エビクラシーという名のデモクラシー

5月31日、私立恵比寿中学のニューアルバム"エビクラシー"がリリースされた。

エビ中との出会い、再会、そして...

8人体制になった頃からエビ中を聴き始め、金八〜穴空と経て自分の中でエビ中への熱は少し落ち着いていたんだけど、そんな中自分のアンテナがまたエビ中に向かったきっかけとなったのが、

これ。穴空から半年弱の時を経てリリースされたこの曲に心底驚いた。何よりも"かほりこ"の歌に。後発組の二人は既存メンバーに比べるとやっぱり歌が少し拙い印象が拭えなかったんだけど、この曲でそれがきれいさっぱり消え去った。エビ中といえばメロディや歌詞や踊りからどこか突飛な雰囲気があって、正統派、王道とは少し違った道を歩いていたと認識していたけれど、そんな中発表されたこの曲は誤魔化しようのない王道な曲でそれでいてとても素晴らしくてエビ中がネクストレベルへ到達した事を目で耳で実感させてくれた。そしてリリースされた2枚のベストアルバムでこれまでのキャリアを総括しエビ中が新たな章に入っていくんだなと感じさせてくれた直後に訪れた突然の訃報。

突然で突然過ぎた。ニュースを初めて目にした瞬間、場所ありありと覚えている。りったんがQuick Japanで語った「これって絶対に経験しなくていいことですよね」という言葉が全てを表していると思う。

エビクラシー

そうしてしばしの休止期間を経て発表された今回のアルバムのリードシングルたち

どちらも素晴らしくて最高のアルバムになる事を予感させたし、実際とても素晴らしいアルバムだった。リード曲のなないろがラヴソングだって事は理解できるけど、歌詞中の"キミ"にりななんを重ねている人は多いんじゃないだろうか。そんな中、自分がそれらのリード曲を抑えて最も素晴らしいと思ったのが、"M8 君のままで"という曲。

私立恵比寿中学 - 君のままで - https://itun.es/i6dX8Pq #iTunes

http://www.utamap.com/viewkasi.php?surl=k-170531-011 (歌詞URL)

歌詞の内容がりななんを感じさせてくれてエビ中のこれまでとこれからをよく表していて泣けてくる。それにやっさんフィーチャー曲というのも凄く心震わせるものがある。QJのインタビューで一番憔悴している様子を見せていたのは誰よりもやっさんだったから。この曲はエビ中にとっての"オレンジノート"、"コノウタ"、"あの空に向かって"のような曲になれると思う。これからのこれまでのエビ中を定義づけるような。

今回のアルバムは今までのエビ中の突飛さも内包しながら、いわゆる王道系の曲も散りばめられてあって初期のアルバムに比べれば多くの人に受け入れられやすいアルバムになっていると思う。だからこそエビクラシーというタイトルになったのではないかと勝手に想像を膨らませていて、メンバーがインタビューなどでエビ中をもっと有名にする、売れると宣言しているからこそのエビ中を民衆に知らしめるという宣言でありエビ中デモクラシーを起こすという意思表明なのだと思う。

12月31日

置き土産と言えばいいのかうまくそれを表す言葉が見つからないのだけれど、結果としてりななんの一件が"私立恵比寿中学"という名前を世間に大きく認知させる事になったから、エビ中にはこれをきっかけに是非紅白の舞台まで駆け抜けていってほしい。エビクラシーという最高の武器もあるのだから。

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