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【試写レポ】『ツユクサ』シネマカフェ独占試写会【21_2022】

ごきげんよう。雨宮はなです。
今回はシネマカフェさんの抽選に当選し、『ツユクサ』の試写会に参加してきました!1月末に『ちょっと思い出しただけ』に当選するも仕事のせいで間に合わず…。悔しかったのでまた読んでいただけて本当に嬉しかったです!
マルチケースのお土産もありがとうございます!

今回は作品についてと試写会の様子を語ります。
※今回は公開前ということを踏まえ、ネタバレのないよう頑張って作品について紹介します。

どこにでもある:ツユクサを映像化したような作品

「主人公が隕石を見つけた」という突拍子もない設定にも関わらず、この物語はどこにでもあるお話がまとまったものでした。それこそまさに、ツユクサの群生といった具合に。

子供が、配偶者が死んでしまうこと。
離婚と再婚、再婚相手についていくために引っ越すこと。
再婚相手を親とすること、再婚相手の子を自分の子として育てること。
不倫、恋愛…になりきらずに失恋すること。

ドラマの材料になるようなことだったり大きな傷跡になるようなことは、経験した本人にとっては特別だけど、本当はどこかで誰かが(それもかなりの人数が)経験してることだと。だから、大丈夫なんだよと言って背中をさすってくれるような印象を受けました。

ただ、キャッチコピーに「大人のおとぎ話」とあるように”そうだったらいいなぁ”と思える物語になっていました。

ノベライズ版も面白い!

Twitter公式アカウントさんによるキャンペーンでノベライズ版を頂戴しまして、先に物語を楽しんでおりました。ぎっしりつまったおとぎ話の小説。読みごたえがあるけど読みにくいような単語使いもセリフ回しもなく軽いタッチで、でもライトノベルとは違う。

これが映像化されたらどんなだろう。
どこが映像化されるんだろう。
あのキャラクターはどんな人が演じるんだろう?

そんな楽しい想像と期待が膨らむ、素晴らしい小説でした。

実際に映画を鑑賞した後の感想としては、映画を観てからノベライズ版を楽しむ順番がよさそうな気がします。シーンも描写も心情も、先に多くの情報を摂取しすぎて映像が淡泊に感じられてしまった気がしたのです。もちろん、ノベライズ版が先でもじゅうぶん楽しめましたが、やっぱり何も知らないで映画を観るほうがわくわくは大きいです。

小林聡美さんは「清貧」と「ごはん」が似合う

私が小林聡美さんを知ったのは映画『かもめ食堂』がきっかけです。そこから『めがね』『パンとスープとねこ日和』と続きました。そのおかげか、私がもつ彼女の印象は「清貧」と「ごはん」が似合う、というものです。

今作は上記の作品の監督・脚本と関連はないはずですが(知らないだけかもしれませんが)、パリッとしたブラウスとチノパンをさわやかに着こなし、背筋をぴんと伸ばしてきれいに箸をくちに運ぶ。その様子のなんと美しいことか。

今回、小林聡美さんが演じた主人公の「芙美」は私が憧れる50代の姿に近いように思えました。日本の田舎町に住む一般人の中年女性なのに、どことなくパリジェンヌを感じさせる。そんな女性でした。

試写会の様子

ここ最近の中でいちばんお行儀の良い試写会でした。
他の試写会との違いは、全員が座席についた時点で人による注意事項やお願いについてのアナウンスがあったこと。それがあるのと無いのでは、おそらく試写会に臨む人間の意識と姿勢がだいぶ違う。アナウンスがあったほうが襟を正して臨む人が多くなるように感じました。

駅前で看板持ちをしているだけの人がいますが、ただ看板を立てているだけよりも注目度合いが違うそうです。それと同じにするのは乱暴かもしれませんが、場内アナウンスが繰り返されていた『とんび』の試写会よりも効果があったように感じられました。
何もしないより場内アナウンス、場内アナウンスよりも口頭アナウンスがあることは良い結果をもたらすと体感した出来事でした。

とはいえ、会場にいた(ぱっと見で)9割の人がスマホの電源をオフにしていないのは、なんというか…ご時世的なものもあるのでしょうが「なんだかなぁ」と思ってしまいます。上映中にペットボトルの開封音が聞こえましたし。

さいごに

30歳以上の人には刺さりやすい要素が多いように感じる、この作品。休みの日の早起きの理由にちょうど良いのではないでしょうか。劇場で作品をみたら、近くの海にでかけてぼーっとして、自分の町に帰ってきてごはんを食べる。はたまた、仕事終わりのチケットを買っておいて、堂々と定時退社して観に行って、自分の将来を考えながら帰ってくるなんていうのも良いかもしれません。

誰かの物語でありあなたの物語でもある『ツユクサ』は、4月29日(金・祝)よりロードショー!

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