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女系天皇がなぜダメなのか、世界一シンプルに解説。

はじめに

こんにちは。
河野防衛大臣の女系天皇容認論が話題になったので、改めて女系天皇について考えてみたいと思います。

まず、(1)そもそも女系天皇って何?というお話をします。次に、(2)どうして女系天皇はダメなのかを説明し、最後に(3)Q&Aとしてよくある女系天皇賛成の意見についてコメントをしていきます。

※この文章は、女系天皇の問題をわかりやすくシンプルにお伝えすることを目的にしています。そのため、一部で不正確・不適切な表現が用いられている可能性があることを、あらかじめご了承ください。
ちなみに、よく女系天皇反対の理由としていわれる「Y染色体」や「朝廷」「のっとり」という話はあえて紹介していません(個人的にあまり好きでないし、一般の方には伝わりにくいと思うので)。

(1)そもそも女系天皇って?女性天皇との違いは?

まず、そもそも女系天皇とはなにか、女性天皇と違うのか、説明をしていきます。そんなこと知っているよ、という方は飛ばしてください。
女系とは、わかりやすくいうと、「お父さんがもともと皇族じゃない人」です。これに対し女性天皇は、女性が天皇になることですので、全く違います。
例えば、今の皇室典範が改正され、今上陛下のお子様である愛子さまが天皇になられたとします。そうすると、愛子さまは女「性」天皇です。しかし、愛子さまの父親は今上陛下ですので、愛子さまは「男系」であり、女「系」ではありません。
次に、仮に愛子さまが一般男性Aさんと結婚し、Aさんと愛子さまの間のお子様が次の天皇になられたとします。この場合、お父さんはAさんという皇族でない人なので、この天皇は、男性だろうが女性だろうが関係なく、女「系」天皇となります。
女性天皇と女系天皇の違い、お分かりいただけたでしょうか?ちなみに、歴史上、女「性」天皇はいますが、女「系」天皇は一人もいません。なので、女性天皇それ自体に反対している人はあまりいないのです。ただし、女性天皇を認めると女系天皇につながりかねないことから、反対されています。

(2)なぜ女系天皇はダメなの?

さて、ここからが本題。どうして女系天皇が認められないのか、なるべく分かりやすく説明していきます。

突然ですが、皆さんは「法隆寺をコンクリートに建て替えよう」と言われたらどう思いますか?おそらくほとんどの方は、「は?」となるはずです。

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でも、考えてみてください。木造よりコンクリートの方が火事にも地震にも大雨にも強いのだから、法隆寺を後世に守っていくにはコンクリートにした方が良くないですか?それに、今の時代、木造で家を建てる人なんてほとんどいません。木造は時代遅れだから、鉄筋コンクリートにした方が良いのではないでしょうか。
…と言われて「そっか。じゃあ法隆寺はコンクリートにした方が良いね」となりましたか?なりませんよね。でも、木造が弱いのも時代遅れなのも事実です。それなのにどうして皆さんは、法隆寺を木造のままにするのでしょうか。
それは、法隆寺が(現存する)世界最古の木造建築物であって、法隆寺をコンクリートにしてしまったらそれはもはや法隆寺とはいえないからです。言い換えれば、それじゃ意味がないっていうことですね。

私は、女系天皇も同じ話だと思っています。
確かに、女系天皇も認めた方が皇位の安定的な継承が期待できます。それに、今どき父親の男女で区別するなんて時代遅れです。それはどっちも事実。
でも、だからといってこれまで一度も認められていない女系天皇を認めてしまったら、それはもはや天皇とはいえないということです。

天皇の存続を守るために、そして、今の時代に合わせるために女系天皇を認めるというのは一見もっともらしい話です。しかし、実はそれは法隆寺をコンクリートに建て替えるのと同じくらいナンセンスな話だとお分かり頂けたのではないでしょうか。


(3)Q&A

ここからはオマケなので、もしよろしかったらどうぞ。

Q. 女系天皇がダメなのは分かったけど、じゃあどうすれば良いの?
A. それは、つかれると痛いところですね笑。悠仁さまに男の子が生まれなかった場合、そこで男系は途絶えてしまいます。そのため、戦後GHQによって皇室を離脱させられた旧皇族の方に復活して頂くというのがよく言われる解決策です。ただし、現実的にはこれは解決策として難しいだろうと思っています。いくら論理的には正しくても、昨日まで一般人として生活していた方が天皇になるというのは、ほとんどの国民が納得できないでしょうし、これまでと同様に敬いなさいと言われても無理な話です。個人的には、男の子が生まれなかった場合には昔のように悠仁さまに側室をお持ちいただくか、愛子さまに旧皇族の男性と結婚していただく(その場合、愛子さまのお子様は「男系」となります)かしかないと思います。もちろん、これらも現代社会で受け入れられるのは難しいと思いますが、皇位をお守りするためには仕方ないことだと考えています。

Q. 女系天皇を認めないのは、男女差別だから許されないんじゃないの?
A. 確かに、「男系」「女系」という考え方自体、「女性が結婚して家に入る=嫁ぐ」という考え方なので、今の時代にそぐわないとは思います。でも、2000年以上続いてきた伝統を、今の時代にそぐわないという理由で変えてよいのか?という議論なのです。例えば、歌舞伎役者だって今のところ男性しかなれません。どストレートの男女差別ですよね笑。それが認められるのは、伝統だからです。

また、憲法14条の法の下の平等を理由に女系天皇を容認すべきとの意見もありますが、それは完全な誤りでしょう。そもそも国民でない天皇という存在に法の下の平等は当てはまらないし、世襲制度がとられていることや天皇に選挙権が与えられていないこと等からしても、一般国民の平等とは全くかけ離れたところに天皇は置かれているのです。

私は一般社会についてはもっと男女平等が推し進められるべきだと考えていますし、結婚=女性が嫁いで家に入るというような考え方も時代錯誤だと思います。しかし、それは皇位継承とは全く無関係の話。女系天皇を認めるかどうかは、決してジェンダーの議論ではないのです。

Q. 女系天皇を認めないと、「男の子を生まなきゃ」というプレッシャーがかかるから良くないのでは?
A. 皇后陛下(雅子さま)は男の子が生まれなかったことのプレッシャーを受けていたとも言われており、確かにそういう側面はあるでしょう。ただ、仮に女系を認めたとしても、結局「子供を生まなきゃ」というプレッシャーがかかることは変わりません。要するに、天皇が世襲制をとっている以上女系を認めようが認めまいが出産のプレッシャーはかかるのであって、申し訳ないですがそれは「仕方ない」ことなのです。そのようなプレッシャーを取り除くためには、やはり昔のように側室制度を導入すべきだと思います。

おわりに

ということで、女系天皇の問題についてなるべく分かりやすく説明してきました。少しでも皆さんの理解につながっていたら、幸いです。
お付き合いいただきありがとうございました。

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