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【試写】『猿ノ王国』プレス試写会レポ【10_2022】

ごきげんよう。雨宮はなです。
「プレス試写会」と告知されていたのであきらめかけたのですが、「Twitterユーザーなら応募歓迎」との文章を発見、応募させていただきましたところ当選し、参加させていただきました!当選のお知らせきたとき、本当に嬉しかったです~!!

今回は映画作品、試写会の様子についてお話します!

これぞまさしく「日本社会の寓話」

寓話(ぐうわ):訓的な内容を、他の事物、主として動物にかこつけて表わした、たとえ話。 寓言。

「責任はどこにあるんですか!」「誰が担当しているの」そんな台詞が飛び交う会議室。その先の物語展開を追っても”責任”が作品における重要な要素だということがわかります。役職はあれど責任のない日本人のあり様がそのまま描かれ、これは本当に映画(フィクション)なのかと疑ってしまうほどです。

定時退社できるのは責任だけ。
マニュアルもテンプレートも用意されてるのは責任逃れだけ。

わかっているけど、改めて提示すると私たちが生活している社会はとんでもないものだなと感じさせられます。

この「責任」や「優劣」を表す…映画らしく、また作品をわかりやすくするためのメタファーの選び方は見事です。そのほか、落ち着いてよくよく観ていればちゃんと拾えるけれど、のめりこんでしまってうっかり拾い損ねて「あー!そうだったか!!」となってしまうような細かく丁寧な積み重ねが作品を濃く深くしています。それはもう、沼のように。

「猿」の「王国」

「訓的な内容を他の事物、主として動物にかこつけて表した話」が寓話ですが、今回はタイトルのとおり「猿」にかこつけて表されています。「猿」を選ぶ理由もひとつではなく複数重ねた意味を持っていて、そりゃあこのタイトルになりますわと納得でした。

私が映画を観て拾えた理由は3つ。それがあってると良いのですが。もしかしたら、他にも理由として描かれているのかも…。早く鑑賞するべく、公開が待ち遠しいです。

もうひとつ、「王国」という単語選びも重要でした。海外版のタイトルを付ける場合「Monkey Land」ではだめなのです。「Monkey Kingdom」である必要があるのです。それは映画を観ていれば自然とわかることですが、「Kingdom」の作り方が見事で「うっわー、そうだよね!そうだよね!」と興奮を抑えるのに苦労しました。

「怒り」の映画化

プレスシートとフライヤーを頂戴したのですが、このプレスシート、本当に読むことができて良かったです。藤井監督のご挨拶は最初から最後まで興味深く読みましたが、その締めくくりがまた良かったのです。

この怒りを映画にできたことを幸運に思う。

ああ、そうか。これは「怒り」なんだ。
監督だけじゃない、国民が感じているはずの「怒り」なんだ。
彼は「怒り」を作品にしているから、こんなにもしっくりくるし心に訴えられているのがわかるんだ。

グロいとか怖いとかよりも先に、面白さを感じてしまう理由がわかったような気がしました。

さいごに

私のクセみたいなものなのですが「あなたは涙する」とか「感動の~」とかそういったコピーが大嫌いでして。決めつけるなよ、うそばっかって思っちゃうものでして…。ですが、この作品の「ラスト5分にあなたは震撼する」は嘘じゃありませんでした。少なくとも、私にとっては。

この記事を読んだあなたにとっては、どうでしょうか。
ぜひ、劇場で確かめてほしい作品です。

そんな『猿ノ王国』は4月2日(土)にロードショー!

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