【試写レポ】『#帰らない日曜日』トークショー付き試写会【31_2022】
ごきげんよう。雨宮はなです。
今回は英国俳優コリン・ファースを目当てに応募した『帰らない日曜日』の試写会に参加しました。シネマカフェさん、当選させてくれてありがとうございます。
今回は作品についてとイベント、試写会について語ります。
※今回は公開前ということを踏まえ、ネタバレのないよう頑張って作品について紹介します。
この作品に感じる面白みは…
はっきり言って、ジェーン(主人公)とポール(その恋の相手)は嫌いです。ジェーンを応援したい気持ちは無いし、ポールが感じていたとされる閉塞感も「三男坊が甘ったれてるな」としか思いませんでした。
私がこの作品で面白いなと感じたのは「演出」についてです。帽子を脱ぐこと、髪を結うこと、裸になること…特に着衣/脱衣を用いることが多いという印象でした。他には花や木が印象的な写し方をされていて、例えば「胡蝶蘭が選ばれたのに理由はあるのか」などと考えながら観るのが面白い作品でした。
また、コリン・ファースやオリビア・コールマンといった有名俳優が贅沢に脇を固めているのも見ごたえのひとつでした。今でも主役をはれる人たちが、暗く重たくくたびれた役を演じていて、『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』を観たときにも感じましたが、「周囲の大人に、自分に起こりうる将来をみる」のが面白かったです。
「身分違いの恋」はひとつの視点の役割
予告編を観たときは「どうせ”いつもの”感じなんだろうな」と思っていました。金持ちのボンが後ろ盾もなく狭い世界に生きている若い女性をたぶらかして、女性は夢中になってしまって、子供ができるものの妻or婚約者にバレて追い出されておわり…っていう”いつもの”感じなんだろうと。ところがどっこ、全然違いました。
なんなら、「身分違いの恋」はもはやメインコンテンツではないというのが私の感想です。作品中では長く写されているし、ジェーンにとって大きな出来事であり印象深い期間だったのでしょうが、「身分違いの恋」はあくまでこの作品を描くひとつの視点に過ぎないといえます。
この作品が表現しているものはもっとほかにあります。それは、当時の英国の事情だったり、ひとりの女性の職業についてだったり、哲学だったりします。自分に言い聞かせるような「今日は素晴らしい日だ」に何を感じるか、「何も持っていないという武器」を受け取るのかどうか…そのための丁寧な下準備として用意されたのが今回の「身分違いの恋」だと思うのです。
イベントは講義レベルの面白さ!
森直人さんと村上リコさんによる対談イベントがありました。これが、大学の講義かなと思えるほどの面白さ!正直、このイベントがあって色々と補填されたから作品を面白く感じられたというのがあります。
英国の歴史、貴族社会やメイドの種類に服飾の細かい知識に至るまで!お二人の知識とそれに基づいた感想や見解を聞くのに30分じゃ物足りない。「なるほど、あのシーンはそんなことがあっての台詞なのか…」「ここは事実より華やかにしてあるんだな」などとわかると、映画への興味や面白さが深まったように思えました。
過去に二度ほど森さんの司会で映画トークイベントを観ているのですが、回し方が絶妙で聞いていてとても楽なんです。質問の内容が面白いし、質問文もわかりやすいし、そこに加えてのご自身の感想や見解もおもしろい。それに何より、「自分が、自分が」ってならないので安心して観ていられます。
試写会について
会場が暗くなってものんびりスマホ設定整えていて、結局鞄にしまうだけのが何人も。 暗くなってからでは遅いのです。暗転=スタートなのですから、その前に電源を切ったうえでしまった状態で臨むもの。他の試写会参加の話をしている二人組がいましたが、劇場や試写会によく行くとは思えない言動でした。
さらに主催のミスとして招待状に「会場内飲食禁止」の案内が無かったこともあり、静かなシーンでパキッとキャップを捻り開ける音が響きました。 やはり案内(注意)は必要…。というかそもそも、案内が無いなら「やらない」という思考と判断ができないことに毎度驚かされます。
なんとなく全体的にゆるい人が多い印象でした。
さいごに
帰り道にギャルが「え?結局あの1日しかデートできなかったってこと?」「いや?やりまくってたよ」という会話をしていたのが、身もふたもない言い方で面白かったです。それと同時に、「あれを1日のことだと勘違いする人がいるのか」と驚きもしました。
色々なシーンが細切れに映し出されるから混乱したのかもしれません。
フランス女性監督が描く英国女性の物語『帰らない日曜日』は、5月27日(金)よりロードショー!
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