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《藍色的蟾蜍》Ch2.球形的鬼(28之28)

  午安,這次將帶來〈球形的鬼〉一章全28首詩,於0626~0725一個月間完成,希望暑假期間能趕進度至全作一半。隨著翻譯與對詩人了解的進展,一切內容都有修訂的可能。

  從本章開始,會出現一些帶有「❌」記號的標題,此為寄稿於白秋時劃記「缺乏自信之作」。雖然最後被全數採用,也還未進入自選版整理階段,不過我想將X置入標題中,以示作者個人當年的考慮。而同樣新加入的「🆕」將用於表示原未自選、後在編輯時新增之作。兩個記號將使用直到大正14.15年、也是自選結末的〈莟から莟へあるいてゆく〉詩群,以降不適用。
  另提醒,各詩說明欄中「*」後內容為全集附錄中的說明之翻譯,非譯者蒐集資料。
  此外,本章也開始出現一些為除卻翻譯腔而使行數、措辭等脫離原作之譯文,雖Word檔尚有顏色標記,遺憾NOTE無法展示。若對翻譯有疑問歡迎提出。

 球形の鬼
私の最も窮迫した時代大正三年頃の作で、やはり吉川惣一郞の名で、「地上巡禮」に載つたものである。

 球形的鬼
在我生活最窘迫的時代.大正三年左右的作品,以吉川惣一郞名義刊於《地上巡禮》。

※尚有4首發表《創作》。
※《地上巡禮》:此為北原白秋作為詩歌結社成立的「巡禮詩社」所出版的詩誌。正如社規「巡禮詩社乃純一無垢的日本詩歌之結社,致力深入探究藝術的精髓,並志於成為著重權威的詩壇的新聲。」所言,其體現在執筆者陣容和內容品質,而使此誌成為大正初期首屈一指的詩誌。  
從《地上巡禮》中,不僅能一窺白秋詩歌的轉換期,更能一探門生河野慎吾村野次郎等人的著作,以及後來收錄於《吠月(月に吠える)》中、萩原朔太郎所作部分詩群;同時,大手拓次(吉川惣一郎)、室生犀星、矢野峰人山村暮鳥等等,不同程度上受白秋影響的詩人之作也可在此尋得。
  不僅如此,與《明星》起家的白秋相異、來自《アララギ》系統的主要歌人.島木赤彦、齋藤茂吉等人,以及諸多在次代詩歌壇上嶄露頭角者也在此集結,形成《地上巡禮》獨有的壯觀景象。

  《地上巡禮》僅僅發行六冊便終刊、最後看來似乎與《ARS》進行了發展性合併,然而其已成為了詩史中不可或缺的角色。該誌的裝幀也因白秋的審美觀而廣為人知;然本誌散佚嚴重,如今想完整收藏非常困難,因而得稱「幻之詩誌」。
(資料來源:地上巡礼 | 商品詳細 | 八木書店 出版物・古書目録 (books-yagi.co.jp)

1.吞雪的馬(雪をのむ馬)

自然をつくる大神(おほかみ)よ、
まちの巷(ちまた)をくらうする大氣のおほどかなる有樣
めづらしい幽闇の景色をゑがいて、
その したしたヽヽヽヽとしたたる碧玉(サフイイル)のつれなさしづみ
ゆたかにも企畫をめぐらすものは、
これ このわたしといふ
靑白い幻の雪をのむ馬。

創造自然的大神啊,
以噬盡市巷的大氣之寧靜
繪作稀奇幽闇景色,
在 點點滴落、、、、碧玉sapphire的無情中沉沒的
那千方百計盤算一切之物,
這 正是「我」——
吞食青白幻影之雪的馬。

大正3年6月22日夜

2.假面上的草(假面の上の草)

そこをどいてゆけ。
あかい肉色の假面のうへに生えた雜草は
びよびよとしてあちらのはうへなびいてゐる。
毒鳥の嘴(くちばし)にほじられ
髮をながくのばした怪異の托僧は こつねんとして姿をあらはした
ぐるぐると身をうねらせる忍辱
黑いながい舌をだして身ぶるひをする。
季節よ、人間よ、
おまへたちは横にたふれろ、
あやしい火はばうばうともえて、わたしの進路にたちふさがる
そこをどいてゆけ、
わたしは神のしろい手(て)をもとめるのだ。

給我讓開。
在鮮紅的肉色假面上生長的雜草
鬆軟地向彼方傾倒。
被毒鳥之喙所洞掘、
髮絲越長越長的怪異托僧倏地現身了。
蜷蜷曲著身子的忍辱
伸出長長的黑舌顫抖著。
季節呀、人類呀,
你們便橫倒在地吧,
怪誕之火熊熊燃燒,矗立我的去路之上。
給我讓開,
我要去尋求神明那白色的手。

大正3年11月7日夜/《地上巡禮》大正3年12月號

3.香爐之秋(香爐の秋)

