【試写レポ】『アネット』uni日本最速試写会【14_2022】
ごきげんよう。雨宮はなです。
今回は初めてuniさんにお呼ばれしました。uniさんは試写会やイベントでオリジナルデザインのチケット(勝手に”uni券”と呼んでます)を配布されているので、一度手に取ってみたかったんです…!念願叶いまして!
今回は映画作品とトークイベント、そして試写会の様子について語ってまいります。
※今回は公開前ということを踏まえ、ネタバレのないよう頑張って作品について紹介します。
”ロック・オペラ”だよ、全員注目!
公式さんがちゃんと認識&発信してくれててうれしい、そう、これは”ロック・オペラ”なのです!”ロック・オペラ”ってなんだよっていう人のために、下記Wikipedia引用。
それまでのロック・アルバムでは、収録されている曲はそれぞれが独立した曲で、相互の関連性もなかった。それに対し、一貫したストーリーを持たせたのが、ロック・オペラやコンセプト・アルバムなどである。コンセプト・アルバムはストーリーの統一と、テーマの一貫性があれば成り立つが、ロック・オペラの歌詞はキャラクターの一人称形式をとる場合が多い。
うーん、わかったような、わからないような?ふむ、それでいうとこの作品はミュージカルとは違うかな、と思えます。私がミュージカルかどうかを認識・判断する時に軸にしている項目があります、それは「使用曲が歌唱だけでなくBGM等でリフレイン使用され、世界観を作っている」ことです。
例えば、『オペラ座の怪人』の有名曲「Masquerade」。
この曲が進み、「Masquerade!」と盛り上がり始まったときに気づいた人も多いはずです、「あれ、これどこかで聞いたな?」と。そう、冒頭のオークションで猿のぬいぐるみオルゴールが奏でていたのはこの曲です。また、この動画の最後のほうでクリスティーヌとラウルの会話がありますが、そのきっかけになり会話を支えているのは「Think of me」というナンバーです。
これで「なんとなくわかったと思う」となってくれるとありがたいです。それを踏まえて『アネット』を観れば、「たしかにこれはミュージカルではなく、ロック・オペラだ」と合点がいくことと思います。ミュージカルとしては破綻してる、とか、ミュージカル好きだけどこれは好きになれないなと思った人はその辺が気になったのかもしれないです。
たぎる愛は、誰への愛か?
今作のキャッチコピーは「愛が、たぎる。」ですが、そのたぎる愛は誰に向けられたものなのでしょう?予告編を観る限り、それはヘンリーからアンに向けられたものと考えられました。
ですが観たところ、それだけではなさそうです。たぎっていたのはアンへの愛なのか、そもそもそれは愛なのか。終盤には「愛ってなんだろうね」と副音声で聞こえてくるような、ここにきてそんな思いの投げかけるのかと思える台詞があります。
私は鑑賞を終えて「ヘンリーが持っているのは自分への愛だけなんじゃないかなぁ」と思いました。ただ、それはアンにも言えることで。たぎっているのは間違いなくヘンリーなんだけど。
なぜって、ヘンリーがたぎっている時はわかりやすくそういう演出になるのですが、そのたぎった後って彼しか気持ちよくならないんです。たぎった愛で気持ちよく、幸せになる人がヘンリーの他に見えてこない。「たぎっているその愛は、誰のためのものですか?」と問いたくなります。
社会へのロック!
途中、マスコミの性質を表すようなシーンやMe tooのようなシーン、それに搾取の問題だったりと社会的な問題が扱われます。イベントで聞いたところによると、今作の監督がこういったものを扱うのはなかなか珍しいことだそうで。
そんなわかりやすいシーンを含め、全編的に「それって実際、どうなんですか?」「あなた、こうなってませんか?」と皮肉に芸術的に訴えてくる、まさにロック!オペラシーンでなくても、画面上に静かに写されるロックが続きました。
私のお気に入りシーンはネタバレになってしまうのと、昨今では炎上しやすいシーンなので今はまだ発信できないのですが、作品が公開した暁には紹介したいと思います。
トークイベントもたぎる!
トークイベントはuniのしんのすけさんと、映画評論家の森直人さんによる対談でした。森直人さんは先日の『白い牛のバラッド』でもトーク登壇されていて、「おお、また知らないことをわかりやすくお話してもらえるな」と勝手に期待しました。しんのすけさんのお話も合わせて非常に面白く、楽しい時間を過ごせました。
お二人の映画に関する所感はもちろんのこと、監督についてのお話を聞けたのが良かったです。監督の作風や特徴、過去作品との対比、エピソードなどもりだくさんでした。元々『これから観るリスト』に入っていたものの、なかなか観る機会を作らなかった『ポンヌフの恋人』の優先順位がぐぐっと上がったのは、このトークイベントがあったからです。
アダム・ドライバーを「歴代のレジェンドに優しい俳優」と呼び、「めちゃくちゃハイクオリティな変な映画を、アダム・ドライバーという大俳優がサポートしている」と表現したのは非常に面白く、また興味深かったです。
試写会について
受付でフライヤー、宣伝素材用バーコード、uni券を受け取ってから中へ。この記事の冒頭にも書いたとおり、uni券が嬉しくてテンションだだ上がりでした!
開場に入ったのは18時15分頃でしたが、すでに7割ほどの座席が埋まっていたように見えました。私が座った周囲の方は非常にきちんとした方々で、鑑賞中にバイブ音が聞こえることも、液晶画面やランプが光るのが見えることもありませんでした。席移動される際もきちんと聞こえるように声掛けしてくださったのですぐに対応でき、助かりました。
「おまえは何か文句をつけないと死ぬのか」とそろそろ突っ込まれそうですが、今回つっこみたいのはネタバレについて。
予告編とHPをチェックしなかったのかなというツイートが非常に多かった。全く後悔されていない情報ではないけれど、一部分にしか見当たらない、ババーンとは出されていない情報。それってつまり「劇場で観てから知ってほしい情報なんじゃないの?」って、私は考え付いたのですけどどうなんでしょう。これについても、公開されてから改めて発信したいと思います。
さいごに
私の中でアダム・ドライバーは「ダメクズ男を演じさせたら一級!」な俳優さんでして(ファンの方には怒られそうですが)、今回はどんなダメクズ男なんだろうとわくわくしながら試写会に臨んだわけです。いやあ、非常に素晴らしいダメクズ男でしたよ!!
どんな具合にダメクズ男だったのか、アダム・ドライバー主演映画『アネット』は、4月1日(金)よりロードショー!
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