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東京は大きな公園だ、『東京公園』

ごきげんよう。雨宮はなです。
普段の私なら絶対に目に留まらなかったであろう作品を鑑賞しました。
まったりしているけど退屈するようなテンポではなく、油断しているとちょっとドキッとするような不思議な映画です。

『東京公園』
監督:青山真治
出演:三浦春馬、井川遥、小西真奈美、染谷翔太、榮倉奈々

東京に実在する公園をめぐるだけでなく、夫婦、家族、姉弟、恋人、生死それぞれの愛が描かれた興味深い作品です。
ただ、「実際に行ってみました」系の記事は他にもあると思うので公園の名前はメモ程度に、印象に残ったシーンを紹介することでこの作品の魅力が少しでも伝わればなと思います。

あなたが宇宙人に”東京はどんなところか”を説明するなら?

主人公がバイトしているカフェの店長が、妻の追悼パーティーをするシーンがあります。
そこで偶然知り合った和服姿の酔っ払いに、質問されるわけです。
「あなたが宇宙人に”東京はどんなところか”を説明するなら?もちろん、地球のことは何も知らないという前提で」

男は持論を述べた後、満足げに寝落ちします。
(男の持論はぜひ映画を観て確認してください。原作小説にももちろんあると思います)
私はその質問と持論をきいて、私が東京を説明するならどんな答えになるだろう、私の親友ならどんな答えを聞かせてくれるだろうとワクワクしました。

お酒を飲みながら語らうテーマとして、とても面白いかもしれません。

ケーキ×肉まん×赤ワイン

主人公の親友の彼女が「レイプされかけたので、バイトを辞めてきた」と家に押しかけてくるシーンがあります。
その時に持参したのが、ケーキと肉まんと赤ワイン。

「この組み合わせ、合うの?!」と主人公が驚くのは最もです。
まだ怖くて試すことができていませんが、ヤケっぱちになったときにそろえて試してみたいラインナップだなーとメモをとりました。

ちなみに、ケーキ→肉まん→ワインの順番で写っていたので、順番も大切なのかもしれません。
ケーキに関して特に指定はなさそうでした。

まっすぐ見つめること、ケジメをつけること

主人公は姉をまっすぐ見つめて、主人公に妻の備考を依頼した男は妻をまっすぐ見つめて、「ケジメをつける」シーンがありました。
もうひとり、ケジメをつけた人がいましたが、ケジメの付け方って人と状況によりそれぞれですね。

自分が目をそらしているものや人は無いか、まっすぐ見つめられるか、ケジメをつけられるか。
大切なことに気づくキッカケであり、背中を押してくれる勇気が小さく何度か現れます。

自分自身でまっすぐ見つめることが難しかったら、怖かったら、一度何かしらをはさんでみると良いかもしれません。

作品中に出てきた映画作品

主人公の親友の彼女は映画オタクという設定(訳アリ)で、ちょいちょい作品名が台詞のなかに出てきます。

『ゾンゲリア』
…主人公のバイト中に「『ゾンゲリア』観た?!」と声をかける
『リップスティック』
…自身のバイト中に後ろから男性に襲われ、振りほどきモップを構え突き付けながら、「あんた、『リップスティック』って知ってる?!」と威嚇する
『瞼の母』
…劇中の台詞を暗唱しながら、「マザコンの基本だ!」「教養のない奴は!」と怒る

3分以上本編でも流れ、部屋にパッケージが転がっていた『吸血ゾンビの群れ』はこの作品のために用意されたオリジナル作品みたいですね。
チープさと流れの読めなさからして、実はいちばん気になっていた作品なので、全編観られないのは残念です。

公園リスト

劇中で名前がわかる場合とそうでない場合があったので、インターネット検索して名前が判明した公園もあります。
赤松公園は映画『サッドティー』で”競歩をする男”がいる公園じゃないかと思うのですが、合っているのでしょうか。
気になります。

潮風公園
猿江恩賜公園
上野恩賜公園
城北中央公園
赤松公園
光が丘公園
石神井公園
善福寺公園
野川公園

ちょうど秋~冬にかけての映画だったので、自分でもめぐってみたいなぁと思いました。
落ち葉をサクサク鳴らしながら歩くのって、楽しいですよね。

今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
それでは、ごきげんよう。

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