むらがる鳥よ、
むらがる木(こ)の葉(は)よ、
ふかく、こんとんと冥護(めいご)の谷底(たにそこ)へおちる。
あたまをあげよ、
さやさやかける秋は いましも伸(の)びてきて、
おとろへた人人(ひとびと)のために
音(ね)をうつやうな香爐をたく。
ああ 凋滅(てうめつ)のまへにさきだつこゑは
無窮の美をおびて境界をこえ、
白い木馬にまたがつてこともなくゆきすぎる。

群集的鳥兒呀,
群集的樹葉呀,
深深地 墜入了混沌與冥護的谷底。
抬起頭來吧,
徐徐浮現的秋日正伸展
為衰老的人們
燃燒好似能作響的香爐。
啊啊 先於香火之前凋滅的聲音
懷著無窮的美跨越境界,
連白色木馬都沒碰上便已離去。

大正3年10月7日夜/《地上巡禮》大正3年11月號

4.立木之相(木立の相)

物語のおくに
ちひさな春の悔恨をうめたてて
あをいあをい小蜂(こばち)の羽なりの狼煙(らうえん)をみまもり、
ふりしきる木立(こだち)の怪相ををがむ
ふるひをののく心の肌にすひついて
その銀の牙(きば)をならし、
天地しんごんとしてとけるとき、
幻化の頌(じゆ)を誦(しよう)す。
木立は紫金(しこん)の蛇をうみ
おしせまる海浪まんまんとして胎盤のうへに芽(め)ぐむとき、
惡の寶冠はゆめをけちらして神を抱く。
ことばなく、こゑなく、陸(おか)に、海に、
ながれる存在の腹部は紅爛(こうらん)のよろこびをそだてて屈伸する

在物語的深處
以小小春日的悔恨填地造陸,
守望如小蜂翅膀的青青狼煙,
仰望紛落立木的怪相。
吸附於顫慄的心之上
若習慣那銀色的牙齒,
以天地真言之姿擺脫束縛時,
將吟誦幻化的頌歌。
立木生下紫金的蛇,
海浪洶湧迫近、在胎盤上萌芽時,
惡的寶冠擁抱了驅散夢境的神。
無言、無聲,在陸地、在海洋,
流動的存在的腹部孕育著紅爛的喜悅,屈伸不止。

大正3年11月6日夜/《地上巡禮》大正3年12月號
*草稿題名〈樹立の相〉。但是,詩句中只有一處從「樹立」改為「木立(こだち)」,其他(後面看不懂???)

5.武裝的痙攣(武裝した痙攣)

武裝した痙攣がおこる、
ぐわうぜんたる破壞にむかふ努力がうなりごゑをだす。
わたしはたちあがる、生活の顔面へ。
わたしはみづばれになつた足や膝(ひざ)をだしてあるくのだ。
濕氣の腸(はらわた)をひきだす幻想は姦淫されて、のら犬のやうに死んでゐる。
けれどそんなことは意としない。
くさつた鐵の壁は、わたしのうなりごゑをきいてしかみづら、、、、、をしてゐる。
それは大きな象をうむ陣痛だ。
ぢつと旋行する凝視のクラリオネツトが鳴ると、
だんだんに夜(よる)がしらみががつてゆく。

武裝的痙攣發作了,
迎向轟然破壞的努力低吟著。
我站起身,直面生活的容顏。
我露出水腫的腳和膝蓋行走。
將潮濕內臟抽出的幻想被姦淫,像流浪狗一樣死去。
但我毫不在意。
腐爛的鐵牆 聽見我的低吟,
露出不快的表情。
這就是生產巨象而來的陣痛。
當旋行的單簧管clarinet靜靜響起,
夜晚漸漸地白了。

大正3年11月15日夜/《地上巡禮》大正4年1月號

6.創造的草笛(創造の草笛)

あなたはしづかにわたしのまはりをとりまいてゐる。
わたしが くらい底のない闇につきおとされて、
くるしさにもがくとき、
あなたのひかりがきらきらとかがやく。
わたしの手をひきだしてくれるものは、
あなたの心のながれよりほかにはない。
朝露のやうにすずしい言葉をうむものは、
あなたの身ぶりよりほかにはない。
あなたは、いつもいつもあたらしい創造の草笛である。
水のおもてをかける草笛よ、
また とほくのはうへにげてゆく草笛よ、
しづかにかなしくうたつてくれ。

你靜靜地圍繞著我。
當我 被推入深沉無底的黑暗、
在痛苦中掙扎時,
你的光芒閃耀著。
抓起我的手、將我帶離的
除了你的心流 別無他物。
朝露般清涼的言語的根源
除了你的舉止 別無他物。
你 一直以來都是
如此嶄新 創造的草笛。
懸於水面之上的草笛啊,
又或者 逃向遠方的草笛啊,
請靜靜地、悲傷地為我歌唱吧。

