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出来損ないのフィクションに寄り添っている

むかし、昭和の邦画かなんかを観ていましたら濡れ場シーンで50ぐらいのオッサン役が演歌を一節歌っては女を突いておりました。そんなわけないだろ、変なの、歌終わったらリピートすんのかなもしくは次の曲行くのかな、次エーデルワイスだったらふふふとか思っていたのに、そのうちに口角は下がり、なんとなくそれを受け入れ真顔で見つめる自分がいました。

同じように、お客様でお好みで混ぜてお召し上がりくださ〜いといって素材がまるのまま入ったボールを渡してくるポテトサラダも受け入れていました。しかしエンターテイメントと称して渡されたそれはシンプル労働でした。でもそれを知りながらも作り笑顔で、すりこぎ棒でえいえいと、本当はもっと小さいモーションで出来るはずなのに脇を開き気味で奮闘してますみたいな手つきで、作り笑顔で、これぐらいかな?もっと?なんかニンジンだけ逃げて潰れないねとか言いながら混ぜていました。

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