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第二百七十七夜 『新宿野戦病院』

重要事項説明とは宅建士の専任業務とされている。
全ての不動産の重要事項説明は先ず、買主と売主の名前を確認し、以下の文章から始まる。

「下記の不動産について、宅地建物取引業法第35条・同法第35条の2の規定に基づき、次のとおり説明します。」

宅建士という資格はこの書面の責任を負う仕事なのである。
安いもので数百万円の取引から、上は数億円、数百億円、そこに記名された宅建士と宅建業者はこの説明義務を負う。

一つのプロジェクトだと考えても、その名前は明らかに重い。

このほど、アメリにおいて、宅建士という資格の処遇を考えた。

一般的な不動産会社であれば、宅建手当を毎月払ったり、一つ重要事項説明を作成し読む毎に数千円を歩合として支給する会社もあると聞く。

しかし、アメリは今回、宅建士にも案件の大きさに応じて成績をつけることとした。

アメリは不動産業をセクションとして抱えているものの、本業はFP業務である。
そのアメリが求める人物像はやはりプロの人材である。

普通の不動産会社であれば、大きな反発が起こることであろう。
しかし、アメリは役員が2人とも宅建を取得済みである。

不動産を販売するのであれば、当たり前に取得すべきという考えなのである。
その上で、その環境を作り上げるための施策としての宅建士への成績制度を導入するのである。

簡単にいえば、「もっと稼ぎたいのであれば、プロとして一人前になり、重要事項説明に記名することで責任を負えるようになれ」ということである。

報酬とは本来、責任の重さによって変動するものである。
契約の責任を負うのは、宅建業者と宅建士である。

であればこそ、自ずと宅建士に責任に応じた給与を支払うのが当然である。
そして、アメリではどうせ全員が宅建士を取るので、そこに不公平など起きないであろう。
宅建士を取ればいいだけなのだから。

FP資格に関しても、現在同じように業務の範疇が決まってきそうである。
我々はプロのFPとして、稼ぎたいのであれば、その責任を負えるだけの能力、資格を有すればいいそういった土壌を作り上げるだろう。

資格は責任である。
世の中にサービスを提供する場合、多くのものが資格や許認可という形で品質を維持するのである。

医師、弁護士、税理士、保育士、教師、運転、調理、世のあらゆることに免許や資格があり、それを所有していることで始めて我々は責任を取れる立場になるのである。

不動産を扱うにも関わらず、宅建士を持っていないというのは無免許医と同じである。
アメリではその考えを当たり前にし、お客様へのサービスの質を上げていく。

物語の続きはまた次の夜に…良い夢を。

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