僕のかかとには魂のきれはしが引っかかっている。雪道には、きれはしを引きずった跡が轍となっていた。無表情な月の光が轍に流れると、水面が涙のように悲しく波打つ。ひやりと足首をつかむ月のせせらぎ。またひとつ足かせが増えた。僕は、振り払うことなく、歩みを進める。
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