僕にも本当の家族ができそうな話

今朝、彼氏にプロポーズされた。
「誕生日を記念日にしようか」って。

僕は家族で愛せたのが兄だけだった。
兄は生まれつき自閉症という障害がある。知能は幼稚園と母が言うくらいだし、大人になっても僕と結婚すると言っていたくらいだ。
仕事をするようになって楽しそうに頑張る姿、そして誇らしくお給料を持って帰ってくる姿に妹として嬉しさしかなかった。
誕生日プレゼントにおいしい高級なお肉を贈ってあげた時、生まれて初めてのおかわりをしたと聞いてとてもうれしかったのを今でも忘れない。

僕の母は過干渉なのに精神的にも経済的にも虐待じゃないかと思えることをする人だ。
僕が体調を崩してもすぐには駆けつけないし、実家にいた頃は自分の携帯電話を切ってまで男性との遊びを優先する人だった。

僕はその時血縁の辛さを感じた。
高校から自分でアルバイトをして学費も稼いだ。9割が4年制大学に進学する高校で「大学には行かせられない」と喧嘩をする担任と母親を眺める三者面談を三年間経験もした。
「自分より頭がいいのに」と大学進学が決まった友人が泣いたこともあった。
「あんたんちの親が金出してくれるって言ってんだから大手振って大学行きなよ、今しかないよ」と友達の進学祝いにライブに誘ってご飯をご馳走して一人暮らしをする友達を見送った。

その後何年か実家で過ごして僕は家出をする。
塞がれてた反抗期が遅れてやってきた。

それからずっと一人暮らし。
付き合った人もいた、でも結婚までは至らなかった。

僕は母みたいになるのが怖かった。

病気で子供を産みたくないというのもあったけど、何よりも母のような母親になりたくなかった。付き合った人は子供が欲しいという人が多く、僕はそれには答えられなかった。
ただ、今の彼は違う。僕がいなくなったら子供育てられないし、なにより僕がいないと生きていけないから別に子供は望まないと言ってくれた。
今までの人とそこが違った。
打ち明けた話も聞いてくれた。僕が父親ににて可愛くないと言われていたことも、お前の服と一緒に洗濯してほしくないと中学から自分の分だけは自分で洗濯していたり、ウソをつかれて男との遊びを優先されていたことも全部聞いてくれた。僕は母のようになりたくないという話も。
それでもいいんだと、自分の1番の理解者は僕しかいないと言ってくれた。
性格と違って穏やかで眠くなる僕の声も好きだと、僕の顔も性格も好きだと。

そんな人は初めてだ。

僕は自分を押し殺さなくていい人と出会えた。
血縁関係でもずっと自分を押し殺していたのに。

三つ子の魂百までと言うように小さいころから曲がった僕の根本は変わらないと思う。それでも僕がいることが尊いと思ってくれる人の存在が大切だと思った。
6年間の友達を経て彼が僕を好きになって自信もなく付き合って1年ちょっと、僕は本当に僕をわかろうとしてくれる血よりも強いものを見つけた。
ずっと結婚や子供で周りにマウントを取られてきた。それでも僕は僕の形の幸せをくれる人と出会えたし、一緒にいたいと思う事ができるようになった。
僕と彼の幸せの形、これからも大切にしようと思う。

僕を病気の淵から助けてくれて、この年まで生かせてくれた先生たちにも感謝だし、僕の考え方が好きだと仲良くしてくれてる人たちにも感謝。
僕はずっと感謝の気持ちを心にもって生きていく。

ずっと変わらない
ありがとうとごめんなさいの言えない人は嫌いだという考えと一緒に

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