ヒロシさんのバザーの列に並んだ話
お笑い芸人でキャンパーでもあるヒロシさんが、私物をバザーに出すということで、事務所のある中野坂上まで出かけた。
ヒロシさんといえば、出演番組「ヒロシのぼっちキャンプ」を毎週楽しみに見ている。特に、年季の入った個人商店で買い物するときの、人や動物との交わりが好き。レトログッズのチョイスも同年代感たっぷり。また、キャンプ場で買ったものを広げ、少しカッコつけて、投げやりに放り投げる仕草も心くすぐられる。
木がゆらゆらと燃える様子も、ぱちぱちとした音も気持ちいい。夜が深くなり、顔がオレンジ色にぼんやり照らされて、ぽつりぽつりしゃべる姿を見ていると、心地良すぎて眠くなる。素朴で、美しくて、穏やかで、優しい時間が流れている。
10時30分。地下鉄中野坂上駅に到着し、地上に出ると、すでに大勢の人が並んでいた。100人以上はいただろうか。すごい。ヒロシファンがこんなに。老若男女だ。それもすごい。幅広い年齢層の心をつかんでいることに驚く。そして、なんだかうれしくなる。ヒロシファンの人と喋ってみたくなる。
ここで、ヒロシ・コーポレーションのスタッフ(おそらく)が配る塩分チャージタブレットをいただく。暑い日だったから、こういう心遣いが嬉しい。「ここで並んでも13時以降になるから、いったんはけたほうがいいです」とお姉さんに言われる。すでに13時までの入場くじは配り終わっているらしい。
ふと、考える。どうしても欲しいものはあるだろうか。番組を見るのは大好きだが、なにかグッズは欲しいだろうか。いや、本心は、どんなものがあるのか見てみたいだけだ。ヒロシファンの人が大勢いることも分かったし、タブレットを握りしめて帰った。
楽しかった日も、つらい日も、悲しい日も、うきうきする日も、何もなかった日も、穏やかな気持ちで見られる番組はそんなにない。これからも、ヒロシファンでいたいと思った。
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