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【試写】『クライ・マッチョ』レポ【02_2022】

ごきげんよう。雨宮はなです。
今回は初めて報知映画賞特選試写会に当選しました。貴重な機会をありがとうございます!
すでに公開された作品なので、感想や見どころ、試写会の感想を綴ります!

※ネタバレ嫌いな方は目次から「試写会について」のみご覧ください。

おじいちゃんの話をきいているような作品

「クリント・イーストウッドの遺書が更新された」

そう考えた人は多かったと思います。「なんだか遺書っぽいな」と感じた人はもっと多いのではないでしょうか。私も例に漏れず、ただ遺書とまではいかなくとも、人生の先輩の話を聞いているのだという感覚になりました。

「じいちゃんはな、若い時はロデオスターだったんだぞ。」
「じいちゃんの友達には、成功してるちょっとしたワルがいるんだ。」

という具合に自分をちょっとかっこよくして、周りの人達もダサいのはダメ。ダサくない人よりかっこいいから俺はすごいのだと、じいちゃんの楽しげな声が聞こえてきそうでした。

じいちゃんは普通の人だから、そんな大きな裏の組織とやり合うなんてありません。カーチェイスだってやりません。ちょっとした機転と、少しのテクニックで相手をやり過ごすのがじいちゃん流。連れの男の子がミスをして私たちをドキドキさせておいて、じいちゃんにかかればそんな問題でもなかったりする。
じいちゃんはモテることも忘れてはいけません。でもそこはさすがにわかってて、ピチピチギャルが自分にベタ惚れするなんてありえないし、お呼びではありません。言葉ではなく、心で繋がれる人との気持ちの向け合いのロマンスで「こういう愛がもてる人になりたいな」なんて夢を見させてくれます。

結末は私にはちょっと意外でした。想像してたのと違う!へえ、面白い!!
クリント・イーストウッドはいつだってお手本のようなまとまりの良さで期待値以上を出してくる。そのアイデアはどこからわいてくるのやら。本当に素晴らしいです。

ところで、作品を観終えて「”Cry“は泣くと叫ぶのどちらの意味だったのだろう」と考えました。個人的には「叫ぶ」ほうなんだけど、どこかのインタビューに載ってたりしないかな。「叫ぶ」にかけて「コケコッコー!」があるんだと思いましたし。

ターゲットは60歳以上?

職場の同僚に「おもしろい?」と聞かれて困ってしまいました。私には面白かった、間違いなく。でも、普段観る映画がドカンバカン系な人は面白いと思わないだろうし、『グラン・トリノ』や『運び屋』が好きでそれを前提に観るとまるで違うので、ガッカリまではいかなくともなんか違うなとなる人もいることだろう。

クリント・イーストウッドを父、もしくは祖父として観られる人であれば間違いなく面白く観られると思う。もしくは、自分が父・祖父になるよって人。人の話をきく余裕があって座ってられる人、シーンやセリフから込められた思いを積極的に汲み取れる人にはこの上なく面白い。

ただ、ターゲットを考えた時にTOHOシネマズ日比谷の朝から6枠も確保したのはだいぶ強気だなぁと感じました。それを行きつけのバーのマスターに話すと「違いますよ、はなさん。彼らがターゲットだからこそ、枠が多いんです」と解説してくれました。

あくまで素人の推測ですけどね、と前フリしてマスターの言うことには「若い人が観る映画ならすぐに配信に繋げてしまえばいいけど、そうじゃない世代は配信だのなんだのがわからない。でも、シアターに行くことはできる&シアターで繰り返し観るって文化で生きてきた人が多いから枠を多くしてあるんですよ」とのこと。なるほど、それは合点がいきました。

試写会の雰囲気

スポーツ報知の客層+映画ファンかな?という来場者層でした。ほとんどの人はさすがにマナー良しでした。違う文化圏の人と一緒にいる方が、人間は大人しくしていようとするのかもしれません。

階段を使ってと言われているのにガン無視でエレベーター使う人や、場内飲食禁止を破って水筒に口をつけてる人なんかはいました。

なんだろうな、いつも思うのですが無料で観させてもらっておいて簡単なマナーもお願いも聞けないって普段何を考えてるんだろうなって、不思議です。「ルールを守ってくれない、マナーの悪い人が多いので今後はイベントしません」ってなる可能性だってあるのだし、そうするとメリットが減るわけで。自分のメリットを保持するために行うという考えにならないのが不思議です。蛇足でした。

そんなこんなで、『クライ・マッチョ』は全国ロードショー!

最後まで読んでくれてありがとうございます。
ではまた次の記事で。ごきげんよう。


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