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某日、空の上にて記す
この小さい島を飛び立つ時にはいつも隣にキミがいた。華奢な身体、細く白い腕、いつも不運な私を幸福で満たしたくれる髪の匂い。でも今日はその全てがなかった。
いつもと同じ通路側の席。窓の奥は一面青い。浮かび上がる緑のアート、人の営みが映し出されている。普段私たちを守る自然や建物がオブジェのように小さい。そこに人の姿はないし、それにいない方がなんだかしっくりくる。やはりこの星にとって人間はちっぽけなものなのだろう。
視線を戻すが、やはり隣にキミはいない。キミが去って1年が経ってしまった。あの暑い夏の日、色味のない夕方のチャイムが鳴り響いたあの日を思い出し、そっと目を閉じる。
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目を開けると隣の席の子どもがおもちゃを掲げてはしゃいでいた。まだ何も知らない純粋無垢な目が眩しい。目が合ったので微笑みかけてみたものけれどマスク越しには伝わらなかったのだろう、彼はすぐに目を反らし隣の母親に視線を移す。視線の先の彼女の腕は細く、白かった。
窓から射し込む光、その眩しさに負けて目を閉じると、そこには微笑むキミがいた。
そっか、キミはずっとココにいる。
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私たちは出会いと別れを繰り返します。必ず訪れる別れですが、それは決して永遠の別れではない。例えもう会えなくても、私たちが思う人々は記憶の中に、そして心の中に生き続けるのです。
にゃーん。