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奈良2日目〜橿原編

初日編はこちら。

と、いうわけで二日目。二日目の朝食はバイキング形式だった。時期柄バイキングを用意するのは大変だったと思うのだが、すべての料理にラップがしてあるなど配慮がされており、大変ありがたく頂いた。

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泊まったホテルはドーミーインというチェーンのビジホだったが、ここは新潟でも利用したのだが、その土地の名物をバイキングで出してくれるので、泊まった際には是非にも朝食付きをお勧めしたい。いろんな名物があるけどそんなにたくさん食べられないな……というジレンマを解決してくれる。

ちなみに、奈良には特に美味しい名物はないのだが……
よく「奈良にうまいものなし」などと言われるが、いやそんなことないだろ!というのは実際行ってから言ってほしい。私は行ったので言う。特にない。いや、実はある。それは後述するとして、食堂のざわめきをBGMに朝食を食べながら、奈良のある噂を思い出していた。
噂というか風説というか、どこで聞いたのか、真偽のほどは、などはまったくわからないまま書くのだが、それは「養子をもらうなら奈良」というものである。理由としては、奈良の人は気性が穏やかであるため、であった。

唐突だが、ここで奈良県出身のプロ野球選手を思い出してみよう。

三浦大輔

亀井善行

荻野貴司

なんてことだ……チームでも人格者と言われてる人たちばかりじゃないか……にわかに謎の風説「養子をもらうなら奈良」が真実味を帯びてしまった。だからなんだというわけでもないが。

そんで、朝食も食べ終わったので早速橿原に向かいました。ところで「橿原」って読めますか?私は読めました。なぜなら私はペルソナ2をやっていたからです。

やっぱペルソナってやるべきゲームですね。義務教育にしましょう。(ちなみに「橿原」は「かしはら」と読みます)
そんなことを思いながら電車の景色は流れていく。そうして、橿原神宮前にたどりついた。

駅を出て一歩目で気づきましたね。ここはアレです、観光地じゃないです。まあまず今まで巡った奈良のどこよりも人が少なかったです。あと、言うほど橿原神宮前じゃないです。橿原神宮までは15分は歩きます。多分。
そうして歩いた15分の道のりは何かに似ていた。そうだ、これは藤沢(※神奈川県藤沢市のこと)だ……藤沢に少し似ている。私は藤沢に住んでいるわけではないのだが、以前意味もなく森を散策した際に藤沢の住宅街に迷い込んだことがあるのだ。その景色に橿原の住宅街は少し似ていたが、よく考えたら日本の住宅街なんてみんなこんなものだろうとも思った。
そうして住宅街を抜けぬまま、その真ん中に橿原神宮はあった。広い。
私には奈良出身の知人がひとりいるのだが、その人は橿原神宮を「キレイだけど明治時代にできたばかりだからね」と言っていた。

ほんとだ、明治にできてる。奈良にとって「明治にできた」はほぼ赤子のようなものじゃないだろうか。そう思って橿原神宮を見てみると、確かに無垢な赤子のようにも思えてきた。いや、別に思えてきてはいないが……

そういえば奈良に「みむろ」という最中屋さんがある。

先ほど奈良にも美味しい名物がある!と書いたが、それは最中をはじめとした和菓子である。これ一日目にも書いたが。奈良では絶対に和菓子を食べてほしいし、「みむろ」は最中一本で勝負している名店なので是非立ち寄ってほしい。
なぜ急に「みむろ」の話をしたのか。「みむろ」は橿原にあるのか?と思われるかもしれないが、橿原にはない。ただ、このスクショを見てほしい。

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平成23年新築オープン。
いま令和なのだが。約8年前なわけだが。8年あれば「和菓子屋ができる→滅びる」という過程すら経ることが可能だと思われるが、奈良にとっては8年前は新装開店に過ぎないのである。その時の流れの中では確かに明治生まれは赤子であろう。

というわけで、神宮に着いたわけだが、入って早々セブンティーンアイスを食べた。セブンティーンアイスって普通200円くらいするのにここでは150円だったので、橿原神宮に着いたらまずセブンティーンアイスを食べよう!
しばらくはセブンティーンアイスを食べながらぼーっとしていた。なぜか一本の桜だけがきれいに咲いていて、池の中に十字架のようなものがあり、そこで水鳥がくつろいでいた。宗教的なものだと思うのだが、水鳥にとってはただの休憩所に過ぎない。

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反対側にある橋の方まで行くと、亀が甲羅の日干しをしていた。知らない生き物の鳴き声が聞こえる。緑の匂いがする。やっぱり神社の景観はのどかでいいですね。

本殿も美しかった。赤ちゃんというより美少年ですね……

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ところで、ベンチに腰掛けセブンティーンアイスを食べていたときに、前方で外国語が聞こえてきたことがあった。やっぱり奈良は外国人観光客が多いな~と思ってそちらを見ると、どうみても地元の人のようなラフな格好のおじいちゃん二人だった。訝しく思い、更によく話を聞いてみると、どうやらそれは外国語ではなく関西弁のようだった。
おお……これが本場の関西弁なんだ……とちょっと感動してしまった。大和言葉ってやつですか?いや、まったくわからんのだが。
ちなみに話の内容は、意味がわかるところだけだと、「桜が咲きそうだからそろそろ飛鳥に行くか」みたいな感じだった。多分。

そうして橿原神宮を堪能して、帰路についた。橿原は観光地ではない、という最初の印象は最後まで正しかったように思えた。しかし、観光地ではないからこそ、生の奈良が見えたような気がした。言葉も含め。

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帰りに大和名物埴輪まんじゅうを買った。「大和」って「湘南」くらい曖昧だな。調べたところ、れっきとした橿原名物だそうです。
「埴輪」って、私の記憶が正しければ、その昔高貴な人が亡くなると墓に殉死者を共に埋めていたが、それがやがて人の代わりに埴輪を埋めるようになったものであったような気がする。奈良に古墳は多い。古墳と埴輪は切っても切れない関係にあるのだ。
人身御供の身代わりか……それをまんじゅうにしていいのかなァ……と思いながら食べた埴輪まんじゅうはめちゃくちゃ美味しかった。やっぱ和菓子には一定の信頼を置いていいのだと確信した。人形焼きじゃねーか、と言われたら返す言葉もないが、もし埴輪まんじゅうと人形焼きどっちか選ばなきゃ殺すと言われたら私は埴輪まんじゅうを選ぶから。そんな日は一生来ないと思うが。

橿原神宮前で電車を待ちながら、私はあることに思いを馳せていた。そう、元千葉ロッテマリーンズ―阪神タイガース―DeNAベイスターズの久保康友さんのことである。

彼は奈良県橿原市出身である。
久保康友さんはメキシカンリーグに所属したのを最後に消息がわからなくなっている(これじゃ行方不明かのようだが、実際消息がわからないので仕方がない)。
久保は今どこで何してるんだろうなあ……私が奈良にいるのに久保は多分奈良にいないんだよな……
そんなことを考えていたらまんじゅうがなくなっていた。

予想以上に橿原編が長くなったので分けます!次は飛鳥~吉野!

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