げらっ、げらっ、ばぁ~にんは~~♬」
昔懐かしい映像が流れ、曲に合わせて口ずさむもっこちゃん。
「もっこちゃん、その変な人っていうのはね…」
「ねぇ、みてみて~。あのにゃんこちゃん、ちっちゃ~い」
「あ、あのさ…」

困惑するのっぽさんだが、こんな和やかでちょっと可笑しい時間は、ゆるゆると流れていく…。

(つづく…かもよ)

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