第十七夜 『賭ケグルイ』
「意外と若い頃にパチンコスロットにハマっていた人が、その後経営者になるケースって多いんだよね。」
ふむ。確かに、中学の同級生で起業したSは大きい声では言えないが、高校生の頃からスロット店に出入りしており、私も初めてのスロットは彼に教えてもらいながら手探りでやっていたものだ。
また、もうバイアウトして、また会社員に戻ったUも大学時代、食堂で大富豪で仲間内で賭け事をしていたし、私の同じサークルの同期Nも大の麻雀好きであった。
かくいう私も賭け事は好きである。
たまたまなのか、本当に共通項があるのかわからなかったが、その後、経営者がN党の元党首との会話の中でその条件付けを伝えていた。
「期待値計算をしていること」
これがギャンブルから経営者になる人の特徴ということである。
ただギャンブルをやるのではなく、期待値計算と探究心を養うことがある種の経営感を養っていくということらしい。
また、別の切り口からの意見では、当たり前の感覚を麻痺させる癖をつけられるという物もあった。
経営者なんてものはある程度、感覚が麻痺していないとストレスに押しつぶされる。お金を使うこと、投資することにある程度鈍感にならねばならないという。
せっかく、ギャンブルを嗜んできたので、その経験を活かしていこう。
ただ勝ちを待つのではなく、勝つべくして勝つ。負ける時は損切り。こういった勝負感を学生時代に養えたのだからあの頃の負け分は授業料になる。
勝った分は丸儲け。
学生時代のギャンブルなんて負けようがないじゃないか。
物語の続きはまた次の夜に…良い夢を。
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