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チャンスは突然。一度ダメでも、別の誰かが押し上げてくれる

街中に飾られる看板広告のモデルになりたい、誰もが知るコスメティックブランドの顔になりたい、憧れのクリエイターと一緒に仕事をしてみたい…
などなど、モデルをやっていると、それぞれに抱く夢や目標があると思います。

今回は、私の中のそんな目標が、思いもよらぬ形で叶った時のお話です。

◆憂鬱なオーディションへ

NY滞在中。その日も、朝からオーディションが入っていました。

撮影のオーディションでしたが、担当者はNYFWでもよく顔を合わせるキャスティングディレクター。
ショーのキャスティングではあまりいい印象がなく(下記の記事の「①キャスティングで帰される(泣)」に登場した彼女です。ぜひあわせて読んでみてね。)、加えて、彼女のキャスティングでは受かったためしがなかったので、若干の憂鬱な気持ちを抱えつつ向かいました。

到着すると、待ち時間もなくすぐにオーディション開始。そして、そこで私が呼ばれた理由がわかりました。

彼女、私のことを会ったことのないモデルだと思って呼んでいたのです。
(NYFWでは何百人とモデルを見るので、モデルの顔を覚えてないことは、仕方のないこと、、かもしれません)

入ってBOOKを見せると、顔を確認され、

「私、あなたに会ったことあったわよね…?」と言われました。その問いに私が肯定すると、

「そうよね?髪型が違ったからわからなかったわ〜。で、いくつだったっけ?…そんな風に見えないわね〜」と言って、終了。

初対面ではないとわかった瞬間、BOOKを捲る速度が上がり、完全に興味ないな、と思える反応でした。

オーディションでは、その仕事のコンセプトに当てはまるかどうかを判断されるので、その過程で他のモデルと比べられ、優劣をつけられることには慣れています(実際慣れているというよりは、ダメージを受けないよう自分自身に”慣れている”と言い聞かせている感じですが。。)。

また、このオーディションの時のように、その場の雰囲気で自分が受からないことを感じ取り、自ら落ち込むこともあります。ここまでは自分の気持ちの問題。

けれど、それ以外に、審査する側の対応で嫌な気持ちになることがあります。モデルに対してリスペクトを持っていない人たちの言動です。
この時もまさにそれで、彼女の品定めするような視線や言動に、ひどく不快感を覚えました。

◆私的パワースポットに駆け込み

オーディションや仕事の後に、なんだかもやもやした気持ちが残っている…私には、そんな時に訪れる、自分を絶対に元気にしてくれる場所があります。
その一つが、NYのSOHOにあるセレクトショップOROBOROでした。

それほど広くない店内には、洋服や小物が色ごとに並べられており、その陳列のグラデーションの美しさに心が癒されます。
加えて、過剰に話しかけられることもなく、自身のペースで自由に見て回ることができるのも、居心地の良さを感じるポイントでした。

実際に、NYのお気に入りのお店として、雑誌のインタビューでもお話したことがあります。私が本気でお勧めするお店4選です。良ければこちらもどうぞ↓↓

この時も、オーディション会場からお店までの距離がほんの数分だったこともあり、もやもやとした気持ちを晴らしに足を運びました。

◆常連客からモデルへ

ガラス張りの扉を開けると、女性2人(いつもの店員さんと、初めて会う方)が出迎えてくれました。何着か試着してから、気に入ったものをレジに持って行った時、そのチャンスは巡ってきました。

初めましての方にお会計をしてもらっていると、

「あなた、モデルよね?」

と話を振られたのです。

「今、うちのECサイトのモデルを探しているんだけど…事務所はどこ?コンポジットカードは持ってる?」と矢継ぎ早に質問をされました。

オーディションを受けてきたばかりだったので、もちろんBOOKは手元にあり、コンポも持っていました。しかも、奇跡的に1枚だけ。

普段は、オーディション以外で安易に人にコンポを渡すことはありません。さらにその日は、もう1本オーディションを控えていたので、手元に残しておくべき1枚でもありました。けれどその時はなぜか、そんなことを考えることもなく彼女に差し出していました。

「じゃあ事務所に連絡するから〜」と言われたのですが、”いやいや、まさかね…”と半信半疑でいたところ、2日後、事務所から私に連絡がきました。しかも、”明日”の撮影が決まったよと。本当に直近の撮影モデルを探していたらしく、コンポを渡した日から3日後、私たちはすぐに再会することとなりました。

そして、驚いたことがもう1つ。

この仕事、お店に行く前に受けた、あの憂鬱なオーディションの案件だったのです…!!

話しかけてくれた彼女、実は店長で、私がお店を出てすぐにキャスティングディレクターに電話をかけたらしいのですが、

「そうしたら、『今、そのAMIがオーディションにきていたわよ』と言われたの!こんな偶然ってある?!撮影のモデルはAMIにしてほしいって伝えたわ!」

と、撮影当日に興奮気味に話してくれました。
その日の撮影も終始和やかに進み、お客としてだけでなく、モデルとしての私も気に入ってもらうことができました。

◆チャンスは一度とは限らない

大好きなお店のモデルを務めたことは、私にとって、とても幸せで光栄なことでした。
きっと、キャスティングディレクターのオーディションだけでは受からなかったでしょうし、あのタイミングでお店に行かなかったら、彼女に遭って撮影の話になることもなかったはずです。

モデル業をやり続ける限り、チャンスは決して一度ではありません。誰かが評価してくれなくても、また別の誰かが評価してくれて、今までずっとできずに憧れていた仕事に押し上げてくれる、ということは珍しくないのです。私も何度か経験しました。

けれどチャンスはある時突然、思ってもみなかった形でやってきます。だからこそ、いつ”その時”が来てもいいように、できる限り万全な状態でありたいものです。
難しいことですが、その状態を保てるかどうかが、モデル人生を左右しているのかなと、最近身をもって感じています。

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