“あなたは、ひとりじゃない”

2月21日に放送されたラジオ、NEWSのオールナイトニッポン内で「これから聞いていただくのはNEWSの応援ソングなんですが、打ち合わせしてないけど3人同じ曲を選んでました」小山さんがそう言ったとき、U R not aloneだろうなと思い少し身構えた。やはり流れてきたのは聞き慣れたU R not aloneのイントロで、その瞬間イヤホンを外すべきかどうか悩んだ。この曲を音源で最後に聴いたのはいつだろう。やはりまだ時期早々な気がして、聞けばきっと何かが溢れてしまう気がしてあまり聞きたくなかった。だけど、3人はU R not aloneを過去のものにはしていない。数多あるNEWSの応援歌の中から3人が同じ曲を選ぶという事実からも窺えるように、どうやったってU R not aloneは私たちを繋いできたし、困ったときはこの曲に何度も助けられてきた。そんな不思議な力を持った曲だと思う。聞いているとやはりぽつり、ぽつりといろんな思い出や景色が蘇り、ポロポロと沢山のものが私から溢れた。今回は、今のNEWSとNEWS担とは切っても切れない縁で結びついているU R not aloneの話をしてみたいと思う。

U R not aloneとは

2017年リリースのアルバム、NEVERLANDに収録されている楽曲。作詞作曲はGReeeeN。NEVERLANDという夢の世界から一歩出た現実世界へ踏み出すときの曲。

NEVERLANDのU R not alone

全ての始まり。この年のツアー中もまあまあ色々あって、オーラスに向かって行くにつれてNEWSもNEWS担もすごく熱く、湿っぽくなっていたと思う。というか少なくとも私はそうだった。初めてのツアーで、初めての東京ドーム。どう考えても最高のツアーが終わるのはとても寂しかった。中でも東京公演2DAYSは別格だと思う。初日、憧れの東京ドームで55000人のオーオオーを浴びた増田さんは感極まって歌えなくなっていたが、2日目はしっかりと前を見据えていた。オーラス公演は映像化されているのでここに辿り着いた人の大半は見たことのある映像だと思うが、本編終了後に収録されている、55000人の大合唱を浴びながら4人で花道を歩く姿は、まあどう考えても感動的だし宗教じみてるし暑苦しい。それがなんとも儚くて尊くて痛みを伴う刹那的な美しさだ。あれほどのパワーを持つ東京ドームにはもう出会えないと思う。バクステ側からメインステージ側へ、じんわりと横へ横へ広がっていった客席の歌声は、ガイドがなかったとは思えないほどしっかりとまとまってNEWSに届いたと思う。何かしたいけど何もしてあげられない、拍手をして、「NEWS!」と叫ぶほかなかった私たちは、あの時“U R not alone歌う”という手段を覚えてしまった。いにしえよりNEWS担は割と歌う民族だったと認識しているが、2020年まで続く、いや、きっとこれから先も受け継がれて行くであろう“とにかくU R not aloneを歌うNEWS担”が生まれた瞬間だったのかもしれない。

EPCOTIAのU R not alone

 NEWSとしての歴史に深く名を残したNEVERLANDのU R not aloneは、翌年、前年の湿気を振り切り、力強さを増した応援歌となってそのツアーに組み込まれた。U R not aloneは眠らせない。当時からそんな空気が流れていたのかもしれない。メンバーもファンも思い入れのある曲を、パワーが残ったまま封印してしまうのは後に触れにくくもなる気がするのでここでも披露したのは大正解だったと思う。EPCOTIAのU R not aloneで思い出されるのはとにかくシゲだ。四方に散り散りになって歌う演出だったのだが、シゲの近くでU R not aloneを聞いた記憶がとても色濃く残っている。NEVERLANDツアー中、シゲはU R not alone間奏中に「みんなは1人じゃないから、NEWSがいるから!」と何度も何度も伝えてくれた。今現在、私がこの数年を“NEWSと共に生きてきた”と捉えている感覚はおそらくこの言葉から来ているのではないだろうかと考える。NEWSも1人じゃないから、私たちがいるから!と強く強く想う気持ちと、惜しみなく魂を削り、次の曲のことなど省みることなく力強く歌うシゲの気持ちが空中でバチバチと力比べをしているような錯覚もあった。ぶつかった気持ちは束になって、また新たなパワーとなり、私たちの結束を強めてくれたと思う。

EPCOTIA ENCOREのU R not alone

2018年はいちばんU R not aloneを歌った年だったと思う。ツアー中にエモ過ぎないエネルギッシュなU R not aloneを歌う事を覚え、真夏の味スタでもオーオオーできるスキルを身につけ、迎えた2018年12月31日の京セラドーム。4人として初めての京セラ単独カウントダウンコンサート。もう散々歌い慣れた曲だ。なんなら前年からずっと歌っている。しかし増田さんにとってそんなことはあまり関係ないようだった。きてくれたお客さんはその1公演が全てかもしれないからその公演で力を出し切りたいと増田さんは言うが、恐らく気持ちもファンより相当新鮮に保っているんだと思う。やはり増田さんは初日に涙を流した。我々のオーオオーを全身で受け止めるように手を広げ、一人一人の顔を確認するように客席を見渡して気持ちが溢れ出す増田さん。涙が全てというわけでは無いのだが、オタクとして、自担が心振るわせる瞬間を自分が担っている。これほど満たされる瞬間ってあるだろうか。一度でもNEWSとオーオオーしたことがあるなら分かると思うがあの瞬間のパワーはハンパじゃない。そして、全体的にヤバいスイッチが入ってる公演というのは間違いなく存在する。ENCORE初日のこの公演と、個人的にとても心に響いたENCOREオーラスが良い例だ。みんなが一つになれている。これを体感することによって得られる幸福度は客席にいても伝わるので、みんなのパワーを受け止めている NEWSの幸福度も相当なものなんだろうと考える。

