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ニューヨークのモデルアパート事情②
こちらはモデルアパート事情①の続きです!まだ①を読んでいない方はこちらから。
初めてのニューヨークでのシェア生活。「モデル8人でバストイレ1つ」という普通ではありえないような状況にも段々と慣れてきた…と思ったのも束の間…それを上回る環境が待ち受けていました。
◆事件発生しました×3
①トイレ壊れる
滞在して1ヶ月もしないうちに、まさかの、トイレが壊れた…。
水を貯めているタンク内にある重りと、それをレバーと繋ぐ役割をしている鎖が切れた…要するに、使用後に水を流すためには、タンク内に手を入れ(貯まっている水の中)、自ら重りを引っ張り上げないと水が流れない状態に…(想像するだけでも鳥肌ものですが、実際に修理業者が直すまでの間、何回もやりました。泣)。
事務所に報告すると、修理業者が来てはくれるものの、重りと鎖をタコ糸で(!!)結ぶだけ。。。(これは絶対に修理とは呼ばないと思う…!)案の定またすぐに切れてしまい、手で引っ張ることに。。。
みんな不満を持っていたけれど、実は私が滞在する前からこの対応だったようで、半ば諦めている。私自身も、みんなが言ってきてこれならもう仕方ないのかもしれないと思い、従っていました。
②ベッドバグ
ニューヨークファッションウィークのオーディションが徐々に始まっていた8月下旬。朝起きると私の腕に異変が…なんと、右腕上部が赤くただれていたのです。
突然のことに私はパニック。症状を見ながら携帯で検索したり、周りの子に相談したところ、ベッドバグだろうということ。そういえば別の部屋の子が、私のベッドの上でクッキーを食べこぼしていたなぁ…なんてぼんやりと思い出しながらも、事務所に報告。
夏の暑い時期に、ましてやオーディションでそこだけ隠すわけにもいかず(結局フィッティングしたらバレてしまうのでね。。)、”私の初めてのNYファッションウィーク、終わった…”と心が折れそうになりました。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35145339/picture_pc_efba6236f6d0b42088ef3903cd4f814d.jpg?width=800)
③夜中3時事件
ファッションウィーク期間のモデル人口はかなり多く、アパート滞在人数もMAX8人…のはずが、直前になって1人増え、9人に。でも、泊まる部屋はもうないし…
ということで、最後に来た1人はまさかのリビングのソファで寝泊まりすることになりました(この時点でちょっとおかしい)。
9人になって数日が経過したある日。夜、みんなが寝静まった頃に突如、叫び声が…!?びっくりして飛び起きると、声はリビングから聞こえる…何を言ってるかはわからないけれど、とにかく叫んでいる。
連日続くオーディションの疲れがあり、少しでも眠りたかった私は、イヤホンで音楽を爆音にして聴くも、どうしても声が聞こえてくる。扉を開けて見ると、ソファに寝泊まりしてる子が泣き叫んでいました。
翌日周りに聞いたら、どうやらソファで寝泊まりしていた子、彼氏とうまくいっていなくて電話で喧嘩していたらしい…夜中3時でした。
ちなみにこの時間、みんなテンションが上がってしまうようで、以前もクラブから帰ってきた子がリビングで1人で歌いながら踊っていました。
私の部屋、後から作られた簡易的な部屋だったらしく、天井と壁の間にぽっかりとL字型の空間が空いていて、リビングの音がそのまま聞こえてくるから、もう眠れなくって。
その時は、”寝たいから歌わないで!”とノリノリのテイラー・スウィフトを止めてしまいましたが。私はこの2つを合わせて”夜中3時事件”と呼んでいます笑
◆”AMIが怒った…!”
そんなこんながあって、ファッションウィーク直前に疲れとストレスがMAXに達していたある日。その日は10件のオーディションがあり(ちなみに他のモデルで15件の子が…!)、朝からニューヨーク市内を縦横無尽に駆け回っていました。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35145001/picture_pc_b44f1cffabe5015fdcc08e03f8410b55.jpg?width=800)
気力も体力も限界にきていた10本目。目的地に辿り着くと、朝1番に訪れた場所と同じ場所…でもメールを見ると、それぞれ少しづつ詳細が違う。不審に思ってマネージャーに電話すると、どうやら間違えて同じオーディションを2つの時間帯でブッキングしていたらしく、もう朝に行っているならいいよとのこと。
普段だったらこういうミスも”ああ、そういうこともあるよね。了解!”と笑って済ませていたはずなのですが、その時の私はアパートでの事件も重なって…
激怒しちゃいました笑
オーディション終わりで事務所に向かうと、その日のブッキングミスの事に加え、アパートで起こっている
○トイレいつまでも直らない問題
○ベッドバグ
○夜中3時事件
など全てをマネージャーに話し、怒りをぶつけてしまいました。もうこんな状況なら、私はアパートにいたくないとまで言って。実際にベッドバグが出た時は、その当時現地でできた知り合いのお家に避難したりもしました。
突然私が怒り出したので、マネージャー陣もびっくり。普段は英語がわからないのもあってニコニコしていた私に、”あのAMIが怒った…”となったらしく、全ての問題の解決に迅速に乗り出してくれました。
トイレ問題に対しては今までとは別の業者を呼び、使っていたものをズボッと抜いて、新しいものと全て交換(引き抜いた瞬間に遭遇し、トイレってこんなふうに交換するんだ…とギョッとしたのを覚えています)。
ベッドバグもそれ専門の業者を呼び調査、その後から週に2日はハウスキーパーが来るようになり、夜中3時問題に至っては、叫んでいたモデルが呼び出されお説教されるという事態に(少し心が痛みましたが。。)
一気に全ての問題が解決されました。”やればできるじゃん…それなら最初からやってほしかった(特にトイレ!!)”とも思いましたが、一番言いたいのは、
”言ったもん勝ち”ってこと。
言わなきゃ伝わらないし、どれだけ思っているのかをきちんと気持ちを込めて伝えなければダメだということ。
特に海外では、日本にある”空気を察する”ような文化はないので、言わないと言わないだけ損をするような気がしました。あくまで私の感じ方ですが、黙っていていいことはあまりないな、と。
この”AMIが怒った”事件から、私自身も思ったことはもっと言わなきゃいけないなと、少しずつ自分の考えと言動が変化していきました。自分の中で少しでも疑問に思ったことは質問するようにするし(ずっと悶々としているとそのうちそれが不安に変わるからね)、自分の気持ちが正確に伝わるような言葉選びをする。
初めてのニューヨーク生活は劣悪な環境だったけど、この苦い最初の3ヶ月半の経験があったからこそ、今のタフな私が出来上がっていると信じています。
ちなみにこれ以後、2度とモデルアパートには滞在しませんでしたが。笑
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