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言葉と言葉が繋がる瞬間

千早茜「しろがねの葉」を読んだ。
直木賞を受賞しているので読んだ方も多かろうが、まだの方はぜひ読んでみてほしい。女の子が必死で生き延び、居場所を見つけるものの女になったことでそこにいられなくなり、それでも生きることにしがみつくお話。


この作品の最後の方にこんな文章がある。

なのに、過去の景色は何故こんなにも鮮烈なのか。夜が見せる幻はどうして胸を締めつけるのか。懐かしい、と焦がれるほどに思う。

千早茜「しろがねの葉」275ページ

この文章を読んだ時、アッと思った。
大好きな曲の歌詞にも似たようなことが歌われていたからだ。

それは平沢進の「燃える花の隊列」。

歌いだしの「はっ」からもう本当に死ぬほど好きで、サビの「解錠する必勝する聡明なる暗号たるキミたる」あたりなんかもう円舞みたい! ちゅき! という感じの曲、私にとって。
この歌の中にこんな歌詞がある。

夜は狂おしい無いものが咲くほどに

平沢進「燃える花の隊列」

かなり好きな歌詞なのだけれど「しろがねの葉」の上記部分とぱちんと繋がったとき、嬉しいぞくぞくがあった。

本を濫読していると面白い共鳴がたまにあって、ああこういう瞬間って貴重~と思いながら読書ノートにメモメモしている。忘れっぽい私にも忘れたくない瞬間ちゅうもんはあるのだ。

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