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飛騨往訪記②受け入れ体制に課題あり!?今こそ、インバウンドニーズに応えるための打開策を

こんにちは。

前回の記事では、飛騨往訪で外国人旅行者が、現地の衣食住を体験したり、その土地の生活習慣を直に感じ取ってみることなど、旅行者のニーズがよりディープな体験旅にシフトしていることについて、代表の霜竹の視点から
お伝えしました。

後半では、前回の続きということで、インバウンドニーズに応えるための、具体的なヒントを探ります。

どうぞお楽しみください!

かつては、団体旅行やパッケージツアーを利用する方が多かったですが、そういう旅のスタイルにも大きな変化が現れていると思います。
 
具体的には、FITが増えているということ感じました。
FITは、Foreign Independent Tour、あるいはFree Individual(Independent)Travelerの略で、少人数で旅を楽しむスタイルのことです。
 
そして、団体旅行やツアーからFITへと変化することで、当然ながら、旅の楽しみ方も変わってきます。
 
たとえば、夜は色々なお店を食べ歩き、飲み歩きながら食事やお酒をゆっくり楽しめるようになります。

とくに外国人旅行者の場合、食事をした後にハブやバーで飲むというのが文化で彼らのスタイルですから、夜はフリーで自分たちで自由に好きな場所に行ける、ということが魅力なわけです。

一方の旅館は、夕食は「◯時〜◯時まで」と時間を限定する方が効率良く、また利益も出せます。そういう営業スタイル、オペレーションをずっと続けてきたので、新しい方法を受け入れ難い、ということもあるでしょう。

これは朝食の場合も同様で、海外ではレイトタイムブレックファーストが当たり前で、朝は決められた時間に朝食会場に行かなくても、自分たちの好きな時間に朝食をとれるというオプションがあるわけです。

下手すると、ベッド&ブレックファーストで十分なんですよ。
これは日本でいうところの、素泊まりです。

ただ、旅館にしてみれば、朝食も夕食も決まった時間に提供するのが、いまだに一番良いわけです。食事とお酒は、最も利益を出せる部分ですので。

その辺り、旅行者のニーズと、宿が提供したいことの間にギャップがあるな、ということを感じました。

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課題は他にも、色々とあります。

旅行者が食事つきプランを選ばず、夕食をとるために夜の街に出かけていったとしても、お店自体が空いていない、ということも珍しくありません。

飲食店は以前と同じ感覚で、「夜は出歩く人が少なくて、お客さんが殆ど来ない」と思っている方が多いのでしょう。6時、7時くらいにはお店が閉まってしまう、というところがまだたくさんあるんです。(早いところは、5時閉店というところも)

そうなると食事ができないから、今度は飲み屋さんに行こうとするけれど、それはそれで、『We cannot accept first-time customers(一見さんお断り)』というお知らせが店頭に貼られていたりする。

こうなるともう、食事やお酒を楽しみたい気持ちはあっても、行く場所自体がなくなってしまうんですね。

外国人旅行者にとっては、せっかく日本に来たから地元の食やお酒を存分に楽しみたいはずなので、こういう状況は本当にもったいないなと思います。

もちろん、そういう旅館や飲食店ばかりでなく、外国人の旅行者をお迎えしようと受け入れ努力をされているところもありますが、それはまだ一部だという印象ですね。

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今、業界の中でもオーバーツーリズムの問題がクローズアップされていたりしますが、一概にはそうも言えないのでは?と思います。

なぜなら、先ほどもお伝えしたように、そういう現象を引き起こしている要因の一つに、ローカルでディープな旅を楽しみたいという外国人旅行者のニーズと、旅館側の受け入れ体制が追いついていないということの間に、大きなギャップがあると思うからです。

日本の宿は、国内のお客様を対象にサービスやプランが組み立てられてきた時代が長く続いてきましたが、昨今のインバウンド需要の高まりを受けて、変わっていかなければならない部分もたくさんあると感じています。

旅行ニーズの変化に伴い、旅のあり方も新たなフェーズに入ったからです。
 
日本の宿泊文化には、おもてなしの心、そしてその心が反映された女将さんの素晴らしい応対などたくさんの魅力があるので、それらを大切にしながらも、滞在スタイルの”多様性”も受け入れていくことが大事である、と考えています。

私たちの事業が、そういった課題解決のために少しでもお役に立てればと思っています。

また気づいたことを私の視点で、色々とシェアしていきたいと思います。


↓前回の記事はこちら↓


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