大正3年12月7日夜/《地上巡禮》大正4年1月號

7.球形的鬼(球形の鬼)

あつまるものをよせあつめ
ぐわうぐわうと鳴るひとつの箱のなかに、
やうやく眼をあきかけた此世の鬼は
うすいあま皮(かは)に包まれたままわづかに息(いき)をふいてゐる。
香具もたらしてゆく虛妄の妖艷、
さんさんと鳴る銀と白蠟燈架のうへのいのちは、
ひとしく手をたたいて消えんことをのぞんでゐる。
みよ、みよ、
世界をおしかくす赤(あか)いふくらんだ大足(おほあし)は
夕燒のごとく影をあらはさうする
ああ、力(ちから)と闇(やみ)とに滿ちた球形(きうけい)の鬼(おに)よ、
その鳴りひびく胎期の長くあれ、長くあれ。

拾取群聚之物
收進一枚嘎嗚作響的小箱,
終將漸漸睜眼的此世之鬼
依然裹在薄膜中微弱地呼吸。
伴隨香具而來的虛妄妖艷,
在嘹亮作響的銀與白蠟燭台上的命運
群起叩手 祈求逝去。
看啊、看啊,
隱蔽世界的膨脹紅色巨足
將如夕陽般顯影。
啊啊,飽含力量與黑暗的球形的鬼呀,
願你作響的胎期長長久久。

大正3年10月14日夜/《地上巡禮》大正3年11月號

8.貓頭鷹的笛(ふくろふの笛)

とびちがふ とびちがふ暗闇(くらやみ)のぬけ羽[太松1] (ば)の手(て)、
その手は(をか)をひきよせてみだれる
そしてまた 死の輪飾り
薔薇のつぼみのやうなお前のやはらかい肩へおくるだらう。
おききなさい、
今も今とて ふくろふの笛は足ずりをして
あをいけむりのなかにうなだれるお前のからだを
とほくへ とほくへと追ひのける

交錯飛舞 交錯飛舞的昏暗的拔羽之手
——拉近丘陵又將之搗亂。
死之輪環 將被
贈予如薔薇花蕾般柔軟的你的肩上吧。
請聽,
今日 貓頭鷹的笛音
依然悲傷地踱地
追逐著 青煙中低垂的你的身體而去
越來越遠 越來越遠……。

大正3年8月22日夜

9.梔子色的車(くちなし色の車)❌

つらなつてくる車のあとに また車がある。
あをい背旗(せばた)をたてならべ、
どこへゆくのやら若い人たちがくるではないか、
しやりしやりと鳴るあらつちのうへを
うれひにのべられた小砂利(こじやり)のうへを
笑顏しながら羽ぶるひをする人たちがゆく。
さうして、くちなし色の車のかずが
河豚(ふぐ)のやうな闇のなかにのまれた。

一輛又一輛的車之後 又有車一輛輛地來。
藍色的背旗一面面豎起,
是要去哪裡?年輕人們好像正在前來,
沙沙作響的荒地
傾訴愁緒的碎石
微微笑著展翅的人們
走遍了原野。
梔子色的車的列隊
逐漸被吞沒在如河豚般的黑暗中。

大正3年6月8日夜/《創作》大正3年7月號(第4卷7號)

10.春天的悲哀(春のかなしみ)

かなしみよ、
なんともいへない 深いふかい春のかなしみよ、
やせほそつた幹(みき)に春はたうとうふうはりした生きもののかなしみをつけた。
のたりのたりした海原のはてしないとほくの方へゆくやうに
ああ このとめどもない悔恨のかなしみよ、
温室のなかに長いもすそをひく草のやうに
かなしみはよわよわしい賴(たよ)り氣をなびかしてゐる。
空想の階段にうかぶ鳩の足どりに
かなしみはだんだんに虛無の宮殿にちかよつてゆく。

悲哀啊,
無以言喻 深深的 春天的悲哀啊,
越發消瘦的樹幹 春天終於附上了
輕軟生靈的悲哀。
如向海原無盡遙遠的彼方緩緩前行
啊——這無止境悔恨的悲哀呀,
又如溫室中拖曳長長衣襬的草
悲哀 服從柔弱的依賴之情。
幻想的階梯浮現鴿子的軌跡,
悲哀 漸漸靠近虛無的宮殿。

大正3年3月8日夜/《創作》大正3年5月號(第4卷5號「誌友大會紀念號」)

11.活著的過去(生きたる過去)🆕

とりかへしのつかない、あの生きたる過去は
ひたひの傷をおさへながらあるきまはる。
だらだらとよみがへつた生血(なまち)はひたひからおちて、
牡熊(をぐま)のやうにくるしさをしのんでゐる。
過去は永遠のとびらをふさがうとする。
過去はたましひのほとりに黄金(こがね)のくさりを鳴らす。
わたしのもえあがる恋の十字架のうへに
うつくしい棺衣(かけぎぬ)と灰の白刃(しらは)とを與へる。
かなしい過去のあゆみは
わたしのからだを泥海のやうにふみあらす。

