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月刊「根本宗子」「愛犬ポリーの死、そして家族の話」

月刊「根本宗子」
「愛犬ポリーの死、そして家族の話」

2018年、3度目のねもしゅー。
そして、2018年観劇納めとなった作品。

4姉妹の末の妹・花の22歳の誕生日。
唯一心を開いていた愛犬ポリーの死をきっかけに、新たな感情と出会い苦しみながらも、花が成長する物語。

生前、ポリーがどこからか拾ってきた鳥井柊一郎という作家の本。
花はその本を飽きることなく何度も読んでいた。
ポリーが死んだ日、Twitterにそのことを書き込むと、なんと鳥井本人からDMが送られてきた。
そこから物語が進んでいく。

憧れの鳥井を目の前に緊張する花、しかしどこかポリーに似ていると感じ、徐々に心を開いていく。
花は、3人の姉の旦那たちについて彼に話した。
それぞれがどうしようもなく駄目な旦那たち。
男の人の嫌な部分を凝固させたような、本当に気分の悪くなる人たち。
それでも姉妹たちが離婚せずに彼らと共に生きていくことを選ぶのは、いない父親の面影を重ねていたから。
そして、「男の人」という存在の大きさに頼るしかなかったから。

今回の一番の共感ポイントは、花と鳥井の間に存在する「名前のない関係」。
好きではあるけれど、恋とは違う。
でも大事にしたいと思う、そういうような人。
だから一度関係が壊れてしまっても、またそれを再開したいと望んだ。
2人の関係が良い、悪いとかそういうことではなくて、彼らにとっては必要な存在同士なのだ。
果たしてこの感じを理解できる人はどれほどいるのか、わからないけれど。

「名前のない関係」についてずっと考えていたということもあり、まさか今そんな話が出てくるとはと驚いた。
そして心の底から共感した。
この作品を観ることができて、本当に良かった。
「女の子が強い」根本作品。
憂鬱な日が続いていたけれど、なんだか私も強くなれた気がした。

この作品が、たくさんの女の子たちに観てもらえることを願っている。

#演劇 #根本宗子 #めも

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