瓶生(さすがにこの後解説投稿します。)
人間1「おーい!そっちちゃんと持てよー!」
人間2「はーい!いきますよー!」
人間1「せーの!」
そういった掛け声とともに人間が段ボールを持ち上げる。俺は同じケースに詰められたほかの瓶とともに目的地への到着を待つ。俺たちはトラックに詰められて目的地へと運ばれるところだ。
人間1「それじゃあ出発するぞ。」
人間2「はい。行きましょうか。」
エンジンがかかりトラックが動き出す。これから一体どんな人の手に渡るのだろうと考えながら短い瓶生について心を躍らせながら考える。そうしているとほかの瓶たちが徐々に騒がしくなっているのが聞こえた。
ソーダ「なあ、なあ、お前、どんな人に手に取ってほしい?」
どうやら俺に話しかけてくるものもいるようだ。
ラムネ「俺か?俺は…誰でもいい。」
ソーダ「つまんないな~。なら、なら!夢は?夢はないの?」
ラムネ「夢?…そうだな…ゴミ収集所に行くまで割れない瓶生がいい。」
ソーダ「へ~、いいじゃん!俺もそういう感じかな~。」
ラムネ「否定はしないんだな。」
ソーダ「俺はお前の意見が聞きたかったからな。言ってくれてうれしいよ!」
ラムネ「ふ~ん。そういうやつか。」
ソーダ「うん。そういうやつ!」
よくわからん瓶ソーダと会話をしながら俺は目的地に到着するのを待っていた。ゆっくりしていると、突然どこからか叫び声が聞こえてきた。
瓶1「キャー!さっきあそこにいた瓶ビールが!割れてるわー!」
瓶2「うわー!ほんとだ!死にたくない!死にたくない!」
徐々に車内がパニックになっていく。何が起きたのかわからないまま俺たち瓶は一瓶が欠けたことによってできたスペースによって各々がぶつかり合っていく。というか、なんで瓶なのに固定されてないんだよ!おかしいだろ!
ソーダ「これはまずいな…全瓶が割れるのも時間の問題だぞ…」
ラムネ「どうすんだよ…人間に気づいてもらえないと俺たちやばいぞ…」
そう考えた俺は運転席の方に耳を傾ける。すると、わずかに声が聞こえてきた。
人間1「いやー!この戦いどうなると思う?お前?」
人間2「やっぱ俺はこっちのチームが勝つと思いますかね~。先輩は?」
人間1「わかってないな~お前は!やっぱこっちのチームだろ!」
どうやら人間たちはなにかの戦いを見ているようだった。非常に集中しており俺たちの状況に気が付くことはなさそうだ。
ラムネ「まずいな…どうするんだ…これ。」
瓶3「うわー!こっちの瓶も割れてる!このままじゃ俺たち全員死んじまうよー!」
ソーダ「どうしよ…どんどん犠牲者も増えてる…しかもみんなパニックになってるからより割れちゃうよ…」
ラムネ「え?そんな仕様だったの?これ?」
ソーダ「そうだよ。心の状態が体にそのまま出るのが俺たちの仕組みだからこのままじゃみんな割れちゃうよ…」
ラムネ「マジかよ…これじゃあマジで時間の問題か…どんどん隙間ができて動きやすくn…あっ!」
瓶4「うわー!」
これからの対策について考えているうちにほかの瓶がこっちにやってきてしまった。
ソーダ「ラムネ!」
ラムネ「…ソーダ…俺の夢…叶えてくれ…短かったけど…楽しかったぞ…ありがと…う…」
ソーダ「ラムネー!」
そうして俺の瓶生は唐突に終わりを告げた。あとのことはソーダに任せることにしよう。
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