受け継がれていくエンターテイメントの遺伝子は、わたしに何を見せてくれるのだろう(2019.10.20)

(2019.10.20に別のブログにエントリーしたものをこちらに移動させたものです。)

“それ”が発表された時、聞いた人それぞれが、それぞれの感情を心に宿したと思う。
数週間前、昨年秋に放送された連続ドキュメンタリー「RIDE ON TIME」の2ndシーズン放送が決まったとネットニュースが報じた。昨年同様トップバッターはKing & Prince。

RIDE ON TIMEで特集を組んでもらったグループのオタクは、あの番組の重みを知っている。
私は重みを知っている側の人間だった。だけどそれは、自担Gにとって去年は特別な年だったこと。とても意味を持つコンサートに密着されたことが重く感じただけであって、それを抜きにして考えれば、ドキュメンタリーほど生の声をかけるタイミングはなかなか無いのでありがたい。特に自担はステージの裏側を積極的に見せるタイプでは無いので、いかにしてあの素晴らしいステージが作り上げられているのかを知ることができて大収穫だった。
そしてKing & Princeのオタクとして迎えた2019年秋、またしてもRIDE ON TIMEに巡り合った。
私は、純粋に嬉しかった。
紫耀くんのこと、King & Princeのことをもっと知りたい、と純粋に思ったから。
昨年放送分はFODで履修したけど、それは私が好きになる前の話であって、私のリアルタイムではない。私は私のリアルタイムで紫耀くんの想いに触れたかった。できれば、本人の口から語られる生の言葉で。決して強引に覗きたいわけではない。もし見せていただけるなら、ありがたく覗かせていただきますね、といったスタンスなのだけど。

どう考えても多忙だったであろうこの一年間をどう振り返るのか、ちょっぴりドキドキしながら見た初回放送は、私が欲しかった答えが詰まっている番組だった。

紫耀くんに対して「こんな人なんだろうな〜。こーゆーところ好きだなあ〜。」って漠然と思ってた部分が、時間と共にパズルのピースのようになってきて、RIDE ON TIMEでのコメントや立ち振る舞いでピースが埋まっていく感覚。

例えば、彼を表す言葉でよく見かける「帝王、覇者、王者、etc...」実はどれもしっくりきていなかった。なんだかこの言葉は乱暴な意味を含んでいる気がして、もうちょっと柔らかい何かなんだけど何といえばいいのかなと考えていた。
彼のリーダーシップやグループをまとめ上げる力は本当に長けているし生まれ持った才能だと思う。もちろん後天的な部分も有るとは思うけど。
だけど私は、彼がグイグイと引っ張っていくと言うよりはもっと丁寧に一人一人と向き合って、自分が思うゴールに導いていくようなタイプに見えてる。なぜ彼にはそれができるんだろう?答えはRIDE ON TIMEにあった。
長い付き合いで普段から共に過ごす、関係性がある程度完成されているメンバー以外の外部の人に囲まれてインタビューを受けるシーン。
この時の紫耀くんは、その場の空気を紫耀くん色に染め上げていたように見える。彼はとにかく人の目を惹きつける。立ち振る舞いや話し方、声のトーン、注目を得る術が体に染み付いてるみたいに。その場を支配しているとも言える。本人にその気があるのかどうかはまだ私にはわからないけど、気が付いたらその場の中心にいるような、そんな人なんだろうなと思う。


あぁ、やっぱり。と思ったのはNaughty GirlのMV撮影中に訪れたシーン。
Naughty Girlノーカット一発撮りをしましょう、とスタッフからの提案に対して「それも入るんですか DVDに?」と紫耀くんが返すところ。入れるよ、と伝えられるとすぐに「えー入れたい」「引きの(画角の)やつってことですよね ずっと?」この一連。平野紫耀のプロデュース力を垣間見た瞬間だった。
数多ある紫耀くんの魅力の中に、「作品を手に取る人の気持ちを考えるところ」と「どうしたら消費者が喜ぶかを想像できる」ところがある。オタク心理を理解すると言うよりは想像力に長けていし、「愛されてるな〜!」と言うよりも、もっとビジネスの匂いがする。だけど、とても丁寧に向き合ってくれてるのも感じるから、結果的に大切にされている気持ちになれる。人間としての能力が高いので、紫耀くんがアイドルじゃなくても成功しただろうなと思えるのは、この魅力のせいかもしれない。
Naughty Girlは本人たちも「今までの王子様スタイルとは違ったものを見せたい」と意気込んで臨んだ楽曲だったし、時系列を計算すればこの時すでにダンスレッスンを取り入れていたのかな?と思うので、今現在グループとして力を入れている項目が前面に押し出される作品が出来上がるなら…それを手に取った人が引きの一発撮りでどこまで驚けるのか、そして驚かせる自信もあったと思う。知らんけど。でも私は驚いてどハマりした人間だったので、この時すでに平野紫耀の掌でのたうちまわっていたことになるなあ…。もちろん、提案してくれた大人(レコード会社の人だと思うけど)の戦略もバッチリだった、と言う面もあるのでユニバーサルさんの力も大きい。いいレコード会社と組んでるなあ…。

