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【午前十時の映画祭】映画『スタンド・バイ・ミー』を観てきた【27分の25】

ごきげんよう。雨宮はなです。
今回はすでに鑑賞済みで「一度、スクリーンで観たかった」に当たる作品です。ただ、私は子供が苦手なのでそういった面では観たくなかった作品のひとつでした。どうにか良い興味を持つべく、事務局オフタイムを聞きながら映画館まで移動しました。

※ここから先はネタバレを含みますので、ご了承いただける方のみ読み進めてください。

「おとこのこ」の映画

記事も事務局オフタイムに頼ってしまいますが、こちらで解説されていた内容です。

大人の何かを表現するためにこどもを使うのではなく、恋愛を絡ませることなく、純粋に「おとこのこ」たちだけの冒険譚を描いていることの珍しさはこのラジオを聞かなければ気づけませんでした。

彼らにも背景があるし、原作小説にはもっと何かが描かれているのかもしれません。けれど、ツールとしてのキャラクターでなく、ある夏の日を生きる少年をただ眺めるだけのどこか懐かしい作品。それが『スタンド・バイ・ミー』なんですね。

スティーヴン・キングの描く人物像の豊かさ

まず驚いたのは「スティーヴン・キングってホラー作品以外の小説も書くんだ」ということ。この作品を調べたときにWikipediaで『グリーンマイル』も彼の原作だと知りました。名前を聞くと「怖いやつだ!」ってなるのは、ヴォルデモートに通ずるところがあるかもしれません。

様々な恐怖を描くスティーヴン・キングですが、豊富なのは恐怖の種類だけではないのだとこの作品を観てわかりました。4人の少年はそれぞれの性格がはっきりと分かれているだけでなく、育った環境や背景までが細やかです。それを表情や間合いで見事に表す役者たちは子供と思えない、抜群の演技力です。その中のひとりにリバー・フェニックスがいますが、彼がまだ生きていてくれたら、そして役者を続けていてくれたらどんな役を演じていたのかと思うと残念でなりません。

「”The Body"な思い出」を思い出してみる

『The Body』は小説の原題です。そのまんま、「死体」と名付けられた映画だったら、きっと日本はもとより本国でもヒットしたかはわかりません。「死体探しに出て通報してヒーローになって、テレビに出て有名になったらかっこいいぞ!」なんて大人からしたら荒唐無稽で滅茶苦茶な、子供にとっては真剣で楽しくてしかたない計画と思い出。そんなの、私にはあっただろうかと考えました。

悲しいことに全く思い当たりませんでした。そもそも、あんなふうつつるんでいる友達がいませんでした。時代も場所も違うから当然なのかもしれませんが、喧嘩をしながらも一緒にいる友達というのはなかなか手に入らないものなのではないでしょうか。私の場合は自分の性格が原因であることが大きな要因だとは思いますが、「とりあえず集まる。一緒にいればそのうち何か思いつくだろう」っていう仲間がいるのは非常に幸せなことだよなぁと少し羨ましくなりました。

さいごに

現代ではきっと成立しえない物語でしょう。今は老いも若きもデジタルデバイスを手にしていて、一番見ているのは画面です。あたまでっかちだったり、対面のコミュニケーションや距離の取り方が苦手な現代人の子どもには構築しえない関係だと考えて間違いないでしょう。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
ではまた次の記事で。ごきげんよう。

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