Johnnys World Happy LIVE with YOUのU R not alone

3人で歌った初めてのU R not alone。きっとみんながWi-Fiを逆流させてその声をNEWSに届けたと思うが、この時ほど直接声を届けられないもどかしさを感じたことはない。今こそ自分たちがこの声を上げる時なのに。頼まれてこそいないけど、歌う時なのに。NEWSは1人じゃないよ、私たちがついてるよって伝えたいのに。とてもとてももどかしい夜だった。現状披露されたU R not aloneはこれが最新版になっている。絶対に外せないパートがあっても、それを歌わない選択をしても、あの日 NEWSはU R not aloneを選曲した。きっとこれから先も決してこの曲を眠らせる気は無いのだろう。歌い続けることが3人の覚悟の表れなのかもしれない。

増田貴久とU R not alone

リリース当初からU R not aloneが好きだと幾度となく伝えてくれていた増田さん。わたしは、U R not aloneを好きな増田さんが好きで、増田さんが歌うU R not aloneが好きで、U R not aloneをあんな風に歌える増田さんが好き。最初のオーオオー直前に、「U R not alone〜!」と叫ぶ時があるでしょう。気持ちを歌に乗せて届けてくれるのが得意で素敵な歌を歌うあなたが、歌前にあんなに大きな声でダイレクトに叫ぶのがどれ程の想いなんだろうと推し量るけど、きっと私の想像では追いつかないほどの気持ちが詰まっているんだと思っている。NEWS大集会で、U R not aloneを歌うと毎回泣いちゃう、って言ってたけど、まあ次私たちと歌ったらもうみんなぐちゃぐちゃになるよねきっと。絶対。ぐちゃぐちゃでもびちゃびちゃでもいいから、今は一回、とりあえず、一緒に歌おう。今は、U R not aloneを一回みんなで歌えばまた一歩進める気がしてならない。

あとがき

この4年間、何かといえばU R not aloneだった。みんなの心を一つにするために歌い、辛ければ歌い、心を鼓舞したい時も歌った。私たちの心の拠り所は間違いなくこの歌だった。だけど私は、この歌を絶対にNEWS4人と4人時代のオタクのものだけにはしたくない。あまりにも4人と私たちが積み重ねてきたものは大きすぎると思う。最初からパワーの強い曲ではあった。しかし、年々軽視できないエピソードが積み重ねられていく。自担の涙とエピソード、で思い出すのはShareだ。私は2016年からのオタクなので、NEWSを好きになった時、既に美恋は伝説扱いになっていた。6人時代に6人で作ったShareを4人で初めて歌った日、増田さんは涙を流した。新規の自分には、この事実があまりにも重かった。何年かかってもこの事実は体感することもなく想像するほかなく、ただあの場にいたものとNEWSの4人が共有していく思い出なのだと思った。なかなか触れられない曲の一つではあった。あの時までは。私の中でStrawberryのShareは大きな転機となった。あの日までShareを寝かせていた真意はわからないが、あの日、私もShareを好きでいていいだろうと自分を赦した。6人時代からのオタクが大事にしているのもよく分かったのだが、この曲は今も生きてる、いま、私はShareに触れた。そんな一瞬だった。

NEWSが最後に私たちの目の前でU R not aloneを披露してから実に1年と9ヶ月が経過した。(正確には一度不完全な状態のものがあったが、あれは私達の声が1ミリも入っていないのでノーカウントとする。)その間にどれだけの人が離れたんだろう。同時に、どれだけの人がNEWSを見つけてくれたんだろう。何を見て?どうやって?いつから好きになってくれたんだろう。WORLDISTAオーラス後にNEWSを好きになって、語り継がれるNEVERLANDオーラスのU R not aloneや、ENCORE 初日のU R not alone、今もなおネットの海を漂う私たちの歌声を聞いてどう思うんだろう。ちょっとU R not aloneの話をするのは気がひけるなあと、私なら思うな、絶対。でもね、NEWSは今もU R not aloneを一切眠らせてない。それに、私の解釈するNEWSは誰の事も置いていかない。だから迷わずここに飛び込んできて大丈夫。きっと次はみんなぐちゃぐちゃになって歌うと思うけど、なんせ湿っぽい連中なので多めに見て欲しい。そして、U R not aloneが好きだって是非声に出して欲しいし、その時が来たら大きな声でオーオオーして欲しい。だって、あなたも1人じゃないから。