無法回溯、那活著的過去
按著額頭的傷口四處徘徊。
復甦的鮮血從額上滴落,
如公熊一般忍受著痛苦。
過去正試著封閉永恆之門。
過去在靈魂身邊敲響黃金的鎖鏈。
於我熊熊燃燒的愛戀的十字架上
下賜美麗的棺衣與灰色的白刃。
悲傷的過去的步伐
將我的身體 如泥海般踐踏。

大正3年9月18日夜/《地上巡禮》大正3年10月號
(譯註:本詩未在自選版中收錄)
(譯註:藪野氏記錄,現代思潮社的現代詩人文庫版〈大手拓次詩集〉(1975),在此詩句【わたしのもえあがる戀の十字架のうへに/うつくしい棺衣と灰の白刃とを與へる。】是有換行的,但電子化時先生並沒採用。
根據全集紀錄,藍蟾蜍定本時採用的是UF.非自筆清書稿,而全集使用A.自筆草稿,差異或許源自與此;然本人未持有原詩集,故不得驗證。)

12.向著閃耀的城壘中(輝く城のなかへ)❌

みなとを出る船は黄色い帆をあげて去つた。
嘴(くちばし)は木の葉の群をささやいて
海の鳥はけむりを焚(た)いてゐる。
磯邊の草は亡靈の影をそだてて、
わきかへるうしほのなかへわたしは身をなげる。
わたしの身にからまる魚のうろこをぬいで、
泥土に輝く城のなかへ。

出港的船升起黃色的帆離去。
喙中低語著簇簇木葉、
海鳥燃燒著煙霧。
海濱上的草養育著亡靈之影,
向著激蕩的滿潮中,
我投身而入。
剝去纏繞於我身的魚鱗,
向著泥濘裡閃耀的城壘中。

大正3年6月2日夜/《創作》大正3年7月號(第4卷7號)
*草稿初題名〈殻をやぶる蛇(褪皮的蛇)〉。將其刪去後改〈輝く城へ(向著閃耀的城壘)〉,最後在「城」「へ」之間用紅筆加入了「のなか(中)」。欄外註有以下筆記……(譯註:以下為書單內容,省略)

13.咆哮的月暈(咆える月暈つきかさ)❌

わたしは街(まち)にほえる、
ひとびとのくらいおくそこに。
ひややかな木(き)のこずゑをはなれ、
さまざまの呪ひの銃聲のながれる街のなかに、
瀲灔(れんえん)とたたへられた水(みづ)のやうに
わたしは手づくりの網(あみ)をまいて、
はるかなる死の慰安をほえてゐる。

我向著城市咆哮
——從眾人昏暗的內心深處。
離開冰冷的樹梢,
在各樣詛咒的槍聲流竄的城市之中,
如被鼓出的瀲灔的水
我撒下親手編織的網,
咆哮著遙遠死的慰安。

大正3年9月3日夜
*草稿初題名〈月かさの咆哮(月暈的咆哮)〉,以紅筆刪去後改作現題。

14.銀的足鐐(銀の足鐶)❌

――死屋手記讀後感――
( ――死人の家をよみて――)

囚徒らの足にはまばゆい銀のくさりがついてゐる。
そのくさりの鐶(くわん)は しづかにけむる如く
呼吸をよび 嘆息をうながし、
力をはらむ鳥の翅(つばさ)のやうにささやきを起して、
これら 憂愁にとざされた囚徒らのうへに光をなげる。
くらく いんうつに見える囚徒らの日常のくさむらをうごかすものは、
その、感觸のなつかしく 強靱なる銀の足鐶(あしわ)である。
死滅のほそい途(みち)に心を向ける これらバラツクのなかの人人は
おそろしい空想家である。
彼等は精彩ある巣をつくり、雛(ひな)をつくり、
海をわたつてとびゆく候鳥である。

囚徒們的腳上有炫目的銀的足鐐。
那鐐鐶靜靜地 如煙霧
呼喚著呼吸 催促著嘆息,
像蘊含力量的鳥翼輕聲低語著,
將光芒投射在禁錮於憂愁的囚徒之上。
動搖了貌似昏暗、陰鬱 囚徒的日常的草叢之物
正是,那令人懷念 如此強韌的銀的足鐶。
步於細長的死滅之路上 己心依舊
囚於營房之中的人群,
正是可怕的空想家。
他們築起精彩的巢、孵育雛鳥,
成為了飛渡大海的候鳥。

