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映画館で映画を観るのは、貴族の遊び?

ごきげんよう。雨宮はなです。
『金色のガッシュベル』や『テニスの王子様』は映画館で観ておきながら、「劇場版というものは、映画ではない」とよくわからない勘違いをしていた学生時代を持つ30歳です。

今回は、私が初めてアニメ映画ではない映画作品を映画館で観たときのお話。

なんて金持ち趣味なんだ

高校生の時、選択科目でできた女の子グループ(お手本のごとく、4人グループ)のひとりが言い出したんです。
「私、『マリー・アントワネット』を観に行きたいんだ」

ソフィア・コッポラ監督、キルスティン・ダンスト主演
『マリー・アントワネット』

テレビCMで目にして、もちろん存在は知っていました。
漫画偉人伝で読んだことのある人物だったし、ハプスブルク家には興味があった。
なにより、CMで展開されている世界が可愛い。ものすごく、可愛い。
行ってみたい、けれども。
映画館に映画を観に行くだなんて、この子はなんて金持ち趣味なんだろう。

お年玉がないと、映画館で映画を観られない?

「いいね、みんなで行こうよ」と楽し気に続く会話。

…ここにいる他の3人全員とも貴族か何かなのか?
みんなそんなにお金持ちなのか?
でも、その映画に興味があるのは事実だし、みんなと遊びに行くってことをしてみたい。


そう思った私はただひとつのことを心配し、恥ずかしい気持ちを抱えながらこう伝えたのです。
「ごめんね、お年玉が入らないと行けそうにないんだけどその後でもいい?もしくは、3人で楽しんできて」

3人は、何を言ってるんだこいつ、という顔をして私を見ていました。

正しい知識+学割⇒映画館は楽しい

なぜ私が「お年玉が入らないと映画を観に行けない」と思っていたか…。
それは、「映画館で映画を楽しむには、ディズニーランドに行くくらいお金がかかる」と思っていたからなんです。
チケット代に5000円以上、交通費と、ご飯代…1万円はお財布に入ってないと、楽しめないのだと。

現実は、それよりもずっとリーズナブルだったし、学割で更に安くなったのでその分をドリンク代やパンフ代にあてることができました。
全力で「映画館で映画を観る」を楽しむことができて、嬉しかったのを覚えています。
みんなと一緒に、だったのがまた嬉しかった。

それにしても、知らないって怖いですね。
チケット代が一定だって知らなくて、チケットカウンターで「『マリー・アントワネット』はいくらですか?」って聞きました。
漫画やドラマの影響なのか「映画は独身貴族の代表的な趣味」だと認識していて、「独身”貴族”の趣味なのだから、さぞお金がかかるんだろう」と思ってたせいで「映画館で映画を観る=貴族趣味」というかなり偏った(そして間違った)認識になったようです。

週末や放課後にふらっと映画デートをする世のカップルはすごいなぁ…って思ってた、本気で。

後日談

ちなみに数年後、この一連のエピソードを両親に話したところ、
「自分達が興味を持っていなくても、経済的に頻繁には無理でも、きちんと教えたうえで経験させておくべきだった…」
と言われてしまいました。

映画というものの認識もおかしく、商品・サービスに発生する金額に対する認識もおかしかったため「自分たちの娘は、常識はずれで恥ずかしい状態だ」と両親が気づくきっかけになったようでした。
人間を育てるって、難しいのねぇ。(ひとごと)

映画館で映画を観ることは貴族趣味なのだという盛大な勘違いを正すきっかけが、実在していた貴族(というか王族)だなんてなんだか皮肉な気もしますね。
思い出したら久しぶりに観たくなってしまいました。
パッケージも可愛いし、近くのブックオフで売ってた気もするし、買いに行こうかしら…。

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