積み木迷子②
積み木って一体、何が楽しいんだろう。
1つひとつの積み木は、パターン表などを見るときれいに積むことができるのだけど(そしてそれをキレイに飾ることは楽しくて好き)、「積み木で遊ぶことの効果をおもちゃの専門家として伝えようとした時、私の中ではどうも自分の言葉にできないなという思いがありました。
だから、おもちゃ屋さんやおもちゃ作家さん、デザイナーさんが見せてくれるパフォーマンスを見よう見まねでやりながら、それをひろばで実践していました。
しかし、積み木を使った手品やショーのようなことはできても、お城などの建築物を作り出そうと思った時、色付きの積み木だけだとどうも色合いが美しく感じられず、結局それでお城を作る事はできなくて…。
(キュボロとのコラボを考えてみたこともあるけど、やはりそれだけでは重厚感のある建築には発展できないんですよね。そして、デュシマ社のフレーベル積み木やアクリル積み木、ジグザグ積み木なども購入してみたけど、それで何をどう作ればいいのかわからない…。)
それでもまずは手を動かしてみようと思い、ない知恵を絞ってに上に積んでみたりしましたが、なんだかひらべったい、平面的なお城にしかなりませんでした。
今、思い出しましたが、グラパットも購入していました(笑)
当時の私は、インスタで積み木を使ってオシャレに飾っている人たちへの憧れがあり、同じように素敵な世界を再現したいという気持ちから購入していたのです。
おそらくそのような動機だから、積み木で遊ぶことが目的というよりは、オシャレな珍しい積み木をきれいに飾ることに魅力を感じていたのかもしれません。だから、積み木の遊び方をおもちゃの広場で説明できなかったのかも…。
積み木遊びって一体、どうやって遊べばいいの?よい積み木の条件ってあるのだろうか。そんな疑問がふつふつとわいてきた時、思い出したのが「恩物」の存在でした。
恩物はドイツ語でGabeと呼ばれる、世界で最初に幼稚園を創設したフリードリッヒ・フレーベルが考案した教育遊具です。その遊具のうち、第3~6恩物と呼ばれるものが積み木にあたります。
フレーベルが考案した積み木には、「生活の形式」、「美の形式」、「認識の形式」と呼ばれる3つの遊び方がありました。
フレーベルはこの遊びかたについて、積み木を与える大人が知っていることは大切である。しかし、それを子どもに強制して教えるものではないと考えていました。
しかし日本の幼稚園に恩物が導入された時、この積み木の遊び方が誤解されたまま伝わってしまったことにより、「箱に入っている恩物の出し方を教えたり、時間割を決めてあそばせる」教育になってしまったのです。
そして、その遊び方を見た倉橋惣三が園長になった時、箱に入っている積み木を籠に入れてごちゃまぜにし、自由に遊べるようにしたことが、現代の自由遊びでよくみる積み木の遊び方になっていきました。
そんな歴史的背景をあらためて考え直してみると、フレーベルの恩物あそびは間違えて伝えられ、誤解をされていただけで、本当はもっと深い思想に繋がっているのでは?と気になりだしました。
こうして私は、現代でフレーベル教育を一から教えてくれるおもちゃの講座があるのなら受講したい!と思い、探し始めたのでした。
(つづく)