大正3年6月17日夜

15.擴張的肉體(ひろがる肉体)❌

わたしのこゑはほら貝(がひ)のやうにとほくひろがる。
わたしはじぶんの腹(はら)をおさへてどしどしとあるくと、
日光(につくわう)は緋(ひ)のきれのやうにとびちり、
空氣(くうき)はあをい胎壁(たいへき)の息(いき)のやうに泡(あわ)をわきたたせる。
山(やま)や河(かは)や丘(をか)や野(の)や、すべてひとつのけものとなつてわたしにつきしたがふ。
わたしの足(あし)は土(つち)となつてひろがり
わたしのからだは香(にほひ)となつてひろがる。
いろいろの法規(はふき)は屑肉(くづにく)のやうにわたしのゑさとなる。
かくして、わたしはだんまりのほら貝(がひ)のうちにかくれる。
つんぼの月(つき)、めくらの月(つき)、
わたしはまだ滅(めつ)しつくさなかつた。

我的聲音如吹響法螺 遠遠地擴張。
當我按住自己的腹部匆匆前行,
紅碎布般的日光飛散,
空氣好似藍色胎壁的呼吸
沸騰了泡沫。
山與川與丘與野,合而為一的野獸服從於我。
我的腳化成土壤而擴
我的身體形作香氣而張。
各樣法規成為屑肉、成為我的餌料。
於是,我藏身沉默的法螺殼中。
聾耳的月,盲目的月,
我仍未滅失。

大正3年12月17日夜/〈地上巡禮〉大正4年1月號
草稿初題名〈ひろがる私(擴張的我)〉。刪去「私」後改「肉體」。原文第五行草稿階段為「山や川や丘や……」,清書稿時變為「山や河や丘や……」。此外,同第七行,在詩誌刊登時用「匂ひ」,但草稿上為「香(にほ)ひ」,清書稿又為「にほひ」。

16.躁忙(躁忙)❌

ひややかな火のほとりをとぶ蟲のやうに
くるくるといらだち、をののき、おびえつつ、さわがしい私(わたし)よ
野をかける仔牛(こうし)のおどろき、
あかくもえあがる雲の眞下(ました)に慟哭をつつんでかける毛なみのうつくしい仔牛(こうし)のむれ。
鉤(はり)を産(う)む風は輝く寶石のごとく私(わたし)をおさへてうごかさない。
底のない、幽谷の闇の曙(あけぼの)にめざめて偉大なる茫漠の胞衣(えな)をむかへる。
つよい海風のやうに烈しい身づくろひした接吻をのぞんでも、
すべて手だてなきものは欺騙者の香餌である。
わたしの躁忙は海の底に
さわがしい太鼓をならしてゐる。

如飛向冷火的蟲,
渾轉著焦躁、顫慄、畏怯、且騷動的自我啊
原野中奔跑的小牛的驚愕,
在紅紅燃燒的雲的正下方裹住悲鳴奔跑著
毛色美麗的小牛群集。
分娩鉤子的風如閃亮的寶石押抑著我而動彈不得。
自無底幽谷的黑暗的曙光中甦醒
迎接偉大茫漠的胞衣。
即使渴望如強大海風般過度裝束的接吻,
一切無能為力之物仍成為欺騙者的香餌。
我的躁忙在海底
敲響騷動的太鼓。

大正3年6月21日夜

17.奔跑的宮殿(走る宮殿)❌

紺色にまたみどり色にあかつき[太松1] の空を手でかなでる、
このみごもりの世界に滿ちた悉くの蛇よ、
おまへたちの その女のへそのやうなやはらかな金(きん)のうろこをうごかして、
さびしいこのふるい靈像のまはりをとりまけ
うろこからでる靑銅の焰(ほのほ)はをどる、
なみだをたれてゆく化生(けしやう)の罪は
霧のやうに消えさる
あかつきは生長して(べに)の彩光をなげあたへ
ひとつひとつの住居(すまゐ)はとびらをひらいて念じ、
さて、わたしたち精靈(せいれい)の宮は
あけぼののやさしいChorusChorusのなかへとはしる

將紺色又或是綠色地未明的天空演奏、
充斥了潛隱的世界的盡數之蛇啊,
你們那似女子肚臍柔軟的金鱗片騷動
蜷繞著 這孤獨、古老的靈像,
自鱗中現形的青銅火焰舞動,
點點淚垂的化生的罪惡
如霧般消逝。
薄明漸長、投放赤紅的彩光,
住居一間間地敞門念誦,
於是,精靈的我等的宮殿
奔向曙光溫柔的合唱Chorus中。

大正3年10月23日傍晚
(譯註:コロス - Wikipedia
コロスは観客に対して、鑑賞の助けとなる劇の背景や要約を伝え、劇のテーマについて注釈し、観客がどう劇に反応するのが理想的かを教える。また、劇中の一般大衆の代弁をすることもある。多くの古代ギリシア劇の中で、コロスは登場人物が劇中語れなかったこと(恐怖、秘密など)を代弁する

