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メタ・プラットフォームズ、最新決算。デジタル広告回復とリストラ効果で次のステップへ。【1-3月期/Q1,2024年】より。

マグニフィセント7を最新決算の発表順から紹介してます。今回はメタ・プラットフォームズ。(旧フェイスブック,Meta Platforms, Inc. /META)

デジタル広告とリストラ効果

デジタル広告市場での顕著な成長と戦略的なリストラを通じて、第1四半期に業績を大幅に向上させたメタ。Eコマースからの強力な広告収入の増加と共に、2022-23年に実施されたコスト削減策が、営業利益率を前年同期の25%から38%へと押し上げる結果となりました。今後AI分野への投資を加速させることを掲げていますが、リストラから次の成長に進む段階にメタは来ています。

決算のポイント

  • 売上高は364.5億ドルうち広告収入が356億ドル

  • Eコマース関連が大きく伸びる

  • 2022-2023年のリストラとコスト削減が寄与

  • Q1のDAP(Family Daily Active Person )は、32.4億人

  • AIへの投資を強化。

  • 大規模言語モデル「Llama3」で生成AIで先行するマイクロソフトやGoogleに対抗

*DAP-(Family Daily Active Person)→「Facebook」「Instagram」「Messenger」「WhatsApp」に登録してログインしているユーザーで、特定の日にモバイルアプリを介してまたはWebやモバイルブラウザを使用して、これらのファミリー製品を少なくとも1つにアクセスした人とメタは、定義しています。

筆者調べ

2023年は効率化の年だった

Metaは2023年を「効率化の年」と位置づけ、大規模なリストラを実施しました。

  • 2022年11月に従業員1万1,000人を削減すると発表し、リストラ関連費用として42億ドルを計上。

  • 2023年3月には、さらに10,000人以上の従業員を削減する計画を明らかに。これに伴い、2023年に10億ドル(約1,314億円)のリストラ関連費用を見込む。

  • リストラの目的は、AIやメタバース事業への投資を継続しつつ、コスト構造を合理化し効率を高めること。

  • 2023年第1四半期決算では、リストラに伴う費用の増加が減益の一因。

このように、Metaは2023年に従業員数を大幅に削減し、コスト構造の見直しを行うことで、効率化を推し進めました。これは同社のAI・メタバース投資を継続し、財務健全性を確保する上で、避けては通れない道筋だったと言えます。

株価の動き

2023年9月以降のメタの株価上昇には、リストラの効果を投資家が好意的に受け止めたこともあったのではないでしょうか。一方、1-3月期決算発表後に株価が一時下落したのは、データセンター、AIハードウェア、サーバー等の関連費用等通期の経費見通し引き上げに伴い、次期4-6月期に決算見通しが予想を下回り嫌気されたことがあげられます。今後はAIへの投資等の成果が問われる局面を迎えます。

2023年9月末-300.2ドル
    12月末-353.96
  2024年1月末-390.14
               2月末-490.13
               3月末-509.58
               4月末-430.17
               5月末-466.83
               6/13-504.10

*株価は各月末の終値。6/13はその日の終値です。

1-3月業績と次期見通し

  • 売上高:364.5億ドル前年同期比で27%増。

  • 広告:356億ドルと 27%増加し、特にEコマース関連が成長を牽引。アジア太平洋地域からの収入増。

  • 営業利益率: 25%から38%へ大幅上昇。2022-2023年のリストラとコスト削減が寄与。

  • ユーザー数の開示変更: Facebookを含むファミリーアプリの日次稼働ユーザー数(DAP)のみを開示。Q1のDAPは32.4億人(2023年12月平均で31.9億人)で、1ユーザー当たりの収入は18%増の11.20ドル。

  • Q2(4-6月)見通し: 365-390億ドルの予測で、市場予想に未達の可能性もあるが、14%から22%の成長見込み。

  • AIへの投資の増加: 経費見通しを960-990億ドルへ、設備投資計画を350-400億ドルへ引き上げ。

Llama(ラマ)3を開発

メタのLlama(Large Language Model Meta AI)シリーズは、Meta(旧Facebook)によって開発された大規模言語。Llama 3はこのシリーズの最新バージョンであり、より高度な自然言語処理(NLP)機能を提供します。

Llama 3の特徴と機能

  1. 大規模なデータセットによる学習:

    • Llama 3は、大量のテキストデータを用いて学習されており、多様な言語パターンを理解する能力が向上。

  2. 高度な自然言語理解:

    • 前バージョンに比べて、Llama 3は文脈をより深く理解し、複雑な質問や命令にも対応できるようになっています。

  3. 多言語対応:

    • 複数の言語での入力と出力に対応しており、グローバルなユーザーに対して一貫したサポートを提供。

  4. エネルギー効率:

    • モデルのトレーニングと推論のエネルギー効率が改善され、より少ない計算資源で高性能を発揮。

  5. リアルタイム処理:

    • 高速な推論能力により、リアルタイムでの対話や質問応答が可能です。

  6. カスタマイズ性:

    • 特定の業界や用途に合わせたカスタマイズが可能で、企業や開発者が独自のアプリケーションにLlama 3を統合しやすくなっています。

  7. 安全性と倫理考慮:

    • メタはLlama 3の開発において、安全性と倫理的な使用を重視しており、不適切なコンテンツ生成を防ぐためのガイドラインとフィルタリング機能を備えています。

使用例

  • カスタマーサポート:

    • 自然な対話を通じて顧客の質問に答え、サポート業務を効率化します。

  • コンテンツ生成:

    • 自動的に記事、ブログ投稿、製品説明などを生成し、コンテンツ作成の効率を高めます。

  • 教育:

    • 教材の生成や学生の質問に対する回答など、教育分野での活用が期待されます。

Llama 3は、MetaのAI技術の進化を示すものであり、さまざまな業界での応用が期待されています。

メタひとくちメモ

  • 設立:2004年

  • 上場:2012年

  • 株式時価総額:1兆1,050億ドル(6/13)

  • 売上高:1,349億ドル(会計年度12月/年間)

  • セクター:コミュケーション・サービス(Communication Services)

  • 従業員:6万9,000人

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