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オーディションなしで仕事をする

モデルが仕事を得るには、毎回オーディションを受けて合格することが基本です。けれど中には、オーディションなしで仕事をしているモデルがいます(そうなったらどれほど気持ちが楽か…!!)。モデルを続けていく上で最終的に目指す場所はそこではないかなとも思います。
”オーディションなしで仕事をする”それは言い換えれば、”信用のあるモデル”になったことを意味するのではないでしょうか。

そこに行き着くには、日々の仕事をこなしキャリアを積んでいくことや、世間が広く認識してくれるような仕事をして注目のモデルになることなど、方法は多くあります。
今回はその中でも、私が新人時代に経験した出来事をシェアしながらお話ししたいと思います。

◆予期せぬ撮影のチャンス到来

いわゆるノーギャラの仕事って、引き受けたことあるでしょうか。予算がなく、モデルのギャラがもらえないこと、ごく稀にあります。
いや、稀じゃないかな?雑誌の仕事は元々予算が少ないことが多いですが(フリーペーパーも多い)、特に海外雑誌の場合は、作り手側が雑誌社に作品を持ち込み掲載を狙う”サブミッション”もあり、ギャラなしも珍しくはありません。
それでもモデルが引き受ける理由としては、大抵は以下の3つに分けられると思います。

1.(新人の時に)経験としてやるべき
2.経歴や仕事の上がりが欲しい
3.参加するクリエイターが最高!

私は日本でも海外でも、何度となくギャラなしの仕事をしてきました。もちろんそういう仕事は一切引き受けない、としているモデルもいるかと思います。
私の場合はというと、内容が面白そうならできる限りやってみたい!と思うタイプ。自分一人では作ることのできない世界観に飛び込んでみたいし、撮影することで表現の幅を拡げたり、刺激的な新しい人たちに出会える…新人の頃からそう考えていました。
まあ、中には引き受けるかどうか判断に迷う仕事もあれば、引き受けたのは正直失敗だった…と思うものもかなり経験しましたが。。笑

新人の頃は、とにかく1の”経験としてやるべき”という理由で引き受けることが多かったのですが、一度だけ1と3両方の理由で引き受けた仕事がありました。

◆憧れのフォトグラファー

モデルを始めると同時に、雑誌「コマーシャルフォト」(通称コマフォト)をよく読んでいました。コマフォトは、カメラ機材等に関する情報から、広告やCM、ミュージックビデオ等の最新情報が掲載されている専門誌。
その中でも、業界にどんな方がいるのだろうという勉強も兼ねて、クリエイター紹介や広告のクレジットを見ては、好きなクリエイターの方たちにマーカーを引いて名前を暗記していました。(今は名前が全く覚えられない、、あの時の記憶力が帰ってきて欲しい〜笑)

中でも特に好きだったのは、別冊で出ていたファッションフォトグラファー特集。活躍中のファッションフォトグラファー9名が載っており、その方々の写真やお話している内容を読んでいくうちに、私もいつかこの方々と一緒にお仕事をしてみたい…!と密かに目標にするようになりました。

ここまで話してきて、もうお気づきの方もいるかと思いますが、、、

そう!私が上で言っていた仕事(1と3の理由で引き受けたもの)とは、コマフォトに載っていた憧れのフォトグラファーの方との撮影だったんです!!

当時マネージャーに「この仕事、ノーギャラなんだけど、、クリエイターの方たちがめちゃくちゃいいメンバーなんだよね。どう思う?」

と撮影チームのメンバーを聞かされたときの衝撃と言ったら…!フォトグラファーの方の名前を何度も確認して、

「やります!やらせてください!」と二つ返事で引き受けました。

憧れの方とご一緒できる…!その事実が嬉しすぎて、もうギャラなんてどうでもよくなっていました(それもどうなの笑)。

そうして引き受けた仕事は、海岸沿いまで行ってのロケ撮影。岩場で踊りながら撮ってもらったのを覚えています。
撮影後にはフォトグラファーの方とお話することができ、共通の話題もあったことでとても盛り上がりました。

その時の仕事の写真がこちらです。

◆思わぬ仕事が繋がっていく

そんな嬉しい撮影から数ヶ月後、再び嬉しい出来事が。

なんと初めて、雑誌の表紙撮影が決まりました!

オーディションもなく突然決定の連絡が入ったので、不思議に思って詳細を聞くと、フォトグラファーは前回ロケでご一緒した憧れの方!他にお仕事をご一緒したことのある方が現場チームにも雑誌社にもいなかったため、これは私の推測ですが、、その撮影に私を呼んでくださったのはそのフォトグラファーの方だったのではないか…と思いました。
当時も今も結局誰にも聞けずじまいだったので、真相はわからないのですが。

そんなご縁でやらせていただいた表紙撮影は、私の記念すべきモデル人生初の表紙となりました。そういった撮影は”いずれ達成したい目標”だと思っていたため、まさかこんなに早く達成してしまうなんて…と驚きと喜びでいっぱいでした。

美容雑誌etRouge

◆連鎖する仕事

自分でも忘れていた頃に、以前ご一緒したクリエイターの方から別の仕事に誘ってもらう。そこでまた新たな方に出会う。そこからまた別の仕事へ呼んでもらう…こんな風に仕事が繋がっていくのを、私はこの時初めて経験しました。
まさかギャラなしの仕事が自分の目標としていた仕事に繋がるなんて…チャンスはどこに転がっているかわかりません。

いいことも悪いことも誰かが必ず見ていて、口コミで広がっていくのがこの業界。大切なのは、どんな仕事であれ、丁寧に接すること、選ばれたからにはベストを尽くすこと、そして、楽しむこと。
もちろん人間だから、気分の浮き沈みや、何をやってもうまくいかないと感じる日もあります。そういう日は、そういう日なりのベストを出す。誠意を持って取り組んでさえいれば、その気持ちは伝わります。さらにそのことが、オーディションなしで仕事を得るという環境を作っていきます。

”いいモデル”とは、この子に任せたら必ずいい仕事ができる、と信頼を置かれ、それに応えられる人だと思います。私もそんなモデルを目指し、日々仕事に励む毎日!

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