18.耳後的原野(耳のうしろの野)❌

わたしの耳のうしろにある黄色い野は
僞笑をふくんであでやかに化粧する。
その野のなかにはみどり色の眼をもつた自働車がうごき
いうれいのやうにひるがへる女たちはゆききする。
ただ そこに荒武者のやうに
ひとりの男は銀の穗先(ほさき)の槍をもつてたはむれる。
ふたつの手をもつ世(よ)のひとびとよ、
耳のおくにある幻の伶楽(れいがく)をきけ、
美裝をこらした惡魔どもは
あまい毒刃(どくじん)のゆめよりさめて、
騷然たる神前の吹笛にふける。
かくして、
耳のうしろにある黄色い野は死の頭上にしづかにもえてゐる。

存在我耳後的黃色原野
抿著虛假的笑 畫上艷麗的妝。
那原野之上,裝著綠色眼瞳的自動車移動著
如幽靈般翻飛的女子們來來往往。
只是在那裡 有如狂暴武者、
一名男子舉著銀矛頭的長槍嬉戲。
擁有雙手的世人啊,
聽聽那存於耳中虛幻的伶樂吧,
精心美裝的惡魔們
自甜美毒刃的夢境甦醒,
耽溺於神前騷然的笛音。
耳後的黃色原野
於是 靜靜地在死亡的頭上燃燒。

大正3年10月27日夜

19.吹笛的墓鬼(笛をふく墓鬼)

もぢやもぢやとたれた髮(かみ)の毛(け)、
あをいあばたの鼻(はな)、
ほそい眼(め)が奥(おく)からのぞいてゐる。
つちのうへをぺたぺたとあるいて、
すすいろのやせた手(て)をだしては笛(ふえ)をふく。
ものをすひこむやうなねいろである。
ふるへるやうなまやかしである。

蓬蓬的毛髮散落、
藍藍痘疤的鼻、
細細的眼睛從深處窺視。
在土地上噠噠地走,
伸出瘦削煤色的手吹起笛子。
簡直是在吸入什麼似的音色,
是些許顫抖的奇術。

大正3年12月26日夜
*草稿中第三句「ほそい眼(め)が奥(おく)からのぞいてゐる。(細細的眼從深處窺視)」的後面,接有「このむさぼりの墓鬼が、(這貪欲的墓鬼,)」,然清書稿未見。此外,欄外記有「地上二月號」,本詩卻未曾於其詩誌刊登。

20.青狐(あをい狐)

さかしい眼をするあをい狐よ、
夏葦(なつあし)のしげるなかに
おまへの足をやすめて、
うららかに光明の心(しん)をきる。
草間(くさま)の風を、
その豊麗な背にうけよ、背にうけよ。

狡黠眼神的青狐啊,
在夏葦的茂盛中
歇息你的腳步,
將清然光明的心切離。
讓草間的風
承載、承載於那豐麗的背上。

大正3年7月1日夜

21.老人(老人)

わたしのそばへきて腰をかけた、
ほそい杖(つゑ)にたよつてそうつと腰をかけた。
老人はわたしの眼をみてゐた。
たつたひとつの光がわたしの背にふるへてゐた。
奇蹟のおそはれのやうに
わらひはじめると、
その口(くち)がばかにおほきい。
おだやかな日和(ひより)はながれ、
わたしの身がけむりになつてしまふかとおもふと、
老人は白いひげをはやした蟹のやうにみえた。

他來到我旁邊坐下,
依靠細杖 靜悄悄地坐下。
老人注視我的眼。
那唯一的光在我背上顫抖。
如奇蹟的襲來
他開始微笑,
那張嘴大得離譜。
安穩的日和流淌著,
一思考起自己的身體會否在不意中變成煙霧,
老人看起來就像長著白鬍子的蟹。

大正3年11月3日夜

22.紫色的盾(紫の盾)

あをい環(わ)をつみかさねる銅鑼(どら)の遠音(とほね)はうかび、
金衣の僧侶(そうりよ)はいでて祈禱をさづけ、
階段のうへに秋はさめざめとうろついてゐるなかを、
紫(むらさき)の縞目(しまめ)をうつした半月(はんげつ)の盾(たて)をだいて
憔悴した惡徒は入りきたる。
哀音は友をよんで部屋部屋(へやべや)にうつりゆき、
自戒の念にとりまかれた朝はやぶれる。
地をかきたてるかなしい銅鑼(どら)がなれば、
角(つの)ある鳥をゑがいた紫の盾はやすやすともたげられて、
死(し)のまへにみじろぐ惡徒の身をかくす。
紫の盾よ さちあれ、
生をよびかへす白痴の胸にも花よかをれ。

