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母の死、父の死

中学生になり私も部活に入ってました。バドミントン部に入りそれなりに成績を残していました。中学一年生の時九月に初めての大会がありダメ元で母に来てもらえないかなと思い施設の先生にお願いをして母の電話番号を教えてもらい電話をかけました。それが9月23日。しかし電話には出ず留守電になってしまいました。

25日に中学校に登校してお昼頃に学校の先生に呼ばれました。「亜美ちゃん、なんか施設の先生が用があるからと言ってたよ。もう帰りなさい。」と。なんと帰ることになったのは私だけではなく年子の兄ふみやもでした。ふみやと私は呑気にこんな話をしていました。もしかしたら施設を卒園できるのでは?親のもとで暮らせるのでは?ととてもワクワクしていました。


施設に戻り応接室に案内された私たちを待っていたのは1番上の兄純一お兄ちゃんでした。私たちはあれ?お母さんじゃないの?と2人で不思議に思ってました。兄が重い口を開いて言った第一声は思いもよらない言葉でした。


「おかはんが死んじゃった。」


この人は何を言っているのだろう。そう思いましたが純一お兄ちゃんはそのまま話を続けました。

「25日におかはんからいつもの連絡がなかったから家に行ったら異様な匂いがしたんだ。とりあえずクーラーもついてなかったし匂いがきついから窓を開けて布団をめくったらそのまま死んでいたよ。ウジも湧いていて…。警察を呼んで鑑定してもらったら死亡時刻は20日だと教えてくれたよ。」と言っていました。そうです。私が電話した時はもう既に亡くなっていたんです。

そのあと兄から教えてもらったのはあまりにも衝撃的でした。


母が情緒不安定だった理由はクスリをやっていたからでした。若い頃から手を出していたらしくそのために育児放棄もしていたらしいです。クスリを求め夜な夜な男と遊び上の兄2人には少しのお金しか出さず家を出ていたそうで純一お兄ちゃん曰くお腹が空きすぎて固形のコンソメをかじって生活をしていたそうです。私も前に食べてみたのですがしょっぱすぎて食べれるものではありませんでした。でも兄にとってはとてもとてもおいしかったそうでそこまで栄養失調だったのだと思います。

そして私たち兄弟は母の血は繋がってはいるものの父親が違うということ。

そして私と年子の兄のお父さんは交通事故で亡くなったわけではなく自殺だったということ。母が情緒不安定になり無理心中をしようとした時に父は母にこう言ったそうです。「お前が死ぬなら俺が死ぬ。お前はこの子供達を育てなければならない義務がある。」そう言って大量の薬を飲みガスコンロの管を口に咥えガスを大量に吸いそのまま亡くなってしまったと。1人の女のために自分の子供たちのために自らの命を犠牲に死んでしまいました。お父さん。あなたの愛した女は結局私たちを育ててはくれなかったよ。そう言いたいです。


母が亡くなった理由は肺に水がたまる病気でした。でも多分最後の最後までクスリと共に生きてきたんだと思います。ギャンブルも好きだったし男好きだったしもう同じ女としてとてもとても恥ずかしいです。



母が亡くなってから私はもう施設を出ても親のもとで暮らせないことは確定してしまいました。それからというもの施設の先生に対して反抗的になり施設の約束をよく破っていました。それに対して怒ってくる先生たちに私はいつもこう言ってました。

「親じゃないのにうるさいんだよ。あんたら先生たちは私たちみたいに養護施設なんかで育ってないんだろ?親のもとで勉強もできてのうのうと生活していたんだろ?私たちの何がわかるんだよ。分からないくせにわかったなんていうんじゃねぇよ。」

今となっては本当にひどいことを言ってしまったと反省しています。わかるわけない。わかるわけないけどわかろうとしてくれた先生たちを平気で私は拒絶していました。私を一歳半の時から見てくれた女性の先生は泣き出してしまいましたがその時の私には何も刺さりませんでした。

高校生になった時年子の兄が養護施設をやめました。理由は同じ施設にいる女の子に手を出したから。でもじつはそれはフミヤの作戦で女の子にフミヤに手を出されたと言ってくれとお願いをしたんです。悪いことをすれば施設を出れる。そう思い私も高校生になった時に高校の先生に頼み私が悪さしたと施設に電話してくれと頼みました。事情を知っていた先生は後悔しないのかと確認してきましたが私にとって17年間も辛い檻の中にいたため外に出たいの一点張りでした。

無事施設に残さないために私は17の時に施設を出ました。なぜか今でも嬉しいけど悲しいあの気持ちが忘れられないです。


自由の身になった私についに人生を賭ける麻雀との出会いがあります。それはまた次の記事で。

ここまで見ていただきありがとうございました(*^ω^*)少し長かったですね。申し訳ございません。また見ていただけると嬉しいです。



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