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自由になったものの

養護施設を出て私は一人暮らしをしていました。初めての生活にワクワクしていました。なんと言っても夜遅くに起きてても怒られないし門限はないし自由になったと感動していました。でもそんなことも長続きはしませんでした。


ある日突然家に人が訪問してきたのですがその人たちは借金取りでした。内容は母の借金のことでした。母が生前前に作った借金を私が払わなければならないと。黒スーツのおじさんはとても丁寧に話をしてきました。

「君のお母さんが作った借金は君が払うからと聞いているよ。もう施設を出たことは知っていたから約束通り払ってもらえるかな?300万。」

せっかく自由になった私はいきなり知らない借金を背負わされました。どうにか勘違いじゃないのか?と思って聞いてみてもやはり私の母親で間違いないし、写真もみしてもらいましたが明らかに母でした。本当私の人生を狂わせてくるし殺そうとしてくるし挙げ句勝手に死ぬし母にはただの憎しみしか増えていきませんでした。

どうせ払わないといけないんだ。そう思って私は了承をしました。17歳で借金300万。馬鹿げた話です。でも黒スーツのおじさんはとても優しかったです。知り合いの方がやっているお仕事に私を紹介してくれて私はそこで仕事をしました。風俗に飛ばされちゃうのかな、臓器とか売られちゃうのかな。なんて正直とても怖かったですが月々ちゃんとコツコツ返していき19になる前に全ての借金を返済しました。


その間に私は異性との恋愛もしましたがそれはそれはもう笑えるくらいクソみたいなものでした。1番最初にお付き合いした人はお金を持って逃げられました。二番目の人はDVが酷くその人との間に実は小さな命が宿りましたが池袋の北口の階段で「俺の子供じゃない。それにお前は本命じゃないし。気持ち悪いんだよ!」と言われ突き飛ばされました。私の体が弱いせいか残念ながらその小さな命はなくなってしまいました。三番目の人は相手のご両親に訳ありの女と付き合うなと言われ振られました。本当男運のなさが笑えてきます。

でも多分そんなきついことがあっても私は子供だったから愛してもらいたくて頑張ってたんだと思います。誰でもいい1人だけでもいいから私を必要としてくれないかな?愛してもらえないかな?なんて思いながら生きてきたんだと思います。


なんやかんや生きていくうちにわたしはギャンブルに手を出していきました。初めて打ったパチンコはTOKIOプレミアムという羽根モノでした。そこからどんどんハマっていきついに禁断のGODシリーズを知ります。その時によく見ていた動画が黄昏びんびん物語というものでした。木村魚拓さんを知りポロリさんを知り中武一日二膳さんを知り沖ヒカルさんを知り…いろんな動画を見ていくうちに麻雀の動画も見始めたのですがとにかくルールはわからなかったので魚拓さんの前にある麻雀牌を触ると怒られるんだなぁとしかわかりませんでした。


ある日施設の友達と飲みにいく時に少し時間が空いたためその面子とゲームセンターで遊んでいました。私はマリオカートで遊んだ後に友達を探しにお店をうろちょろしていました。見つけた先で友達がやっていたゲームが麻雀格闘倶楽部でした。麻雀という存在は知っていたものの私の知識は魚拓さんの怒るゲームとしか認識していなかったのでただ見ていただけでした。するとその友達は私にやってみなよ。と勧めてきました。簡単にルールや少し役を教えてもらいポチポチ遊んでいたのですが面白くなりハマっていきました。

ある日ある程度麻雀を覚えた私は初めてフリーにいきました。歌舞伎町のウェルカムで初めて麻雀牌にさわり麻雀をしました。その時に同卓していたおじさんたち3人は私に対してとても丁寧に優しく教えてくださいました。チョンボをしても決して怒らずとても優しかったです。

そしてその初フリーで私は国士無双をあがりました。今でも覚えています。あがり牌は東でした。おじさんたちは嫌な顔ひとつせずとても褒めてくださいました。生まれて初めて他人から褒めてもらえてとてもとても嬉しかったのを覚えています。同卓したおじさんの1人が私にこう話しかけてくださいました。

「お嬢さん才能があるよ。初めてのフリーで役満を上がるなんて素晴らしいことだよ。長年麻雀をやっているけどこんなのは初めてだよ。おめでとう。いい思い出になったよ。」

その言葉は私にとって一生残る言葉になりました。これは人生で1番楽しいゲームだ!どんなに長年やってる上級者でも私のようなへっぽこに負けちゃうんだから!なんて理不尽で予測できないゲームなんだろう!そこから私の麻雀との人生が始まりました。



ここまで読んでいただきありがとうございました😊皆さん借金しても自分の子供になすりつけちゃダメですよ!


また次の記事でお会いしましょう!

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