あをい環(わ)をつみかさねる銅鑼(どら)の遠音(とほね)はうかび、
金衣の僧侶(そうりよ)はいでて祈禱をさづけ、
階段のうへに秋はさめざめとうろついてゐるなかを、
紫(むらさき)の縞目(しまめ)をうつした半月(はんげつ)の盾(たて)をだいて
憔悴した惡徒は入りきたる。
哀音は友をよんで部屋部屋(へやべや)にうつりゆき、
自戒の念にとりまかれた朝はやぶれる。
地をかきたてるかなしい銅鑼(どら)がなれば、
角(つの)ある鳥をゑがいた紫の盾はやすやすともたげられて、
死(し)のまへにみじろぐ惡徒の身をかくす。
紫の盾よ さちあれ、
生をよびかへす白痴の胸にも花よかをれ。

大正3年10月28日夜
*草稿初題名〈むらさきの盾〉。於橫欄外用紅筆記載現題名文字。

23.長了白鬍子的蟹(白い髯をはやした蟹)

おまへはね、しろいひげをはやした蟹だよ、
なりが大きくつて、のさのさとよこばひをする。
幻影をしまつておくうねりまがつた迷宮のきざはしのまへに、
何年(なんねん)といふことなくねころんでゐる。
さまざまな行列や旗じるしがお前のまへをとほつていつたけれど、
そんなものには眼もくれないで、
おまへは自分ひとりの夢をむさぼりくつてゐる。
ふかい哄笑がおまへの全身をひたして、
それがだんだんしづんでゆき、
地軸のひとつの端(はし)にふれたとき、
むらさきの光をはなつ太陽が世界いちめんにひろがつた。
けれどもおまへはおなじやうにふくろふの羽ばたく晝(ひる)にかくれて、
なまけくさつた手で風琴をひいてゐる。

你呀,是一隻長了白鬍子的蟹呦
有著大大的體態、緩緩地橫行。
在收藏了幻影、歪扭的迷宮階梯前,
無數年無所事事地橫躺著。
各樣隊列和旗標從你面前經過,
你卻看都不看一眼,
只顧貪婪地吞食獨自一人的夢。
深沉的哄笑浸透你的全身,
又在其中漸漸沉沒,
當觸及地軸的一端,
閃耀紫色光芒的太陽蔓延
乃至世界的角落。
你卻依舊 藏身貓頭鷹振翅的白晝,
用那懶散、腐朽的手彈奏著風琴。

大正3年10月31日夜
*草稿初題名〈白い髯(ひげ)の蟹(白鬍子的蟹)〉,用紅鉛筆刪去「の」後插入「をはやした」。

24.綠色的狂人(みどりの狂人)

そらをおしながせ、
みどりの狂人よ。
とどろきわたる媢嫉(ばうしつ)のいけすのなかにはねまはる羽(はね)のある魚は、
さかさまにつつたちあがつて、
齒をむきだしていがむ。
いけすはばさばさとゆれる、
魚は眼をたたいてとびださうとする。
風と雨との自由をもつ、ながいからだのみどりの狂人よ、
おまへのからだが、むやみとほそくながくのびるのは、
どうしたせゐなのだ。
いや………‥魚がはねるのがきこえる。
おまへは、ありたけのちからをだして空をおしながしてしまへ。

沖走天空吧,
綠色的狂人啊。
在轟鳴流傳的媢嫉的水籠中跳動的有翼的魚,
倒立卻堅持著站起身,
亮出自己的齒牙。
水籠撞擊不已,
魚衝撞著洞眼、試圖往外逃。
擁有風雨相伴的自由、纖長的綠色狂人啊,
你那無故又瘦又長的伸展
仍不知其所以然吧。
不對…………魚正在跳躍 我聽得見。
你,就用盡所有的力量把天空沖走吧。

大正3年12月23日夜/《地上巡禮》大正4年2.3月合併號

25.糾纏的帆(よれからむ帆)

ひとつは黄色い帆、
ひとつは赤い帆、
もうひとつはあをい帆だ。
その三つの帆はならんで、よれあひながら沖(おき)あひさしてすすむ。
それはとほく海のうへをゆくやうであるが、
じつはだんだん空のなかへまきあがつてゆくのだ。
うみ鳥(どり)のけたたましいさけびがそのあひだをとぶ。
これらの帆(ほ)ぬのは、
人間の皮をはいでこしらへたものだから、
どうしても、内側(うちがは)へまきこんできて、
おひての風を布(ぬの)いつぱいにはらまないのだ。
よれからむ生皮(いきがは)の帆布(ほぬの)は翕然(きふぜん)としてひとつの怪像となる。

一面是黃色的帆,
一面是紅色的帆,
還有一面是藍色的帆。
這三面帆並排著、漸漸貼近的同時,朝著海岸前行。
他們看似航行於遙遠的海面上,
實際上卻在逐漸被捲入天空中。
海鳥驚慌的尖叫在其間飛梭。
這些帆布,
是無意間用人皮拼接縫成的,
因此無論如何,總會向內捲曲、
追來的風始終無法將帆鼓起。
相聚而糾纏的生皮帆布化成了翕然一體的怪象。

大正3年12月31日夜/《地上巡禮》大正4年2.3月合併號
*草稿初題名〈三つの帆(三面的帆)〉,消去後改為現名。

26.綠色的蛇(みどり色の蛇)

