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九州をぐーるぐる【唐津】

旅の始まりはいつも突然。

目が覚めて電気がついたままであったことに気づく。昨夜飲んでいた缶チューハイがまだ残っていてもったいなと思い口にした。アルコール独特の風味が鼻を抜けていく。暫し頭はぐるぐるしていたが、こうもしてられんと残りを一気に飲み干して服を脱いだ。

シャワーを浴びたお陰か、頭はスッキリしている。何をやるべきか、それがわかると行動は早かった。数日分の着替えを鞄につっこみ、家を出る。スケジューラは空白のままだった。

どこに行くかはなんとなくわかっている。特に誰かに会うわけでもなく、何かを見るわけでもなく、ひたすら電車が進む方に。乗り換えを数回済ませると唐津という街にたどり着いた。佐賀県の北側、博多まで一本で行ける街。

地図を見れば佐賀県の北側はほとんど唐津市だ。イカで有名な呼子も、虹の松原もこの唐津市である。一方、唐津の街中はそんな海の要素を感じさせない趣のある空間だ。唐津城を中心として出来上がった城下町に明治期の近代化の色が残っている。大通りからは細い路地が走り、少し古い造りの建物も残っている。と思えば、近代の代名詞とも言えるレンガ造りの建物も。これは旧唐津銀行の建物らしい。この建物、東京駅や日本銀行本店を手掛けた辰野金吾氏の設計、親近感のわく建物だと思っていたら辰野氏であった。(京都にもいくつか辰野氏の建物が残っていてだな。)

短時間の滞在ではあったが、楽しめたと思う。駅で買った呼子の海中レストラン、萬坊のいかしゅうまいと下足の天ぷらも美味。商店街で延々と流れるアニメ「ゾンビランドサガ」のOP曲もなんだか趣深い。時間があれば唐津城まで行きたかったけれど、私たちには時間がないからな。しょうがない。

さあ、旅を続けましょうか。

またどこかで。

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にゃーん。