中華丼は豆の味
大学生が一番盛り上がる話題って給食だと思う。
地域特有のメニューがあったり、逆にそれ共通してるんだ?!となったり。
炎色反応は忘れているくせに、給食の定番の組み合わせは覚えてたりする。
揚げパンと肉団子の春雨スープ、わかめごはんとジャンボ餃子、エビピラフとABCスープ…
とりわけ好きだったのは中華丼と、大豆とじゃこの甘辛炒めである。
今でも中華丼の味を思い出そうとすると、口の中に広がるのは大豆の味だから、給食って人格形成に影響するんじゃないかと思う。
薄い衣をつけた揚げ大豆とじゃこが、みたらしみたいなタレであえてあって、ほんのり青のりがきいている。
これって副菜にカウントしていいんですか?と不安になるくらいおいしい。
好きすぎて母にリクエストしたこともあった気がする。
そもそもわたしは昔から豆が好きなのかもしれない。
カレーもレンズ豆が入っているのが一番好きだったし、柿ピーはピーナッツが多い方が嬉しいし、ひじきに至っては大豆が入っていないとひじきとして認識していなかった。
よく大豆を食べると女性ホルモンが促進されますと聞くけれど、お世辞にもスタイルがいいとは言えない私を見てもらえば、大した効果はないということを実証できるだろう。
話を中華丼に戻すが、名脇役のおかげもあって給食を食べなくなってからも、ときどき無性に中華丼を食べたくなる時がある。
でも本格的な中華料理店にはまず中華丼は存在していないし、いわゆる町中華にも意外となかったりするので、なかなかありつけないのが現実だ。
だから餡掛け焼きそばや皿うどんを食べて、口寂しさをごまかすことが多い。
「大豆とじゃこの甘辛炒め」で検索すると、想像以上にレシピが出てきて驚いた。
そんなに好きなら作ればいいのにという感じだが、それはどうも気乗りしない。
銀色の大きなボウルから、およそ均等に分けられた大豆を、隣の子の方が多いかも…とか考えながら食べたいんだ。