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第百三十二夜 『賭博堕天録カイジ』

「昨日は完全にやらかしました。」

彼のこの報告は仕事のことではないだろうし、天邪鬼彼のことだ。おそらく良い意味であろう。

「これがマカオであれば大金星でした。しかし、昨日は六本木だったのです。」

「なるほど、カジノですね。」

アメリの会社の近くにはカジノが多く点在している。
もちろんギャンブルではなくゲームセンターのメダルゲームのように遊んでチップを預けておける健全なものである。

そこで彼はバカラに講じるのである。カジノも嫌いではないと言っていた。

正直私はカジノはそこまで食指が動かないのであるが、彼と同席すると彼は水を得た魚のようにお金のかかっていないギャンブルに講じるのだ。

「プレイしている間は飲み放題なのでチップさえ稼げいつでも飲み放題じゃないですか。」

確かに、このカジノで大勝ちすればいつ行っても飲み放題でゲームを遊べると思うとそれはそれでお得な気がした。

東証プライム市場に上場している広告代理店のC社の代表取締役であるF氏も麻雀を嗜み、ビジネスで必要な多くのことを麻雀を通じて学んだと話しているほどである。

麻雀やカジノを趣味にする経営者は多い。
それは常にリスクオンの状態を保てるアクティビティだからなのであろうか。

「業務委託社員のIさんが強くてドンドンチップが増えていきます。ここがマカオだったら大勝ちです。」

「こう言うのっていざ本当に賭け事になった途端、勝てなくなるようなものですよ。」

水を差すようなことを言ってしまったのは、その場にいなかった私の嫉妬であるので多めに見てもらおう。

物語の続きはまた次の夜に…良い夢を。

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