【毎週ショートショートnote】見つかったのはスマホだけではなかった…
その昔AIの出現で人類はオロオロしていたというのに、今やクローンフォンがすっかり主流だ。
クローンフォンとはまんま人間の形をしており、電話やメッセージのやり取りを始め、支払いもこれ一つで済む上、動画や音楽もボタン一つでどこでも楽しめるのだ。
昔は、スマートフォンという手のひらサイズの電話機が普及していたというがとんでもない、あんなものおもちゃのガラクタに見えない。
そんなある日のことだった。
偶然立ち寄った無重力喫茶の真っ白い床に、それはあったのだ。
長四角のボディと、そこから伸びる紐らしきもの。
傍らには何かのキャラクターを模したらしい物体が、にっこりとほほ笑んでいる。
うん間違いない。
昨日パートナーと訪れた「れとろ館」で見た、あのスマートフォンだ。
恐竜の骨やアンモナイトのように、まさか白骨化したスマートフォンを発見できるとは思いもよらなかった。
それにしてもなぜ、こんなところにスマートフォンが埋められているのだろうか…。
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