なんど見ても聞いても「えっ?売れっ子の平野紫耀が?」って思うフレーズもある。
デビュー以来、圧倒的な売り上げと人気で諸先輩達が「キンプリ嫉妬芸」を確立させるほどいろんな意味で可愛がられていたキンプリちゃんたち。
だけど「先輩方を見ていたら、今後自分が何を売りにしてやってくんだろうと不安になった」と口にする紫耀くんは、やっぱりまだ22歳のアイドルだった。なんでもできるからこその不安なんだろうなあ。何かを突出させたいんだろうなって想いは、前回のRIDE ON TIMEからもひしひしと感じた。
紫耀くんを好きになった時、なんてキラキラして華やかな人なんだろうって思った。でも同時に「今はこんなに輝いていても、この先アイドル業で辛いことや何かを失ってしまう瞬間もあるんだろうな」と勝手に悲観もした。これはアイドルの常であるから、無いに越したことはないけど全く何もない人達なんていない。だけど次の瞬間には「だけどその景色も一緒に見たいな」って思った。
いつか、所謂“出世作”とか“代表作”と言われるものを塗り替えて、新たな魅力を開花させる日が来るんだろうなと信じられるのも、紫耀くんの魅力の1つだよ。その瞬間に立ち会えるんだな、と思うとすごくワクワクするから、今は時々不安になっちゃう日があっても大丈夫。ちゃんとこの先のことも見てるからね。今の不安も、未来への期待も全てひっくるめて応援してるからね。掛け持ちだけど、一度好きになったら離れることはないし、嫌いにはならないから、紫耀くんがやってみたいことや、興味のあることはどんどんチャレンジして欲しいな。

雑誌なんかで紫耀くんを見てると「この紫耀くんは突然いなくなっちゃいそうだな」って
思う時がある。とてもとても儚くて、全てを捨てて、目の前から消えちゃうんじゃないかって感じさせる表情。この儚さの根源は一体なんなんだろうなってずっと思ってた。
本人が醸し出す雰囲気や作り出す表情が秀逸なのはもちろんのこと、彼が今やるべきことに対して生命力全てを注ぎ込んでいるのを言葉の端々から感じていたからかもしれない。
終わった後のダメージを省みることなく、“その時”に集中して時間も体力も気力も注ぎ込める人。だからとても強い人に見えて人が集まってくるんだろうな。
紫耀くんは本当に強い人かもしれない。だけど、「必要に応じて強くなることができる人」と表現する方がしっくりくる。
ずっと強い人なんかいない。ましてや、あんなに周りを見渡せる人が受け取る刺激は計り知れない。でも求められている以上は、強くある必要があるときは、強くいようとする、強い人でいられる。ホンモノのヒーローなんだなと思う。
全然大袈裟じゃなく命削って作品を作り出してるんじゃないかと思うので、この先もその瞬間は見逃したくないなと思う。そこまでの気持ちで作ってくれてるんだから。

確かにもうこの人たちは「普通の男の子」ではない。
10代の頃からこの世界にいて、普通の恋愛も、普通の青春も、普通の結婚もすべて手放してきたのかも。だけどどうしても私はそれに対して「ごめんね」とは言いたくない。
得られなかったほうの人生は本人たちが一番よくわかっているはずだ。失うものをわかっていてもなお、ステージに立ち続けてくれた。自分が好きな仕事だから。ファンがいたから。誰かを助けたかった、力づけたかったから。理由は様々だろうけど、本人たちが選んだ道を応援してあげたいし、ありがとうって伝えたい。私が好きな人が選んだ未来を一緒に見たいと思うし、作品を愛でたいし、活動を褒めて過ごしたい。それが彼らプロ集団に対する私なりの礼儀だから。
だから紫耀くんの体調不良もケガも、正直死ぬほど心配してるし、やってくれるのは嬉しいけどほんとにほんとに体大事に…!!!って思ってる。
でも体調不良もケガも押して作ってくれたのに、作品そっちのけで過剰に心配するのはプロに対して失礼だなと思うので、あんまり表には出したくない。
その代わり、私が時々言う「おいしいもの食べてあったかいお布団で寝て~」はこの不安や心配をすべて丸めて愛情で包み込んだなけなしの親心なのでこのくらいは勘弁してほしいところ。
あんまり心配しすぎて「心配かけて申し訳なかったなあ」と思われて何も言ってもらえなくなるのはオタクとして悲しいので。いつまでもオタクの前では膝をついて息を整えることができる紫耀くんでいてほしいな。

くたくたになった進行表を見ながらMV撮影するところも、子供みたいにメンバーと笑いあってるところも、シャワーシーンでオタクを軒並み悩殺するところも、密着スタッフと冗談を言いあえるような良好な関係を築けるところも、欲しい映像を提供できるところも、ぜんぶ大好きな紫耀くんだったよ。

これからもいろんな紫耀くんを見せてね。

そして次回予告で流れたこの一言とあの人の姿。
「受け継がれていくエンターテイメントの遺伝子」

受け継がれていくエンターテイメントの遺伝子は、きっと愛おしい景色を見せてくれるのだろう。
師匠も弟子も愛してしまった私の、幸せな大誤算だ。

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