測尺馬体重補正値を作った

キャロットの募集時期までに作ろうと決めておいた、測尺データの馬体重の生まれ時期ごとの補正値を作った。そう、「生まれ時期ごとの補正値」。生まれ月ではない。月だと約30日ごとの区切りなので広いかなぁと思って、15日ごとに区切った補正値となった。

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説明しよう! まず「測尺日の日齢」は測尺実施日と生まれた日の差を15区切りで分割。測尺実施日が日齢440~454日目であれば補正値が+44となり、455~469であれば+34となる。例えば、ラドラーダの14(牡:レイデオロ)の場合、生年月日が2014年2月5日、測尺実施日を仮に募集年=2015年の8月25日と置くと、その差(測尺実施日が生まれた日から何日経過しているか)は566日、560日目以降の補正値0が選ばれ、測尺の馬体重461+補正値0で補正後の馬体重は461kgとなる。同様に、マチカネホレルナヨの14(牡:ゼルビーノ)の場合、生年月日が2014年4月29日、測尺実施日が2015年8月25日、差が483日、470日目以降の補正値+27が選ばれ、測尺の馬体重440+補正値27で補正後の馬体重は467kgとなり、生まれ時期を均すとレイデオロとほぼ同様の体格と想定できる。実際に、2歳となった例示の2頭は、レイデオロが10月9日デビューで馬体重476kg、ゼルビーノは10月1日デビューで馬体重470kgと近似している。
測尺実施日を仮置きしているのは、実際の測尺実施日が公表されていない(今から調べられない)ため、カタログが届くだいたいの時期としてある。

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そんな1例だけ見せてアピールされても……という皆様の声にお応えして、補正値を導いた手順も書いておくよ! 数字だけあれば良いって人は以降は読まなくても大丈夫。こんなの計算面倒だ!って人も、募集始まったら計算して一覧作るよ。んで、手順が本番だ!って方々、私もそうです、こんなこと面白いから以外でやりません。

馬体重補正値作成手順

元データは2005年度から2020年度まで16回のキャロットクラブの募集馬情報から。この記事以前の元データから増えてて、しかも筆者が入会する前のデータも揃ってるのは、キャロットクラブの会員ページには引退馬もコメントをさかのぼると測尺データを掲載してくれているので、それを今回からデータに加えたから。
まずは測尺時の馬体重と、生まれ時期のプロット図から。5~15になっているのは、データ加工時は365+x*15で扱っていたからで、5であれば365+75で440、つまり補正値表の一番左の列にあたる範囲。今回は牡牝で分けて作成。

牡馬の生まれ時期ごとの測尺時馬体重

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牝馬の生まれ時期ごとの測尺馬体重

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なんかどっちも右肩上がりっぽくは見えるが、正直なところよくわからんな。こんなもんか?というわけで、各生まれ時期ごとの平均値を出してみる。

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ちゃんと傾向あるな! しかも、牡馬牝馬の差分が数が揃っている各時期とも20くらいで推移しているのが良い。これはどっちも似たような補正値でいけるのでは? そこで、補正値をちょっと工夫して決めて、加算してみた。

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牡馬は464kg前後くらい、牝馬は441kg前後あたりにだいたいおさまった。括弧の中は該当の頭数、データが少ない箇所は気にしない。思ったよりもサックリはまる補正値ができた。外れ値も多いし上下に開きがあるので、他の要素も組み合わせてもう少し精度の高い計算はできそうだけれど、それなりに意味のある基準は作れていると思う。目的は「遅生まれだから馬体重は軽くて問題ない」ではなく、補正値を作って早生まれと同じ基準で比較したいから、なのでとりあえずはこんなもんで。

牡牝の補正値に少し差があるけれどどういうこと?

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隣の値との差分を赤字で記載。530-545間で牡牝に7,4で差があるが、ここにこの差を作っておくことで以降がスッキリした。傾斜が違うのは実はそこだけで、意味としてはほぼ差はない。日齢が若いほど成長が早く、また日齢560程度で一旦この育成段階での馬体重の増加は止まる、というのは「1月生まれと2月生まれで馬体重(胸囲)傾向に有意な差がない」というデータを参照。

キャロットの募集時期という観測ポイントは、そのすぐ後から違う育成過程、人乗せたり走らせたり坂路登らせたりみたいなメニューが始まるので悪くないポイントなのかもしれない。

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