イラスト研究#2/「ピングー」のライティング
最初は「白黒」で見てみた
今回はNetflixで見れる大好きな作品「ピングーinザ・シティ」をチョイス。絵作りにおけるライティングに集中するためにブラウザの色情報を消してみた。GoogleChromeの拡張「(un)clrd」を利用すればブラウザを簡単にモノクロ化できる。
白黒にすると色の余計な情報が消えるので、ライティングの研究に便利。今日は2時間ほど見ていて気になったことをざっとメモしておく。
影がほとんどない
気になったのは影が少ないこと。明るめの曇り空の下にいるようなソフトなライティングでキャラクターには強い光も強い影もつかないように表現されている。首の根元それによってクレイのマットな質感が際立っている。影は必要最小限に抑えられていて、物体の接点にできる影が形状をわかりやすくしている。
徹底した画面作り
拡散されたライティングなので、キャラクターや背景、小物まで画面全体がよく見える。逆に考えると、全体がよく見渡せるということは当然見て欲しいところ、つまり「見せ場」のコントロールが難しくなる。「ピングー」を見ていると、常に画面がとてもシンプルに構成されていてわかりやすい。キャラクターの配置、小物の位置や大きさ、背景のバランス。
柔らかいコントラストとアクセントの色
白黒で見ていると、画面の階調がやや高めで明るい印象が強い。舞台が氷でできた町なので明るい面が多い、対してキャラクターには黒(真っ黒ではない)が使われているので常にコントラストと視認性が保てる。それが柔らかい印象を作っているのかもしれない。途中で白黒から色に戻してみるとおもしろい。色がとても効果的に使われていることがわかる。
まとめ
・強い光と影をあえて使わないソフトなライティング
・画面の明るさ/色味で印象をコントロールできる
・描き込む要素が多い場合は構図の工夫が必須
・明度の差が少ないときは「色相」の対比が効果的
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