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そこは、ただただ暗かった。左右を見ると畑がひろがっているらしかった。前方には森林がそびえたっているらしかった。畑と空、木々と空の境界があいまいで、灯りという灯りは月灯りしかなかった。 生温かい微風が横切った。その微風が心細さを増長させた。 私は歩いた。地面が確かにあるものと信じて。一歩々々たしかに歩を進めるものの景色は変わらず、本当に進んでいるのか自信がなかった。 私はどこに向かっているのだろう。分からない。でも立ちすくんでいるよりは歩を進めることの方が心細さを紛らわ