甘酒が飲めるようになったのは、大人になってからだった。個人的に考えた作法はこうである。あたたかい湯飲みを両手で持ち、かじかむ指をあたためる。窓を開けて、空から落ちて来る雪のひとかけらを浮かべる。立ち上る湯気を空に帰す。それから、こたつに戻って、初めて一口。
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