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【詩】自然を超える実験

書を読むように音楽に耳を傾ける少女は
喉から光の泥が溢れ、悶える。
浄玻璃の中にある猛毒の液体は、
その少女にとってやすらぎを与え、
つんぼにさせる。
逆さ窓から覗いている易者は、
その一部始終を新品のハンカチに書き記す。
そして、
そのハンカチを二人目に渡し
二人目は、
そのハンカチで手品を披露する。
手品を見ていた王女は
二人目の手の甲に愛撫をする。

少女の愛読書が火のついた煙草から落ちる。
その本を読みながら瞑想する蕩尽したものは
正論を唱えるようになる。
その正論は、
時を経て陰謀論になった。
誰もが知らない陰謀論に。
そして、
その陰謀論を
早朝の公園のベンチで
児童がみつける。
その児童は発狂した。
そして、世界が滅んだ。

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