とりあえずやってみる姿勢
NYで仕事をしていたとき、帰国直前になってもいつもバタバタしていました。事務所に私が帰る旨を伝えていても、最後の最後まで撮影やオーディションが入る。前日にオーディションに行かされたときなんて、本番日にNYにいないって言ってるのにどういうこと??と疑問しか浮かびませんでした。
◆直前オーディション
6月。その日も確か、帰る予定日の前々日くらいでした。いつものようにオーディションが入っていた私は、また帰るって言ってるのに入ってる、、意味あるのかなぁ?と不思議に思いながら向かっていました。
オーディション会場は雑誌社のオフィス。
セキュリティーを通り指定された階へ向かうと、ブロンドヘアーの女性が迎え入れてくれました。ニコニコとしていて愛想の良い彼女。私のブックも丁寧に見てくれました。
そして最後に「7月は日本にいるのよね?」と、念を押されました。
「はい。もうすぐ帰るので、7月のその辺りは日本にいます。」
いつもだったら、え?帰っちゃうの?いつNYに戻ってくるの?とNY滞在に関することを聞かれるところが、この日は反応が違う。何か変だったな〜と思っていると、後日、その理由が判明しました。
なんとその撮影、日本の京都で行われる撮影だったのです。
撮影チームは、アメリカから来日する外国人スタッフと、現地にいる日本人スタッフでの構成。日本人モデルで撮影したいとのことで、ちょうど顔見せできるタイミングでNYにいた私が選ばれたようです。
いつもなら日本に帰ってからはしばらく仕事がなく、また一からオーディションを受けて仕事を取っていくというスタイルが当たり前でした。
それなのに、今回は帰る前から仕事が決まっている。NYで顔見せして、自分の帰国するタイミングで撮影できるなんて、、!ラッキーすぎました。
しかもその撮影が、めちゃくちゃ楽しかった!
京都のお寺を回り、普段なら絶対に撮影ができないような場所に入らせてもらったり、夜は宿坊に泊まってクルー全員で談笑したり。ズラリと並んだ豪華な衣装に、作り込まれたヘアとメイク。とてもやりがいのある、それまでのモデル人生でもトップ3に入るくらい楽しい撮影でした。
オーディションの連絡がきたときには疑問しか浮かびませんでしたが、こんなに楽しい撮影が待っているなら…!と現金な私は、次から帰国直前のオーディションがきてももう「なんで今?」とは思わなくなりました笑
来るものには必ず意味があるんですよね。
というか、遠慮せずマネージャーに理由を聞けばよかったんだけど笑
◆前日撮影
また別の時には、帰国前日に作品撮りが入ったことも。
場所はセントラルパーク。
到着すると、そこにはカメラを持った女性と、男性が1人。男性の方はヘアメイク道具を持っているようには見えなかったので(NYにいるときは、ヘアメイクさんなしのすっぴん撮影がよくありました)、フォトグラファーとスタイリストかな?と思っていたのですが、よくよく話を聞くと、フォトグラファーと…
DJでした!!
!!!
海外ではたまにあるのですが。現場に、撮影には全然関係ない恋人や友人が来ちゃうこと。
この日はご夫婦だったようで、奥さんのお手伝いで旦那さんが来ているようでした。センスの良さが見て取れたので、スタイリストさん代わりだったのかも。
5月末のセントラルパークは暖かく、晴れて絶好の撮影日和。原っぱに寝転んだり、岩に登ったり、普段は中々しないようなことばかり指示されました。
その中で着替えはどうしていたかというと。いちいち行くのには遠いという理由からトイレには行かず、公園の中心で生着替え…!これには私もびっくり。ちょっと…いや、かなり恥ずかしかったです。少しは布で隠してくれたけどね。。
しかも途中、このトップスはボトムなしで撮りたいの、と言われ、下は下着だけで撮影したものも。セントラルパークのど真ん中でなんて格好を、、、もはやこれ以上に勇気の要る撮影はないかもしれないと思うくらいのものでした。
フォトグラファーは、よく喋るフランス人の女の子(話してたら"女の子"っていう表現がぴったりに思いました)。撮影のリクエストは無茶難題が多かった彼女ですが、話を聞いていると、日本にもよく行くことが判明。日本の話題ですっかり盛り上がり、仲良くなりました。
私が「実は明日日本に帰るんだよね」と話すと、「え!そうなの?!知らなかった!前日にごめんね。私たちも近いうちに日本に遊びに行くから会おうよ!」と言ってくれました。
帰国後、本当に日本にすぐ遊びに来ていて、連絡もしてくれました。残念ながらそのときはタイミングが合わず会えませんでしたが、、その後私がNYに戻ったとき、マンハッタンの中心で偶然の再会を果たしました。
「Amiiiii!!」
と大きな声で呼ばれたと思うと、小柄な彼女が元気良く駆け寄ってきてくれ、ビッグハグ!今でも忘れられない、とっても嬉しい瞬間でした。
ちなみにDJの旦那さん。なんと、私が大好きなブランドでよくDJをされている方だった、、!そのブランドがSNSでイベント告知をしていたとき、彼の顔写真と名前が大きく掲載されていてびっくり。そちらも合わせて素敵な出会いとなりました。
とりあえずオーディションを受けておいて、もし決まったら滞在を延長、もしくはその日だけNYに戻ってくることを提案する(その分金額も大きいものだったり)など、最後の最後まで仕事のチャンスを探してくれるNYの事務所。受けてみてから考えよう、ギリギリでもできるだけ撮影を組んで写真を増やそうというその姿勢が、今となってはとても有難いことだったんだなと感じています。
お陰で、人生にとっての素敵な出会いがたくさん生まれました。
そして、自分に起こる出来事には必ず意味があると思って取り組めるようになりました。
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