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コルゲート・パルモリーブ、最新決算。グーローバルな成長戦略で62年の連続増配を達成。


コルゲート・パルモリーブ(Colgate-Palmolive)は、消費財の世界的なリーダ。歯磨き粉の世界的ブランド「コルゲート」をはじめ口腔・スキンケア洗剤など日用品を200カ国以上で展開。200年以上にわたり成長と進化を遂げてきました。


石鹸とろうそく事業が祖

コルゲート・パルモリーブは、1806年にウィリアム・コルゲートがニューヨーク市で石鹸などの工場を創業したのが始まりです。

その後、1864年にB.J.ジョンソンがミルウォーキーで創業した石鹸など日用品製造会社のパルモリーブカンパニーと合併。

19世紀初頭に始まった小さな石鹸・ろうそく事業を祖とし、現在は歯磨き粉「コルゲート」やデンタルフロスなどのオーラルケア用品、ハンドソープやボディウォッシュなどのパーソナルケア用品、食器用洗剤や柔軟剤などのホームケア用品を製造する日用品のグローバル企業へと成長しました。歯磨き粉や歯ブラシの分野で世界をリードし、同社製品は世界200カ国以上で販売されています。

また、子会社「Hill's Pet Nutrition, Inc.」を通じてペット用品事業も展開しており、そして、60年以上連続で増配を続けている優良企業でもあります。

About  コルゲート・パルモリーブ

ペットフードが第二の柱

  • 創業:1806年

  • 設立:1923年にコルゲート社とパーム・オリーブ社が合併。

  • 上場:1930年3月

  • ティッカー・シンボル:CL

  • セクター:生活必需品(Consumer Staples)

  • 年間売上高:195億ドル(約2.9兆円,会計年度12月通期)

  • 株式時価総額:812億ドル(2024/6/24現在)

  • ペットフードが第二の柱

  • ライバル企業:P&G(PG)

  • 日本での同業種イメージ:花王(4452)

1-3月(Q1,2024年)四半期決算の概要

売上高は価格上昇、新製品の投入、既存製品の強固なパフォーマンスにより、前年比より増加。この成長は、強力なブランド力とグローバルな市場展開の賜物です。

  • 売上高:50.65億ドル(前年同期比+6.2%増)

  • 営業利益:10.47億ドル

  • 当期利益:6.83億ドル

  • EPS(1株利益):0.83ドル

オーラル・パーソナルおよびホームケア製品部門の売上高は同+11.4%増加。
歯磨き粉の世界市場におけるCLのシェアは41.3%、同じく手動歯ブラシは31.7%だそうです。 

市場の成熟度別売上

  • 先進国:55%

  • 新興国:45%

地域別、カテゴリー別売上高、構成比

コルゲート・パルモリーブは、各地域で異なる成長戦略とコスト管理施策を展開することで、全体の堅調な業績を維持しています。特に価格設定の引き上げと成長資金調達イニシアティブによるコスト削減が、営業利益率の改善に大きく寄与。今後も、地域ごとの特性に合わせた戦略的なアプローチが求められます。

  1. 北米-20%(9.97億ドル)

  2. ラテンアメリカ-24%(12.53億ドル)

  3. 欧州-14%(7.11億ドル)

  4. アジア・太平洋-14%(7.27億ドル)

  5. アフリカ/ユーラシア-6%(2.76億ドル)

  6. ヒルズ・ペット・ニュートリション-22%(11.02億ドル)

ヒルズ・ペット・ニュートリション(Hill's Pet Nutrition)とは

コルゲート・パルモアリーブの一部門であるヒルズ・ペット・ニュートリション(Hill's Pet Nutrition)は、ペット用の高品質な栄養食品を提供することに特化したブランド。科学的な研究と開発に基づいた製品を提供し、ペットの健康と長寿をサポートすることをミッションとしています。

筆者調べ

主な特徴

  1. 科学に基づく栄養:ヒルズの製品は、獣医師や栄養学者による最新の研究に基づいて開発されています。

  2. 高品質の原材料:使用する原材料は厳選され、品質管理が徹底されています。

  3. 特別なニーズに対応:ペットの特定の健康問題やライフステージ(成長期、成人、シニア)に対応した製品が豊富に揃っています。

製品ライン

  • ヒルズ サイエンス ダイエット(Hill's Science Diet):日常の栄養管理に適した製品ライン。

  • ヒルズ プリスクリプション ダイエット(Hill's Prescription Diet):特定の健康問題を抱えるペットのための処方食。

  • ヒルズ アイデアル バランス(Hill's Ideal Balance):バランスの取れた栄養を提供するための製品ライン。

配当政策の目的と戦略

コルゲート・パルモリーブの配当政策は、株主に対して安定した利益還元を提供することを重視しています。

  • 持続可能な増配:毎年少しずつ配当を増やすことで、株主に対して長期的な信頼と利益還元を提供。

  • 財務の健全性維持:配当性向を適度に抑え、企業としての成長機会を逃さないようにしています。これにより、将来的な増収増益を目指しつつも、安定した配当を維持しています。

62年連続増配

コルゲート・パルモリーブは長期的な視点で安定した利益還元を行い、株主価値の最大化を図っています。興味のある方は、公式サイトの配当歴史ページを参考にしてください。

  • 歴史的な安定性:同社は1895年以来、途切れることなく配当を支払い続けており、62年連続増配を行っています。この長い歴史は、同社が安定したキャッシュフローと利益を持続している証拠です。配当性向(利益の何パーセントを配当に回すかを示す指標)は57%です。これは、安定した配当を維持しつつも、成長のために再投資する余力があることを示しています。

  • 2024年も四半期配当金が1株当たり$0.48から$0.50に増額。

配当利回りの目安

  • 配当実績:0.5ドル

  • 年間配当:0.5×4=2ドル

  • 株価:98.99ドル

  • 配当利回り:2/98.99×100=2.02%

*税金、手数料は考慮していません。配当利回りは購入時の株価によって変わります。

まとめ

人口増加と少子化に対応

コルゲート・パルモリーブは地味な銘柄に思えるかもしれませんが、世界的な人口増加と日本をはじめとする少子高齢化を迎える国々に対して、最適な製品やサービスを提供できる、有利な立場にいると思います。

歯ブラシや歯磨き粉は日常の生活になくてはならないものですし、健康志向が進む世界的な流れに乗っており、人口増加はプラスに働きます。一方、少子化が進む国々ではペットの需要は増しており、家族同様のケアが当たり前になる世界では、ペットフードやダイエットもまだまだ伸びるビジネスと言えるのではないでしょうか。

コルゲート・パルモリーブの今四半期は、売上高とEPSの増加を示し、同社の強力なパフォーマンスを裏付ける結果となりました。今後も、イノベーション、デジタル化、新興市場の強化、持続可能な経営に注力し、さらなる成長が期待されています。持続可能な成長と安定した収益プラス、連続増配の記録更新が期待できる魅力的な企業だと考えます。


*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

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