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弱いつながりの強さを実感した話

新規受注0%からの復活

もう数年前のことだが、コンペで勝てなくなった。

そのタイミングで私はコンサルからフィールドセールスへ移籍し、原因究明と改革に奔走した。

そして現在、手前味噌だが強いチームに変貌した。改善は尽きることないが、勝てるチームに生まれ変わった。

その過程で私の業務は徐々にマーケティングへ移り、今はマーケティング・インサイド/フィールドセールスをワンチームとして、そのマネジメント業が中心となっている。

新規受注0%から復活するのに何が功を奏したか。とてもこの投稿では語り尽くせないので振り返りは別で記録したいが、チームビルディングも私なりにこだわった点である。

強いつながりがチームを強くする

端的に言えば、個の強さを信じない方針でチームをデザインすること。

企業間取引において、一昔前のように社長の鶴の一声や担当者の気分で委託先を決めるみたいな、合意や透明性の欠ける発注側の意思決定プロセスは失われつつある。

また、我々は無形商材をオーダーメイドでプランニングして提供しており、様々なクライアントの、複雑で多様なすべてのニーズに単独でソリューション提案できるスーパー営業マンは存在しない。

BtoBセールスは個 対 個から、とうの昔に集 対 集になってるのは言わずもがな。

しかし実態は、The MODELの分業体制の真似事で起きる分断。そしてフルリモート環境による分断。集で戦うにはあまりにもチームメンバー間のつながりが弱かった。

なので、毎朝30分の朝会を設けた。裁量労働制でフレックスでマイクロマネジメントされない組織において、逆行してる感もあるが必要性を感じた。

マーケの課題も、ISの悩みも、FSの抱える提案案件も、みんなで向き合った。マーケの次なる施策にFSも案出すし、IS↔︎FSの連携にマーケも口出すし、FSの受注報告に全員が自分の成果のように喜ぶ。

半期に一度、自主的にチームのロングミーティングを設けた。その日は業務を入れず、丸一日つかって互いを知ろうとする機会をつくった。

日頃話さないような、人生観やプライベートの過去話。実は今の仕事とかけ離れた未来のキャリア像。チームや組織にぶっちゃけ思ってること。自分が部署の責任者なら何を優先して取り掛かるか。なぜだかみんなを知れば知るほど活力が湧いた。

接触頻度はマーケティングの本質とも言える。これらの営みで、明らかに結束力は高まった。共通言語が増えコミュニケーションコストが下がった。目指す視点や視座が重なり、エネルギッシュになった。強いつながりが生まれた。勝てるチームになった。

弱いつながりの強さ

ある時期からマーケ施策の一環として共催ウェビナーにも力を入れ始めた。今でこそありふれてるが、割と流行り出す前からやってたと思う。

当時の方針は、直接の競合になり得ない、かつ(我々の事業領域である)SNSと近しい領域のマーケ支援会社さんに絞って打診した。

クライアントのSNSご担当者様の多くは専任ではなく、他のマーケや広報業務と兼任しているため、SNSだけを扱うコンテンツ以外も必要だと考えたからだ。

この試みが、今になって思わぬ副次効果が働いている。

チームに強いつながりが生まれたが、そこには弱点がある。同質化だ。チーム内の議論に、時折限界を感じる場面も出てきた。

そこで、共催でつながった他社のマーケ担当者さんに、勇気を出して我々の事業課題について壁打ちをお願いしてみた。

すると、ネットに出回らない生々しい智慧や、新鮮な視点からの解決案がぽんぽこ出てきたのである。

「なんでそんなことにすら思考が行きつかなかったんだ」と思わずため息が出てしまうくらい、それほど強いつながりは推進力と同時に凝りをももたらしていたのだ。

弱いつながりの強さ。

理論としては知っていたし、無意識にその恩恵を得てきたこともあるだろうが、ここまで手触り感よく強く実感できたのはなかなかない。

現場打破の決め手に欠ける感を抱く方は、「弱いつながりの強さ」とかでググってみることをおすすめします。

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