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J&J、最新決算:事業集中と買収戦略で未来を切り拓く!

ジョンソン・エンド・ジョンソン( JNJ)は、ヘルスケア業界におけるリーダーとして、継続的な成長と革新を推進しています。2024年第2四半期の決算は、強力なパイプラインと新製品の導入による成果を示すものでした。このnoteでは、ジョンソン・エンド・ジョンソンの最新の決算データ、新製品の進展、将来の展望について、解説します。


ジョンソン・エンド・ジョンソンの企業理念とは?

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、健康こそがすべてであるという理念を持ち、複雑な病気の予防、治療、治癒を目指しています。革新的な医療技術と専門知識を通じて、ヘルスケアソリューションの全領域にわたり、革新的な技術を提供し続けています。

Q2の業績は?

ジョンソン・エンド・ジョンソンの2024年第2四半期の業績は、売上高と利益の両方で強い成長を示しました。以下は主なハイライトです。

  • 売上高: 224億ドル(前年同期比+4.3%増)

  • 調整後営業成長率: 6.5%(COVID-19ワクチンを除くと7.1%)

  • 調整後EPS: 2.82ドル(前年同期比+5.9%増)

  • 通常EPS: 1.93ドル(一時的な特別費用により5.9%減少)

第2四半期の結果は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの製品ラインと市場戦略が計画通りに推移していることを示しています。

新製品パイプラインの進展は?

パイプラインとは、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) が現在開発中の新製品や治療法、または試験段階にある製品群を指します。具体的には、研究・開発段階から臨床試験、そして市場への導入準備に至るまでのプロセスにある製品を含み、新製品の開発と導入においても大きな進展を遂げています。特に注目すべきは以下の製品です。

*薬品名(有効成分名)です。↓

トレムフィア(グセルクマブ):

  • 炎症性腸疾患(IBD)の適応拡大に向けた申請が進行中です。具体的には:

    • クローン病の治療薬として、米国FDAに補足的生物学的製剤承認申請(sBLA)を提出しました。

    • 潰瘍性大腸炎の治療薬としても、2024年3月にFDAに申請を行っています。

ライブレバント(アミバンタマブ):

  • 皮下投与製剤の開発が進んでおり、申請が進行中です:

    • EGFR変異陽性の非小細胞肺がん患者を対象に、米国FDAに生物学的製剤承認申請(BLA)を提出しました。

    • 欧州医薬品庁(EMA)にも同様の申請を行っています。

バリパルス:

  • パルスフィールドアブレーション(PFA)システムとして開発が進んでいます:

    • admIRE臨床試験の結果が2024年5月のHeart Rhythm Society (HRS)年次総会で発表されました。

    • この試験では、発作性心房細動患者に対するVARIPULSEプラットフォームの安全性と有効性が評価されました。

また、バリパルスは2024年1月に日本で薬事承認を取得しており、日本初の*PFAシステムとなっています。

*「PFA」とは、「全自動定量免疫蛍光測定装置」を意味する「パフォーマンスフルオロメーター」(Performance Fluoroimmunoassay)の略。これは、免疫測定における蛍光技術を用いた分析装置の一種で、特定の抗原や抗体の濃度を正確かつ迅速に測定するために使用されます。

PFAシステムは、医療や研究分野での診断や分析において重要な役割を果たします。具体的な用途としては、感染症の診断、ホルモンの測定、薬物モニタリングなどがあります。この技術の導入により、より正確で信頼性の高い測定結果が得られるようになります。

ショックウェーブ・メディカルの買収は?

2024年には、ショックウェーブ・メディカル社の買収が完了し、これによりジョンソン・エンド・ジョンソンのメドテック部門(医療機器や技術)がさらに強化されました。ショックウェーブ社は、冠動脈疾患(CAD)と末梢動脈疾患(PAD)向けの血管内結石破砕術(IVL)プラットフォームを提供する会社。

同社の技術は、J&Jの既存の心臓回復(Abiomed)と電気生理学(Biosense Webster)分野でのリーダーシップを補完します。この買収は、同社の通年営業売上高ガイダンスの上方修正にもつながっています。

事業再編から目指す未来

  1. 事業再編の目的:
    J&Jは2023年にコンシューマーヘルス事業をKenvueとして分離し、医薬品(Innovative Medicine)と医療機器(MedTech)の2事業に注力する戦略を採用しました。この再編の目的は、より高い収益性と成長を促進することです。

  2. イノベーションへの継続的投資:
    J&Jは、製薬業界で世界トップクラスの研究開発費を投じており、2023年にもは売上の約18%に相当する151億ドル(2.3兆円)を研究開発に費やしています。この大規模な投資は、医薬品と医療機器分野での継続的なイノベーションを支えています。

  3. 成長戦略との整合性:
    新製品の継続的な発売は、J&Jの成長戦略の重要な部分です。医薬品と医療機器分野に集中することで、これらの分野でのイノベーションと新製品開発をより効果的に推進できます。

