突然の変化にどう備える!?地元で人気の観光施設が突然閉鎖!環境変化に負けない宿経営とは①
四方を海に囲まれ国土のおよそ80%が森林である島国・日本は豊かな自然に恵まれた国で、古今東西、全国津々浦々、それらの美しい景観を望める場所や魅力あるスポットが数多く存在しています。
人々に愛される観光名所や歴史ある温泉地やホテルがそのような立地に多く集中するのも、風光明媚な景色、その場所でしか味わえないご当地名物の山海の幸、シーズン限定で楽しめるアクティビティなど、地の利や自然からもたらされる恩恵が多くあるからなのでしょう。
この他にも、近くに人気のテーマパークがあったり、遠くてもわざわざ訪れたくなるような知る人ぞ知る名店があることなど、人がその土地に魅了される理由は様々だと思います。
ではもし仮に、それらの観光スポットや多くの人々を呼び寄せていた名所が何らかの環境変化によってある日突然なくなってしまったとしたら…周辺には一体どんな影響が及ぶのでしょうか。
そこで今回は、「宿泊施設が立地に依存しすぎることのリスク」というテーマで、今私たちが考えていることを、まずは課題提起の部分から掘り起こしてみたいと思います。
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このテーマを考えることになったきっかけは、最近、観光業界に詳しい知人から、とある観光地の情報をシェアしてもらったことが発端となりました。
その観光地は雪深い地域で降雪量も多いため、冬になると毎年、スキー目当てに多くの観光客が訪れる場所なのだそうです。
雄大な山脈が連なり、空気も水も澄みわたるその土地は、春から秋にかけては豊かな自然を楽しめる恵まれた地域ですが、冬になればスキー場以外に吸引力が強い観光スポットはなく、長年にわたって冬季の集客は「近隣のスキー場」に依存していたのだそうです。
しかし今年、そのスキー場が突然閉鎖する可能性が出てきたというのです…!
これは、かつての全盛期と比べてスキー・スノーボード人口が減少していることも大きくしているのかもしれません。
日経の調査によると、スキー・スノーボード人口は1980年代後半から90年代のピーク時と比べて、今は4分の1程度までに落ち込んでいるという結果も出ています。
もちろん、このスキー場の閉鎖の可能性が、ウィンタースポーツ人口の減少によるものなのか、人口温暖化の影響によるものなのか、あるいは経営上の課題によるものなのか、その理由は定かではありません。
しかし、このニュースはスキー場周辺の宿や飲食店にあっという間に広がり、この地で長く事業を営む人々の動揺と混乱を巻き起こしました。
なぜなら前述の通り、この地域は冬場にスキー場があったことで、これまで多くの観光客を呼び込んできた流れがあり、周辺の宿泊、商業施設の利用客が増えることで、地域経済が成り立つ構造になっていたからです。
それほど大事な存在であるスキー場が閉鎖するということは、大事な地域経済の基盤を失うということを暗に意味するものです。
主要な観光スポットやアクティビティが一つなくなるだけで、周辺施設にまで大きな影響が及ぶ…。
これまで呼び込めていた観光客の客足が一気に途絶え、人流が変わることで周辺の経済にまで予想以上に深刻なダメージを与えることになる…。
この話を聞いて、その土地に魅力ある観光地があったとしても、
「ある日突然」は起こりうること。
また、その「もしも」が起こった時、立地(その土地)に依存しすぎることや、集客を地域の観光資源に依存しすぎる経営(ビジネスモデル)は、常にリスクを抱えていることを、改めて深く考えるきっかけになりました。
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今回は、観光地として人気を集めていたスキー場のケースについて触れましたが、これはあくまでも一例であって、実はどの地域、どの宿泊施設にとっても無縁ではいられないーーむしろ、いつでも・どこでも起こりうる可能性のある、きわめて普遍的なテーマだと感じています。
なぜなら、
観光施設や観光スポットがある日突然なくなってしまうこと、自然環境による影響、施設の老朽化により取り壊される等々、理由は何であれ、私たちを取り巻く周辺環境というのは、常に目まぐるしく変化するものだからです。
とくに宿泊施設は、特定の地域に根を下ろして地域密着の経営を行っているところが多いが故に、これらの外部環境による影響は不可避だと思います。
たとえば昨今の例でいうと、インバウンド需要に対応するため、地方に続々と新しいホテルや宿が続々とオープンしている流れも、外部環境の変化を象徴する例の一つとして挙げられるのではないでしょうか。
これは先ほどのスキー場の例とは逆のパターンになりますが、これまで宿が建つ気配もなかった場所に、大手のホテルチェーンの宿がオープンすることが決まり、突然、巨大な競合の存在に向き合わざるを得なくなることもあるでしょう。
あるいは、近くに大きな道路が新しく敷設されたことで人流が大きく変わり交通の便が悪くなったことで、これまで安定的にできていた集客に大きな影響が出てしまう….
観光名所の運営会社が変わったことで事業コンセプトも大きく変わり、結果としてこれまでお客様を惹きつけていた魅力が失われ、集客が出来なくなった等々、
不安要素は数え上げたらキリがありませんが、このような周辺環境の変化による「ある日突然」や「もしも」は、実は常に身近に潜んでいるものでもあります。
だからこそ、いつ・どこで起こってもおかしくない外部要因によるリスクを極力回避するために、立地に過度に依存したり、特定の観光資源に集中しすぎたりするリスクに目を背けず、この機会に一度立ち止まってしっかりと考えていただきたいと思い、課題を提起させていただきました。
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繰り返しになりますが、これら外部環境の変化によるリスクは、特定の地域に根ざして経営をされている全ての宿泊施設様にとって、決して無視できない重要なテーマであると思います。
そして、これらのリスクは、残念ながら自分たちでコントロールができないことばかりです。
だとしたら、自分たちでコントロールできることはどんなことでしょうか?
今回ご紹介させていただいた、いくつかの事例を参考にしていただき、自館にとって外部環境によるリスクがあるとしたら、それは一体どんなものなのか? また、周辺環境の観光資源に依存しすぎていないかなど、ぜひこの機会に考えてみていただきたいと思います。
次号では、今回の内容を踏まえて、このテーマに対する私たちなりの解決策のヒントをお伝えできたらと思っています。
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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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