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青春は求めてなかったけど

前々職の時、しまなみ海道約60kmを8時間かけて走らされたことを思い出した。


思い出したきっかけの話からすると、
長らく続けてきたPodcast番組「同じ鍋のモツを食う」の相方及び友人であるセキヤンにVtuberをお勧めされたことから始まった。

セキヤンが愛してやまないVtuber・月ノ美兎の動画をいくつか見ていた時に、ひょいと出てきたのが「ぽんぽこちゃんねる」だった。
パーソナリティは、ぽんぽこちゃんと、ピーナッツくんの二人。
話のテンポや滋賀県出身在住ということで関西ローカルな話も盛り込まれていることもあり、他のVの方に比べて見やすかったのだと思う。
また、トークメインだけでなく旅動画やVlog、企画ものの動画も多く配信されており、見れば見るほどはまっていった。
今や私と彼が別行動をしている時はお互いが「ぽんぽこちゃんねる」を見るほどだ。
(ピーナッツくんのことは先に音楽で知っていたが、Vtuberであることは全く知らず…。
なんだか不思議だけれど、引き込まれる歌声とキャラクターだなとだけ思っていた)

その「ぽんぽこちゃんねる」で見たのが通称ビワイチと呼ばれる、琵琶湖一周を自転車で周る動画。
それぞれ1人ずつビワイチを決行するのだが、特にぽんぽこちゃんの走る姿を見て、数年前の必死な自分の姿を思い出した。
(該当動画のリンクは最下部にあり)

私が何故しまなみ海道を走ることになったのかというと、前々職で担当していた仕事のメンバーにロードバイク好きが多かったことがあった。
「みんなでしまなみに走りに行こう!」という計画を立てていた際、リーダー格の人に「お前も行くやろ?」的な感じであっという間にメンバー追加されたことが大元の理由。

自転車に乗ること自体が数年振りであり、且ついきなり丸一日走るなんて本当に大丈夫か自分…?と思ってはいたが、思っていただけだったのであれよあれよという間に当日となってしまった。

その日は雨が降り、視界も悪く、走っていれば寒くはないが止まれば体温がどんどん削られるような悪環境。
ありがたいことに仕事のメンバー以外にも地元の方が数名一緒に走ってくれ、大所帯となった為私一人がぽつんと取り残されることだけは避けられた。

体力のある序盤はなんなく乗り越えられたものの、後半に差し掛かると徐々に足の動きが悪くなっていった。
もう無理…と諦めの気持ちの中、現れる坂道は地獄そのもので。
漕いではいるが、いつ足が止まるかわからない状態でふらつきながら走っていた。

そんな私を見かねて、地元の方が私のペースに合わせて一緒に走ってくださった。
「大丈夫!漕げば前に進むから!」
と、部活の先生のような励ましの言葉を掛けられ、
「はい!!」
と負けずに大きく返事をした私。
さながら青春映画のワンシーン…なんて呑気に思いながらも、ただ必死に目の前と足に集中して坂を走り切った。

ビワイチの動画内でぽんぽこちゃんが「体力じゃなくて気合いがあれば走り切れる」と言っていたことは実際その通りで。
「走り切りたい」という気持ちだけで前に進んでいた。

結果、私は最後尾でゴールすることになったが、それでも初心者混じりで全員が無事ゴールできたことに皆が沸き、私もハイの状態で喜びあった。

以後、何か辛いことがあった時はその記憶を呼び戻して「あの日よりはましだな」と思うことも度々。

いつか晴れた日のしまなみ街道をゆるゆるとサイクリングしたいという気持ちはまだあるが、速さを求めて一日で走り切るということは、もうしなくても良いよな…とは思った。

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