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歯が死んだのでもうだめです

奥歯が欠けた。

アポロチョコ食べてたら欠けた。

チョコレートに負ける奥歯。セラミックの奥歯。小指の先っちょくらいの大きさの破片を見て、世界が色を失ってゆくのを自覚する。

歯が砕けたり虫歯が神経まで達していたりすると、この世の終わりみたいな気持ちになる。
麻酔をしたとて歯を削られるときのあの感覚には永遠に慣れないし(出産を経験していてもだめだった)、セラミックを作り直す時の型取りはいつもオエッてなるのが嫌だし、ピンクのかすが口の中でいつまでももごっとしているのも嫌いだ。

欠けた瞬間近所の歯医者に電話して駆け込んだが、砕けたセラミックを外して、虫歯があったので削って、仮埋めをして、来週型とりをすることになった。
仮埋めしてる方で噛んではいけないので、健康な側で噛んでるけど、味があまりしないし、こっち側も劣化してしまいそう。
しかも私は歯軋りがすごいので、仮埋めが来週まで生きてるか不安だ。
ここの舌で触れるでっぱり、砕けたりしない??よね???

歯が死んだ時って、治療が終わるまで、何か食べる時いつもドキドキしないといけないのが嫌だ。
あと歯って今の所再生しないじゃないですか。
特に神経を抜いたらもうその歯は死んで2度と生き返らない。
他の臓器もそうなんだろうけど、歯はなまじ何本もあるがゆえに、老いと死が近づいているのをじわじわと感じているような気持ちになる。

いやーもう私もおばさんよ、と口で言っていても、言うてまだこの歳だしみたいな油断があった私を、背後から刺してくる。
それが虫歯。歯の欠け。指先にも満たない破片が、私の気持ちを一気に奈落の底に叩き落とす。

来世があるなら、アホほど丈夫な歯か抜け替わりまくる歯が欲しいですね。サメみたいな。

写真はこないだ夫と焼いた紅茶パウンドケーキです。

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