假面のいただきをこえて
そのうねうねしたからだをのばしてはふ
みどり色のふとい蛇よ、
その腹には春の情感のうろこが
らんらんと金(きん)にもえてゐる。
みどり色の蛇よ、
ねんばりしたその執著を路(みち)ばたにうゑながら、
ひとあし ひとあし
春の肌にはひつてゆく。
うれひに滿ちた春の肌は
あらゆる芬香にゆたゆた(、、、、)と波をうつてゐる。
みどり色の蛇よ、
白い柩(ひつぎ)のゆめをすてて、
かなしみにあふれた春のまぶたへ
つよい戀をおくれ、
そのみどりのからだがやぶれるまで。
みどり色の蛇よ、
いんいんとなる戀のうづまく鐘は
かぎりなく美の生立(おひたち)をときしめす。
その齒で咬め、
その舌で刺せ、
その光ある尾で打て、
その腹で紅金(こうきん)の焰を焚(た)け、
春のまるまるした肌へ
永遠を産む毒液をそそぎこめ。
みどり色の蛇よ、
そしてお前も
春とともに死の前にひざまづけ。


越過假面的頂端
伸展著蜿蜒的身軀爬行,
綠色的粗蛇啊,
你的腹上那春的情感的鱗
正閃爍燦爛的金光。
綠色的蛇啊,
在路傍種下那粘稠的執著,
同時 一步、一步地
爬進春的肌膚。
憂愁充斥的春的肌膚
在所有芬香中緩緩映照於波浪之上。
綠色的蛇啊,
請捨棄白色棺柩的夢,
將你強烈的愛戀送向
哀傷滿溢的春的眼瞼吧,
直到你綠色的身軀撕裂為止。
綠色的蛇啊,
隱隱作響的戀愛的漩渦之鐘
細細敘說無盡的美的年譜。
用你的牙齒咬住、
用你的舌頭刺入、
用你閃光的尾巴鞭打、
用你的腹部焚燒紅金的焰火,
將泌出了永遠的毒液
注入春天圓圓的肌膚。
綠色的蛇啊,
你也接隨著
與春天一同在死亡面前跪倒。

大正3年3月7日夜/《創作》大正3年5月號(第4卷5號「誌友大會紀念號」)

27.死的行列(死の行列)

こころよく すきとほる死の透明なよそほひをしたものものが
さらりさらり なんのさはるおともなく、
地をひきずるおともなく、
けむりのうへを匍(は)ふ靑いぬれ色のたましひのやうに
しめつた脣(くちびる)をのがれのがれゆく。

輕快地 穿上澄澈的死亡那透明長衣的萬物,
沙沙—沙沙 毫無摩阻之音、
也無衣襬擦地之聲,
如匍匐在煙霧之上 青藍濡濕的靈魂般
遠遠逃離潮濕的脣。

大正3年4月30日夜/《地上巡禮》大正4年2.3月合併號
*草稿初題名〈死の行列(死的行列)〉,用紅筆消去後改〈ほ(ママ)きだされる死(被吐息的死)〉,又再消去,最後變回現名。

28.致無名的女子(名も知らない女へ)

名も知らない女よ、
おまへの眼にはやさしい媚がとがつてゐる、
そして その瞳(ひとみ)は小魚のやうにはねてゐる、
おまへのやはらかな頰は
ふつくりとして色とにほひの住處(すみか)、
おまへのからだはすんなりとして
手はいきもののやうにうごめく。
名もしらない女よ、
おまへのわけた髮の毛は
うすぐらく、なやましく、
ゆふべの鐘のねのやうにわたしの心にまつはる。
「ねえおつかさん、
あたし足(あし)がかつたるくつてしやうがないわ」
わたしはまだそのこゑをおぼえてゐる。
うつくしい うつくしい名もしらない女よ。

無名的女子啊,
妳的眼眸中 溫柔的媚色昭然,
那瞳孔 又如小魚般跳躍,
妳柔軟的臉頰
是豐滿色彩與芳香的歸宿;
妳的身形纖細、
手指如生物般蠕動。
無名的女子啊,
妳梳理過的髮絲
又淡黯、又煩憂,
如日落的鐘聲般 纏繞我心。
「吶—媽媽,
人家已經好累了、走不動啦」
我仍記得那聲音。
美麗、如此美麗的無名的女子啊。

大正3年12月7日夜/《地上巡禮》大正4年1月號
(譯註:本詩與〈創造的草笛〉同晚作成,在自選版中分別為56/58首,後有較早書寫的前詩〈死的行列〉作為第59首,但,當前定本排序為38/60。自選版57首為〈綠色的蛇〉,作於同年3月7日。

  「球形的鬼」詩群到此結束。因為〈活著的過去〉是新版中才選錄的,至此自選與新選數量已不一致(59/60)。

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