  4. 高収益事業への集中:
    コンシューマーヘルス事業の分離後、J&Jは利益率の高い医薬品と医療機器事業に集中できるようになりました。これにより、これらの分野での新製品開発と市場投入がより効率的に行えるようになっています。

新製品のラインナップ

ACUVUE OASYS MAX 1-DayコンタクトレンズやVARIPULSEプラットフォームなどの新製品の継続的拡大は、J&Jの事業再編後の戦略。これらの製品は、同社が注力する医療機器部門に属しており、高収益・高成長を目指す同社の方針に沿ったものです。

まとめ

2023年、J&Jはコンシューマーヘルス事業をKenvueとして分離し、医療用医薬品のInnovative Medicine事業と医療機器のMedTech事業に注力することを発表。これにより、革新的な医薬品とメディカルテクノロジーにおける専門性を生かし、複雑な病気の予防・治療を行い、よりスマートで低侵襲(ていしんしゅ-従来の開腹手術に比べて切開が小さく、回復が早い、痛みが少ない、感染のリスクが低いなどの利点)治療法を提供することに舵を切りました。

この再編は、J&Jがヘルスケア分野における総合力をさらに高め、世界が直面する健康課題に対処するための重要なステップとなっています。また、これにより、同社は医薬品と医療機器の分野でのイノベーションを加速させ、市場のニーズに迅速に応えることが可能になります。そして、近い将来および長期的な成長に向けた強力な基盤を備え、62年にも及ぶ連続増配が、さらに継続する準備が整えられたと言えるでしょう。

よくある質問(Q&A)

会社の基本情報

Q: Johnson & Johnson (J&J) はいつ、どこで創業されましたか?
A: J&Jは1886年にアメリカ・ニュージャージー州で創業されました。

Q: J&Jの設立者は誰ですか?
A: ロバート・ウッド・ジョンソン、ジェームズ・ウッド・ジョンソン、エドワード・ミード・ジョンソンの3兄弟が設立しました。

事業の発展

Q: J&Jの初期の製品は何でしたか?
A: 初期の製品は外科用の絆創膏や包帯などの医療用品でした。

Q: J&Jが製造を開始して手術後の感染症を減少させた製品は何ですか?
A: 消毒済み縫合糸の製造を開始し、これにより手術後の感染症が大幅に減少しました。

Q: J&Jが「ジョンソン・ベビー」ブランドの始まりとなる製品は何ですか?
A:1894年、 ベビーパウダーの製造を開始しました。

Q: 1920年代に発売したJ&Jの絆創膏ブランドは何ですか?
A: 絆創膏ブランド「バンドエイド」を発売しました。

Q: 1959年にJ&Jが参入した新しい事業は何ですか?
A: 処方薬事業に参入し、鎮痛剤「タイレノール」を発売しました。

Q: J&Jが1980年代に強化した事業は何ですか?
A: 医療機器事業を強化し、コンタクトレンズや人工関節などを手がけました。

企業の規模と市場情報

Q: J&Jが上場した年はいつですか?
A: 上場は1944年です。

Q: J&Jのティッカーシンボルは何ですか?
A: ティッカーシンボルはJNJです。

Q: ジョンソン・エンド・ジョンソンは配当を続けていますか?
A: はい、ジョンソン・エンド・ジョンソンは62年間連続して配当を支払っており、安定した株主還元を続けています。

Q: J&Jが属するセクターは何ですか?
A: ヘルスケアセクターです。

Q: J&Jの株式時価総額はどれくらいですか?
A: 株式時価総額は3,580億ドル(約57.2兆円、6/21現在)です。

Q: J&Jの年間売上高はどれくらいですか?
A: 年間売上高は852億ドル(会計年度2023年12月通期)です。

Q: J&Jの主なライバル企業はどこですか?
A: ファイザー(PFE)やアッヴィ(ABBV)などの医薬品企業です。

Q: 日本での同業種の企業はどこですか?
A: アステラス製薬(4503)やオリンパス(7733)です。

Q: J&Jの従業員数はどれくらいですか?
A: 従業員数は131,900人(2023年12月現在)です。

訴訟リスク

Q: J&Jが直面した主な訴訟は何ですか?
A: タルクパウダー訴訟とオピオイド訴訟があります。タルクパウダー訴訟ではベビーパウダーに含まれるタルクが卵巣がんを引き起こしたとして、多数の消費者から訴訟を起こされました。オピオイド訴訟ではオピオイド系鎮痛剤の乱用と依存を助長したとして、各地の自治体から提訴されました。

Q: 訴訟はJ&Jにどのような影響を与えましたか?
A: 訴訟はJ&Jにとって大きな財務的およびブランドへの影響をもたらしましたが、同社はこれらの問題に対処し、解決するための取り組みを続けています。

事業の再編

Q: 2023年にJ&Jが行った事業再編は何ですか?
A: コンシューマーヘルス事業を分離し、利益率の高い医薬品や医療機器部門の2つの事業に絞るビジネスモデルに舵を切りました。

1-3月/Q1,2024四半期決算はこちら↓

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。




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